2024.04.15
12年ほど使ってくださったゾウ革コンパクト財布の経年変化
ゾウ革のスタンダードな色として
ブラックとグレーがあります。
ほとんどがジンバブエで鞣され、
染色されてから、日本に輸入されています。
グレーのお色は濃いめ~薄い目と
グラデーションで染まってきて
一枚一枚の個体差もあることから、
それぞれかなりメージが変わります。
本日は久しぶりにおいでくださった
クライアントの
パートナーがお持ちになっている
16年以上使ってくださったゾウ革の
拝見することができました。
長くお使いいただいておりますが、
この方のは一度もお直ししてませんし、
持ち主は「まだ使える。」という
感じで使ってくださっています。
ありがとうございます。
こちらは最初
薄目のグレーだったと思いますが、
使ってくださっているだけで
こんな風に変わって行きました。
「お尻のポケットに入れて
使う時触っているだけでしたが、
いまはもう、ツルツルです。」
お尻に面した方の片面は、
下のお写真のように
汗で肌が少し荒れた感じになっています。
お尻のポケットで汗に濡れますと
牛革もプツプツとした表面になります。
ゾウ革もご覧のとおり
例外ではありませんが、牛革よりずっと丈夫。
さすがは野生の動物です!
ゾウ革・クロコダイル
オーストリッチ、それからコードバン、
いわゆるエキゾチックレザー製品は
長く使っていただき、後追いしますと、
牛革よりも丈夫なことがわかります。
牛革もかなり丈夫ですが、
エキゾチックレザーは稀少なだけでなく
さらに丈夫だと、
長い経験からわかりました。
その時々の実験みたいなものでしたね、
みなさまのご協力に感謝いたします。
こちらのクライアントは
「そろそろこのお財布も替え時かと思って。」
と、パートナーへのプレゼントとして
ご注文くださいました。
なんとステキなプレゼントでしょう!
新しいお財布ももちろんジーヴズ。
そして革は
小銭入れも同じ革で揃えられます。
ゾウ革は最初マットな光沢で
ザラザラしていますが、
使っていくとどんどん変わって行きます。
その変わり方は、最初がザラザラしている分
牛革以上におもしろいかもしれません。
今回のゴールドブラウンは
日本国内で染めた微妙なお色です。
ワンロットで3枚ほどしか染められませんが、
他の2枚もすでに売り切れてしまったそうです。
革の洋服を作る方が買っていかれたとのこと。
ゾウ革は稀少さもさることながら、
とくに今回の革の柄は、すばらしいの一言。
これほどの革ですから、店頭でぜひご覧ください。
のちのち市販品のゾウ革製品を見る時、
それがどれほどの品質かを見極める
良い判断材料になるかと思います。
こんなコラムを書きたくなるような
使用後をお見せいただけたことに、
心からの感謝を申し上げます。