革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2025.02.12

ナイルクロコダイルのファスナー長財布 41113 

「こうして形になると、

革で見る以上にきれいですね!

完璧です。」

と喜んでくださったクライアント。

 

ナイルワニでお作りしたこの長財布は、

ポロサスワニで作った財布に対しての

替え財布です。

 

 

 

 

 

 

最初に作ったポロサスをなるべく長く

良い状態で持ちたいということで、

今回はナイルワニでご注文くださった

クライアントです。

 

貴重なポロサス革を大事に考えてくださり、

ありがとうございます。

 

ポロサス革には

なかなか良い斑柄が見つからないため、

前回は半年近くお待ちいただきました。

良い斑柄をご希望いただきましたから、

最後は革の状態でご覧いただき、

ご注文に進んでいただきました。

 

そういうポロサスをお持ちですから、

今回も事前に革をお見せしています。

 

 

 

   

 

 

 

ポロサスとナイルの違いは、プロでも

よほどよく見ないとわからないくらいです。

そして今回のナイルは、タイミングよく、

ちょうど出来上がった時に

選びに向かいましたから、やはり

すばらしい斑柄の革を

持ち帰ることができました。

 

 

 

 

 

 

ところが、たまたまですが、

持ち帰った革の下の方に

穴ひとつ空いていました。

 

ですから、ひょっとしたら…と思い、

以下のご説明をしたデザイナーです。

 

「3枚ほど候補があったのですが、

下に穴のあるこの革が

いちばんきれいでした。この穴は、

パーツに関係ない部分ですから

問題ありません。」

 

仕入れには、特別な型紙を持って

斑柄を確認しますから、

自信を持って言えることです。

 

そして

「穴があっても

革のお値段は変わらないんですよ、

驚きますでしょ?」と付け加えましたら、

「え、穴があっても

革の値段って下がらないんですか?」と

率直なご感想をいただきました。

そのように思ってらっしゃる方は

きっと少なくないと思います。

 

 

 

 

 

 

この欄で何度か

「見える材料費」と「見えない材料費」

という表現をしたことがありますが、

まさにこの「穴のあるなし」は

その格好の例かと思います。

 

革のお値段は、牛革なら10センチ角、

クロコダイルならタテ寸法で1センチ単位で

決められます。

 

1枚の革の中に、

穴がいくつ空いてようが、

どれだけキズがあろうが、

牛革なら、1枚まるまる÷10センチ角、

クロコダイルなら

1枚の一番広いヨコ幅÷1センチ、

で、無情にお値段は計算されます。

 

ですから、残り物に福がある、という

言い回しは、革に対してはあり得ません。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、1枚の革から

なるべくたくさんのパーツを取りたい

量産品の製作では、

昨今のキズの多い牛革には、

顔料塗装の仕上げをすることが

必須となっています。

 

実際その加工のために、表面加工の

いろいろな新技術が生まれたことは、

すばらしいことと思います。

 

 

 

 

 

 

当店のオリジナルレザーや

エキゾチックレザーですと、

その加工をしてしまうと

経年変化が無くなり、「その革」としての

本来の価値も失われてしまいます。

 

以前書いたように、顔料塗装しますと、

ツヤは出ますが、色の変化はしません。

そしてそのつやの出方は

塗装なしの革とはまったく違います。

塗装なしの革は、透明感と同時に

深みのあるツヤになります。

これがナチュラルレザーのおもしろいところ。

 

話は脇に逸れましたが、

このたびのナイルファスナー長財布は

とてもうつくしい仕上がりになりました。

このたびもありがとうございました。

当店オーダー品をいくつも、

たいせつにご愛用くださることに

感謝申し上げます。

 

 

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