革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2013.12.12

超整理手帳カバー 「ザ・デュアル」のお直し

 

10年近くお使いいただいた定番の「ザ・デュアル」

この度、修理で戻って参りましたので、ご紹介します。

 

この「ザ・デュアル」というお品、

2004年に発売して以来のロングセラーになっていますが、

当店にとってはエポックメイキングな、

よくできた発想の手帳カバーです。

 

2色の革を使ってお作りしていますが、これは、必要から導かれた2色。

単なるデザインではありません。ここが重要!

この2色のおかげで、

ふたつの要素の中身を、クリアに分けて持つことができますから、

どちらに何が入っているか、ひと目で見分けることが可能です。

 

今では、この発想を使って、お財布や、小物入れを作る方も増えています。

 

オーソドキシーは、ものづくりをするとき、

人の想像力を刺激して、新しいものを生むことができるような、

抽象的に捉えることのできるものを作りたいと、つねづね目指しています。

 

そういう意味で、このお品は、

当店の考え方を代表する ひと品となりました。

 

 

年季が入った手帳カバー

 

 

さて、今回の修理箇所は、厚み部分の縫い目が切れてきて、

そのあたりの革が擦り切れてきた部分です。

 

 

修理前の手帳カバー

 

 

広げてみると、上下4箇所ともに、やはり擦り切れています。

長年使った革製品をお直しする場合、

できればしたくないこと、というのがあります。

 

それは、難しいから、とか、めんどくさいから、という

ご依頼をお受けした方の勝手な考えではなく、

革にとって良くないことを避けたい、という理由から出てくる内容です。

 

 

補修後の手帳カバー

 

 

 

お直しして、更にできるだけ長く使いたい、というご要望にお応えするには、

どういう修理方法がそのお品にとって一番いいことなのかを考えることが、

もっとも大切な内容です。

 

革にとって一番いいことは、なるべく 縫い直しをしないこと。

だって、お時間が経つと、針穴が一番消耗しているのですから。

 

それは、新しいお品を作るときも一緒の考え方です。

なるべく修理に回ってこないように、必要部分に補強をする。

表面はすんなり見えても、

中を開けると、複雑なことをしているのは、そういう理由です。

 

当店が、ウラ地に革を使うのは、長持ちする、という理由と、

もうひとつ、お直しがきちんとできる、という理由です。

 

修理後の手帳カバー

 

 

 

無事お直しして、使い手の元へと戻った超整理手帳カバー

これでまたしばらくお使いいただくことができます。

ありがとうございます。

 

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