革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2016.10.25

バッグや財布のオーダーメイドにとって大切な要素

ご来店予約の前にいただくご質問や

ご来店時にお尋ねいただくご質問の中で

多くいただく内容について、お書きします。

 

「素材を変えて

もっとお安くできないでしょうか…」

 

残念ですが、それは当店ではできません。

なぜなら、素材は

一番大事な要素のひとつではありますが、

これだけがお値段を決定する

「一番大切な要素」ではないからです。

 

車の両輪のように、

オーダーメイドでは

製作技術も同時に、一番大切な要素。

 

むしろ、ハイテクの発達した今では

長年かけて、高度な

製作技術を身につけた「人」の方が

素材よりも貴重になっています。

 

そういう技術を完璧に身につけるまで

私たちは、たとえ少数でも

人を育てていきたいのです、

みなさまへの将来的なサービス継続のために。

 

革製品のあらゆるアイテムで

この世に存在していないものを、

型紙から製作して、仕上げまでできる人は、

ご想像なさる以上に数が少ないのが現状です。

 

大量生産をする工場で

便宜的に「職人」と呼ばれている人達は

ある一工程だけしか作りませんし、

取り換えの効く存在と言わざるを得ません。

 

一方、長い期間かけて

どのアイテムでも作れるようになるほど

技術を修行・体得していくのは、

なんとストイックで

なんと辛抱のいることでしょう。

 

これひとつとっても

誰にでも到達できることではありません。

 

しかも、製造業は

残念なことに、もっとも賃金の安い業種。

たとえば、私の知る

5~6年前に作ることを止めた

70歳の職人ご夫妻ですが、

一か月間2人がかりで作った量産品の代金は

20万円だったそうです。

材料はすべて依頼会社持ちだったそうですが、

なぜ製造業が廃れていくのか

よくわかる事例です。

 

大量生産で

アジア各国の安い人件費と戦っていくには

こういうことになってしまうのは

無理からぬことなのかもしれませんが、

何とも寂しい話ではありませんか。

 

会社組織の行う大量生産と

一点一点オーダーでお作りする

オーダーメイドとの一番の違いは、

前者は一日で何百もの品物ができますが、

後者は、ひとりの職人が2週間かけても、

「できた~~」となった時には

たったひとつの品物しか出来上がらないこと。

 

つまり、前者と後者に

同じ100人の作り手がいるとすると、

大量生産の方は、ひとりひとりの作り手が

10人分(仮の数字です)の働きができる

システムを持っていますから、

@10人分x100=1,000人分の働きが

可能になります。

しかしオーダーメイドの方は

ひとりの作り手は

いちどに一人分しか作ることができないので、

@1人分x100=100人分の働き。

しかも、一点一点作るものが違うわけですから、

材料も型紙も用意されている分業工場と違って

平行した分業作業もできませんから、

時間の方が何倍もかかることは当然です。

 

また大量生産では、企画から製造、販売まで

多くの人が関わりますが、

それを補って余りある各々の会社のシステムは、

それに関わる人全員が休んでいても、動いています。

 

ですがオーダーメイドでは

作り手やお店が休んでいる時には、

なんのシステムも動いていないのです。

 

人間は機械じゃありませんから、

最高クォリティの仕事を継続するためにも

お休みは必要です。

どこにもないお品を、使った時に

問題がないよう製作するということは、

どれだけ神経を使うことか。

 

どんなにIT技術が当たり前になっても、

テクノロジーが進化しても、

人が何かひとつのものを

最初から最後まで作るということには

時間がかかります。

 

しかも革製品は、

この呼び名の大きな括りの中に

製作ノウハウの違うアイテムが

数え切れないほどあるジャンル。

習得するまでに

どれだけ必死な努力と時間を要するか、

ご想像いただけますでしょうか。

 

当店がクライアントひとりひとりに

お付けする職人たちは、

10年以上のキャリアを持つ

ベテランばかり。

 

すでにクライアントのみなさまに、

高品質のお品を

間違いなくお届けできますのも、

こうした現状をご理解いただいているからです。

 

だからこそ、いい素材を使い、

長くお使いいただきたいのです。

劣化する素材ではなく、

使うほどに良くなる素材を、です。

そのために、当店だけの特別牛革を

ご用意しています。

 

クライアントのみなさま、

長きに渡り

当店をお引き立ていただきまして

ありがとうございます。

 

ますます技術を高め、

世界最高のお品をお届けすることを

みなさまにお約束します。

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