革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2020.07.15

フィリピンペソ用さらに小さいコンパクト財布「ジーヴズ」 202

イタリア製の最新革の一種で

ジーヴズを製作しました。

 

今回のジーヴズは

革の特徴から、

一部外縫いにしています。

正確に言いますと

外縫いに「せざるを得なかった」のです。

 

革の扱いがあまりに難しく、

これを作るために、

試作をすることになりました。

それが店頭でご覧いただけますから、

ご興味ある方は、ご覧ください。

 

 

イタリア製の革では

それぞれいくつかお作りしていますが、

「最新革」だけあって

どの革に対しても

難しい製作技術を「使わされて」います。

 

普通の牛革であれば

どこの国で作られた革であっても、

仕立てにさして苦労した経験は

ほとんどありません。

 

 

ところが彼らの革だけは

他のどの国の新作とも、まったく違っています。

 

アプローチが斬新で、常に新しい。

驚くべき考え方の柔軟さです。

どれも

どうやって作っているのか、

まったくわかりません…

 

今回のそれぞれの革の特徴を鑑みると、

革に対する「彼らのテーマ」が

透かし見えてきます。

 

今回のテーマは、ずばり

「極限までの深い型押し」です。

 

 

以前オーダー例でご紹介したものを

例にとりますと、

手帳カバーファスナー長財布、と

(まだまだ全然ご紹介足りてませんね)

どれも想像を絶する型押しの深さで、

 

ファスナー長財布の革と

今回のジーヴズを作った革は、

もはや型押しという範疇ではなく、

「切れ込み式デザイン」ともいうべき

恐ろしく深い模様が入れられています。

 

購入した時にはもちろん

深い模様だとわかってはいたのですが、

 

実際に製作に入ると、

これほどの切れ込み模様を

どうやってお品物に反映させるのか、

悩ましいこと事実に気づきます。

 

こんな革は、本当の意味で、

「革で製作する」ことがわかっていなければ

扱うことはできません。

 

ましてや量産品のラインには

絶対に載せられませんから、

この革が、世界中でもおそらく

ほとんど売れなかったことが

容易に想像されます。

 

 

でも、彼らの革はカッコいい!

だから当店では何とか形にします。

チャレンジングな革にほれ込んだら、

一生懸命 対峙するのです。

 

ご注文者や買っていただく方には、

製作にどれほどの苦労があったかが

絶対にわからないように、

サラッと仕上げて、お渡しします。

 

これはそんなお品のひとつ。

すぐに切れてしまいそうな型押しを、

切れないようにお作りしています。

 

 

というのも、

長いお付き合いのクライアントが

長期赴任にお出かけになるための

ご注文品ですから。

 

フィリピンペソが入って、

お尻のポケットに入っていることが

わからないよう、

薄く、小さくなるようお作りしました。

 

現地では

小銭しか持ち歩かないということですが、

とにかく小さく、薄くして持ちたい、

ということで普通のジーヴズよりも

さらに小さくしています。

 

持ち物などであまり楽しめない土地でも、

便利さを追求していただくことは

できます。

 

そしてそんな時、ちょっとした楽しみを

こうして加えることもできるのが、

オーダーメイドの良いところです。

ありがとうございました。

 

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