2003.10.5
コーヒーブレイク2
「素材と作り方について」
「革製品」とひと言でくくっても、アイテムはさまざまです。
オートクチュールをお考えの方に、
イメージ作りに役立つ、
2種類の作り方をご説明しましょ う。
1.外縫い
外から見ると、面を作るためのステッチ(縫い糸)が見える、
バッグや小物の作り方です。
当店の製品で例をあげますと、
紳士物では、トップバーブリーフケースやストライプポイント。
女性物ですと、デコルテバックシリーズやラティーゴ、
また、ステーショナリーは、ほとんどが外縫いです。
デザインの特徴は、カッ チリとしたシャープなラインが出ること。
バッグですと、あまりパンパンに中身を入れない方がかっこいいでしょう。
作り方としては、それぞれのパーツを切って、貼って、縫う。
いたってシンプルです。
また、革の切り口を「コバ」と呼ぶのですが、外縫いのときのコバの仕上げ方には2種類の方法があります。
A.へり返し、あるいは返し合わせの仕上げ
B.コバ磨きの仕上げ
A、Bの方法には、それぞれ素材や作り方に違いが出てきますので、下の 表をご参照ください。
A.へり返し、返し合わせ仕上げ |
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使う革 ・・・
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どんな革でも可能。 柔らかく、薄手の革が向いている。 |
製法の特徴 ・・・
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ほとんどの量産品に使われる仕上げ方法。
ウラ地として布やビニール、ナイロンを使った場合には、 |
製品の特徴 ・・・
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外縫いでも、柔らかな雰囲気が出る。 革の端を薄くしてから仕上げるので、耐久性に欠ける。 |
B.コバ磨き |
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使う革 ・・・
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磨き用に作られた革のみが可能。 |
製法の特徴 ・・・
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工場の生産ラインでは作ることの出来ない仕上げ方 法のため、ひとつひとつ職人が手作業で仕上げる仕上げ方。ウラ地をつける場合、ウラ地も同等の革を使わなくては、美しい仕上げができない。 |
製品の特徴 ・・・
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カッチリとしたシャープなイメージが出る。 革の端を薄くする必要がないことと、ウラ地にも革を使うため、耐久性が高い。 |
2.内縫い
外から見ると、面を作るためのステッチ(縫い糸)が見 えない、バッグや小物の作り方です。
当店の製品で例をあげますと、
トラベルでは、シエナやオーバーナイト#3、
ユニセックスですと、ディクスンやコラムになります。
デザイン的な特徴は、ふっくらしとした柔らかいラインが出ること。
たくさん中身を入れても、形がくずれません。
作り方としては、パーツのウラを表に出したまま貼り合わせ、縫った後 で、ひっくり返して仕上げる、という方法です。
それで、面を作るための縫い目が外に出なくなります。
内縫いの仕上げに関しては、外縫いのように特別な方法はありませんの で、製品として出回っている数は最も多く、量産品の代表的な作り方です。
柔らかい仕上げなので、ウラ地も布やナイロンなどを使い、革であって も、薄く柔らかい素材が適しています。
以上のふたつを知っていただければ、なぜ 当店の製品群に2種類のウラ地が使われているのか、ご理解いただけると思います。
「適材適所」という言葉どおり、まさに作 りと素材は、コインの表と裏のように、切っても切り離せない関係。
デザインに適した素材を、適した方法でお 作りすれば、すんなりと美しい仕上がりに収まります。
もちろん、お客さまは細々としたことをお 知りになる必要はありません。
当店のコンサルティングデザイナーが、あ なたのオーダー品を作るために必要な、高度な知識と技術を持っています。
当店でお客さまに必要なことは、
椅子にすわってゆっくりと
お話しいただくお時間をお取りいただ くことです。