革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2024.07.2

定番ハーフムーン二つ折財布 40508

この優しい形のお財布は

30年ほど定番でお作りしている

「ハーフムーン」

丸い形が手に馴染みやすく、

未だにご注文を頂戴します。

 

 

 

 

 

 

このたびいただいたご注文のお色は、

ワインカラーの型押し。

ご注文、ありがとうございます!

このお色は

栃木レザー㈱の新しい担当者が決まってから

さらに美しいお色を出してもらっています。

 

元来の指定色は深めのワインカラーで、

当時は(20年ほど前までは)意図せず、

カルティエ製品のお色のようだ、

と言われるお色でした。

 

そのようにシックで上品なお色でしたが、

少しずつ革の作り方が変わって行ったことで

同じ色出しが難しくなってきました。

 

それが現在は

以前デザイナーが指定した

昔のお色、シックで上品なワインカラーに

戻すことができています。

もちろん経年変化も

その本来の姿をみせてくれます。

 

 

 

 

 

 

このハーフムーン財布は

愛らしい形をしているにもかかわらず、

製作の仕方はかなりハードで、

きっちりと詰めていきませんと

美しく仕上げることができません。

 

「ジーヴズも難しいですけど、

このお財布の製作難易度の高さは

また別の意味で格別です。」とは

一技術者の証言。

 

 

 

 

 

 

何がそんなにテクニカルかと言いますと、

革を薄くする(漉き)時

ほとんどの場合、

ひとつのパーツの一部分対しては

一貫した漉き方をするのですが、

 

この財布は

その一部分の中で漉き方を変える

変わり漉きの方法を採っています。

ですから、

上手な人でないと失敗してしまいます。

 

初めてこの財布を作る技術者は

「こんな漉き方をするんですね!」

と、驚きの言葉を発します。

そしてしばらく練習してから

本番に入るくらい。

 

 

 

 

 

 

熟練した技術者でないとできない製品が、

当店にはたくさんあります。

 

熟練と言っても、

長い時間やってきたというだけでは

当店の技術者は務まりません。

 

難易度の低い製品を

いくらたくさん作ったとしても、

それはそれで別世界だからです。

 

以前、25年の製作経歴の持ち主に

スタッフとして入ってもらって

半月ほど経った時

「ここの製作方法に慣れるには

もっとずっと時間がかかります。」

と言われたくらいです。

 

 

 

 

 

 

こんな小さな製品ひとつとっても

たくさんの技術の集まりです。

 

このように、当店が技術を駆使するのは

みなさまのご要望を満たして、

美しく使いやすいものを作るためです。

 

その技術の粋を

みなさまからご注文いただく

たったひとつの製品に注ぎ込んでいる、

と知っていただければ嬉しいです。

 

 

関連記事

  • 外側

    お守りケースのご注文

  • お札をタテに入れます

    お札をタテに入れる長財布

  • 出来上がり品のイメージについての例、ベルトの質感

同様のアイテムを見る: