2024.07.10
リアルイタリア、トスカーナの生活#1
デザイナーは、革製品の本場イタリア
トスカーナへ久しぶりに出向き、
日本には入って来ない
メイドインイタリーのたくさんの革製品、
街の様子や生活の仕方、気になる革製品など、
さまざまな見分をしてきました。
体験のすべてが考え方の中に入り、
新しい思索に繋がって
作るものに反映されていきます。
モノづくりとはそういう仕事。
今日はトスカーナの現在について
お知らせしようと思います。
トスカーナ地方というのは、
上の地図の赤いエリア(Wikiからの引用)
で、フィレンツェからシエナを中心として
西側の海沿いのエリアまでを含みます。
この地方でナチュラルな牛革が作られていて
世界3大革の生産地として有名ですが、
素材としての革だけでなく、
牛革製品を作る会社もたくさんあります。
*左は小さな革工房。右は布のお店で、革製品は
他の製品と一緒に扱われていることも多い。
ですから、トスカーナの小さな街には
他の大きな街ではあまり見られない製品も
たくさん見ることができます。
今回は「見てくるだけ」と言いつつ、
「持ってきちゃった…」と
イタリアのモノづくり精神に共感した製品を
みなさまにご紹介することにしました。
ご興味ある方は
ウェブショップの
デザイナーズセレクションをご覧ください。
*左のアイデアは、デザイナーも考えたもの!
世界のどこかで同じことを考えている人がいます。
右のショーウィンドウはとてもきれい。
それはさておき、トスカーナの話です。
コロナ後、フィレンツェやシエナのような
大きな街はかなり変わりました。
小さなお店、昔からのお店は少なくなり、
世界的なファッションチェーン店も
メインストリートに出来ています。
昔の街の姿を知っていますと
「どうしたの?」という感じ。
聞けばコロナの影響がやはり大きく、
レストランも小売店も、小さなお店は
かなりなくなって、入れ替わったらしいです。
*左は靴をフューチャーしてますが、いろいろな
種類の小物を売るお店。右は露店。
一番驚いたのは、
革靴専門店を見なかったこと、と
デザイナーは言っています。
代わりにスニーカー店が複数ある街もあり、
「革靴は
すっかりスニーカーに押されてるみたい」
とのこと。
「おしゃれな男性は革靴を履いてるけど、
(観光客はもちろん)現地のほとんどの人も
スニーカーなの。
革靴専門店がなくなるはずだわ。」
*革製品を飾るのにも
いろいろなショーウィンドウがあります。
革靴を作っていたメーカーの中には、
主力商品をスニーカーにシフトしてしまった
会社もあります。
おそらくそうしないと、生き残れないでしょう。
「ファッションは街が作る、
って前に話したと思うんだけど、
トスカーナの街ってみんな古い石畳の街でしょ、
だからピンヒールの靴なんていらないのよ。
そのような靴を履くのは、
ドレスアップした時とかフォーマル時だけです。」
*左はスニーカーに顧客の要望に合わせて
その場で飾りをつけるお店。日本的な
アプローチです。右はアヒルちゃんのお店。
こういうシャレの店もたまにあります。
「その延長線で考えてくと、
スニーカーはぴったり生活にハマります。
革靴が
オペラや観劇以外に活躍できる場は、
ほとんどないという感じです。
おしゃれなブティックに置いてある靴も
今はスニーカーですから。
またイタリア独特の染色は、
あの石の建物の街にいると、すごく馴染むの。
ピンク色だって、
イタリアのピンクはスモーキーでしょ。
いかにもイタリアらしい色です。
都市から生まれたカラー、って感じね。
はっきりしたブルーではなく
微妙なブルー系。
ブルーはヨーロッパでは合わせにくい
イメージだけど、このブルーなら大丈夫。
でも東京の街にも似合う色だから、
良いと思って持ってきました。」
*なんとなんと、フィレンツェの街で見かけた
「ちびまる子ちゃん」製品。ウィンドウの
一番いい場所を占領していました!
まだまだおもしろい話は続きます。
ぼちぼち紹介していきますので、
お楽しみいただければ嬉しいです。