実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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オールコードバンのトートバッグ 50701
2025/09/28
覚えていらっしゃいますか?
今回ご紹介するのが、件の
オールコードバンのトートバッグ。
このようなお品を見たことある人は
いらっしゃるでしょうか?
私たちがお作りしたのは初めてで、
このたびの製作では
オールコードバン製作において
何が大変なのか、
多岐に渡って知ることになりました。
技術的なことが多いですから、
そのほとんどはここでは割愛します。
でもそこをクリアしたおかげで
出来上がったバッグを見て、全員が
「おお~っ!」と歓声を上げるほど
見事な鞄になりました。
素材の力は大きい!
中にたくさんのお荷物を
お入れになるため、
結構な厚みある鞄です。
中身が入っていませんと
テーパーがきつめにかかったように
見えると思いますが、
実際に中身を入れていただくと
ちょうど良いテーパーになります。
当店ではこのように、
その方の荷物量によって
テーパーのかけ具合なども変えます。
まさにパーソナルなひと品。
たまに手術用メガネのケースを
一番上にお入れになるということで
鞄の口フタの厚みもありますが、
ファスナーを外して
開けっ放しで持つこともできるよう、
内側のポケットを調整しています。
これは私たちには当たり前ですが、
見せていただく市販バッグの中には
違う仕上げのモノもよく見ます。
さて、このバッグの真骨頂と言える
もっとも難儀だったご依頼内容で、
みなさまにも見分けていただける所は
上のお写真でご覧ください。
まずは内側にお付けした仕切りです。
それだけならどうってことないですが
厚みの比率が、4:6です。
真ん中で仕切るわけではないことが、
大変なところです。
バランスが崩れますから。
そして仕切りにはクッションを入れ、
PCを入れられるようにしています。
もちろんカバンの底面にも。
4の方にはA4書類などを入れます。
名刺入れなどの小物は、
取り出しやすい位置に
キープできるよう、セットしました。
たくさんの荷物が入りますから、
底面も安定させています。
仕上げはデリケートな底鋲を
6つ打つことで、支えられるように。
底鋲の形はお選びいただいてます。
その大きさや形、
そしてバッグの大きさによって
付ける数や付け方を変えます。
出来上がった時
自然に見えるオーダー品には、
熟考に熟考を重ねた
さまざまな「選択」がなされて
ご注文者の手にお渡しされます。
「これは一生使います!」
と言ってくださったクライアント。
これをお持ちになる時の嬉しい、
誇らしいお気持ちを感じました。
このバッグにふさわしい持ち主は
これからもたくさんの人を助け、
すばらしいお仕事をなさるでしょう。
このたびは稀有なご注文を
ありがとうございました。
作る私たちもドキドキしましたし、
愉しむことができました。

市販スマホケースの分解実験
2025/09/27
お写真で技術者の作業を
興味深く
見てくださっているのは、
今回のクライアントです。
”鶴の恩返し”のごとく、
普段は作業そのものは
お見せしないのですが、
今回は特別。
なぜなら
このオーダー品について
ご協力くださっている
ご依頼者だからです。
いままでにもご協力者は
10人ほどいらっしゃいましたが
ご紹介したことはありません。
でも、いまはこうした内情も
みなさまが愉しんでくださるか、
とクライアントにオッケーを頂き
お載せすることにしました。
さて、話を戻します。
”研究”とは
大げさかもしれません。
でもまさに今回は研究で、
今までお断りしていた案件に
取り組むことにしたからです。
当店でお受けできない
ご注文の中に、
”材料が入手できない”という
理由のものがあります。
それがこの
円形スマホマグネット。
円形のマグネット自体は、
安価に
誰でも入手できるものは
たくさんありますが、
”強さ”がまったく足りません。
スマホケースに埋め込んだのち
薄い革を貼って
スマホを固定するのですから、
スマホが落ちない強さが必要です。
こちらは貼られる側、ですから。
それについては今まで
追及することは
ありませんでしたが、
この、本気でケースを欲しい、
と思ってらっしゃる方には
きっちりお応えすべきと
思いました。
好奇心の強い方で、
ものを作ることに
ご理解がありまして、
初回のご相談では、
埋め込むことのできる素材として
使えるのではないかと
マグネット単体と、
サイズ見本のスマホシェルとを
お持ちくださいました。
なかなかこんなことはありません。
それをお預かりしての”研究”です。
まずは、お持ち込みいただいた
マグネットの強さを調べます。
とても弱かったものですから、
私たちの方でも
もっと強い、という触れ込みの
マグネットを買い求め、
実験しました。
その結果、二度目のご来店で、
市販品のマグネットは
問題にならないくらい弱いので、
他のマグネットを探さないと…
と、実験の仕方、経過と結論を
ご報告しました。
そうしたところ、
ご依頼者から自発的に
「現在使っている
このケースなら大丈夫ですから、
バラせるように
同じで新しいものをお持ちします。」
というアプローチがありました。
ありがたいことです。
*市販ケース本体のマグネットの
種類がわかり、驚きました。
やっぱりね、という素材でしたが、
個人では加工できない磁石でした。
そこで、お持ち込み品をバラそう、
と、1枚目のお写真の光景
つまりは三度目のご来店、
という運びになったわけです。
当店顧客には
好奇心旺盛な方が多いと
感じますが、
すばらしい情熱です。この方は
「私も知りたいですから。」
とおっしゃいます。
物事を進める時には
この”知りたい”欲求が
どれほど強いか、がポイントだと
デザイナーはいつも言います。
「謎が解決したし
材料も手に入ったから、
きちんとしたお品ができる!」
どうぞ吉報をお待ちください。

使い慣れたカード入れの再生版 50802
2025/09/26
小物をたくさんお持ちくださっている
ご注文者は、長いお付き合いです。
久しぶりにおいでくださって、
ずいぶん前に定年前にリタイアして
稼業を継いでいたお話を伺いました。
リタイアしてからご自分の好きな国を
パートナーと一緒に回ってらっしゃり、
充実したご様子です。
「カード入れに
これを使っているのですが、
いよいよダメになって来たので
こちらで作ろうと思いました。
他のオーダー品は
いまも全部使ってますが、
やっぱりここのはいいですよ!」
現在お使いのカード入れを
お持ちくださり、
それと同じように作りたいという
ご要望をいただきました。
長く使って行って
カードが入っているところを見ますと
なるほどこのように使うのですね、
とわかりますから、
それを考慮に入れつつ採寸します。
「最初は大きく感じると思います。
革製品て、使っていくと
小さくなっていきますから。
ブログでご存じだと思いますが。」
というデザイナーの説明に、
「そうみたいですね、不思議です。」
店頭でお話ししてますと、
使って行くと大きくなっていく、
と思っている方は少なくありません。
シンプルなカード入れですが、
同じように作るとなると
プロの目でその「同じ」を見ます。
お届けしたらお電話をいただきました。
明るいお声で
お受け取りのご感想をいただくと
ホッとします。
オーダーもそうですが、
海外の都市の旅慣れた歩き方を
ご披露していただけたのは、
すばらしい情報でした。
普段の生活でこのカード入れを
どんどん活躍させてくださいね。
このたびもありがとうございました。
次回お目にかかる時も
旅のお話を楽しみにしています。

何個目かの、いつものファスナーポーチ(クラッチバッグ) 508N
2025/09/24
ありがたいことに、新しいものも
ご注文いただきました。
データは残してありますから、
毎回なるべく同じにできるよう
お作りしています。
前にお書きしたとおり
「以前と同じものを」というご注文は
存外に難しいのですが、
このくらいのサイズになってきますと
ほぼ同じくお作りできます。
とにかく
デリケートな小物ほど難しくなります。
こちらのクライアントは
もう何度もおいでくださっています。
ご職業は存じあげませんでしたが、
今回初めて、医師だということを
明かしてくださいました。
「だってね、自分が欲しいものを
作ってくれるところって、
他にないんですよ。だから
皆さん身体を大事にしてくださいね。
私は医者ですから、何かあったら
すぐに相談してください。」
なんと嬉しいお言葉でしょう!
毎回同じポーチを
ご注文くださいますが、
素材を変えたことはありません。
当店オリジナルレザーのルバルには
手に吸い付くような手触りがあり、
これが「普通」になってしまいますと
まず他の革には代えられなくなります。
こうして
気に入っていただけて良かったです。
ファスナーにも
柔らかいナイロンを使いますから、
もしかすると、手を
大切になさっている方かもしれません。
前回お色直ししたポーチは
とてもきれいに仕上がりました。
きっと場所場所で
使い分けてくださっていると
想像しておりますが、
いつも喜んでくださるのが
とても嬉しいです。
ご愛用に感謝申し上げます。

31枚パーツの長財布へのさまざまな検討
2025/09/23
「オーソドキシーのすべてを
あなた一人のために…」
1点のオーダー品をお作りするのに
どれだけ多くの検証をするか。
どんなに言葉を尽くすより、
このお写真をお見せする方が
きっと理解しやすいだろう、と
みなさまにお見せします。
上のお写真は、
ご希望の仕様をまずざっくりと
試作したものです。
それは、きちんと機能するかどうか
確認するためでもありますし、
もっと良くなりそうなアイデアを
見つけられたなら、
それを取り入れるために行っています。
これはもちろん、ご相談者の理想を
深く理解することから始まります。
また当店では
さまざまな革質を使いますから、
それぞれに合った加工の仕方を
一点一点選んでいきます。
これが想像以上に難儀で、
上のお写真では、ピンクとブルーが
ミルフィーユのように重なる断面を
どう加工するか、決めるために
革の相性と色の相性を
実験しているところです。
お渡しした時にクライアントから
違和感なく、きれい、
とすんなり思っていただけることが、
その選択が成功したかどうかの
判断となりますから、
デザイナーは
「お渡しする時一番ドキドキします。」
と言っています。
どなたからも「すてき。」
と言っていただけるよう、
一つひとつのオーダー品に
これ以上ないほど心を砕いています。



















