実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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気持ちが明るくなるマスタードジーヴズ
2025/07/13
ナイルクロコダイル、世界に一つだけの名刺入れ 50409
2025/07/12
「この名刺入れを、クロコダイルで
作って欲しいです。」
一点ものとしてお出しした
名刺入れと同じようなサイズで、
ご注文をいただきました。
1面名刺入れにぴったりのサイズです。
よく使い慣れた名刺入れで、
ここまでお入れになるか!というほど
たくさんの名刺をお入れでした。
クロコダイルの革に対して、この方は
どの場所が好き、というご希望がない
と言ってくださいましたから、
では、とデザイナーが
普通あまり使われない部分の革を
ご提案しました。
それが、出来上がってびっくり!
こんなに素敵に出来上がるとは…と
アトリエの全員が「これはおすすめ」と
言うほどでした。
右が見本で、お手持ちの製品でしたが、
同じサイズでクロコの柄を用いますと
こんなにも印象が変わります。
普段使いの革製品が、
印象的で高級感あふれる雰囲気に!
革の斑柄の位置で
製品の印象がここまで変わるとは、
驚きの部位です。
これまでこの部位は、
オーダーで何をお作りしても
中途半端に余ってしまう部分で、
ではさて、この斑柄で何を作ろうか
となると、使える製品を思いつけず
悩んでいた部位です。
ここまで素敵に出来上がったのは、
このアイテムと斑柄が
ぴたりとマッチしているからです。
このクライアントからの
リクエストがなければ、
考えなかった組み合わせです。
それに気づかせてくださり、
ありがとうございます。
お届けした後の
クライアントからのご感想をご紹介します。
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本日、品物が到着いたしました。
どのような仕上がりか、
楽しみにしながら開封いたしました。
実際に拝見すると、
とても素晴らしい仕上がりに
驚きました。
模様の入り方の美しさ、
私がずいぶんお願いしていた薄さ、
などすべてが臨んでいた通りでした。
見本にお渡ししました、
ナイロン製の名刺入れと
サイズ感は同じイメージで、
ワニ革の素晴らしさを併せもった
素晴らしい品物でした。
本当にありがとうございました。
また機会がありましたら
ご相談させてください。
************
こんなご感想を頂戴できて
とても嬉しいです。
長くご愛用いただけることを
心より願っております。

ご注文者が考えたコードバンの二つ折り財布 50307
2025/07/10
「今度はコンパクトな二つ折り財布を
作っていただきたいです。」
と2点作ってくださったご依頼者が
ご来店くださいました。
お話伺いますと、
「前回のもよかったのですが、
もっと小さく、薄くしたくて。
それで、その後いろいろ使って、
こんな財布がいいんじゃないか、と
考えがまとまりました。」
毎回、いろいろ使ったうえで
ご自分でお考えになるなんて、
すばらしいことです。
さすが当店のクライアント。
オーダーはもう、お手のものです。
*かなり薄くできたコンパクト財布。
「今回はコードバンが良いです。
あの表面の質感が好きですから。」
ご指定の革もしっかり決まっています。
コードバンは馬のお尻の革、と
ご説明していますが、正確にいいますと
革ではありません。
おしりの革をめくるとその下にある
「コードバン層」という真皮層です。
製作側から言いますと
砂粒が密集した集まり、
とでもいうような感覚の革で
他にはない製作の難しさがあります。
その代わり、丈夫。
やはり野生の動物です。
*札は挟むだけで、挟みやすく
改良している。右手には小銭入れ。
小銭入れの下にカードが数枚入る。
大きな特徴として、粒子が細かいので
革の裏がすべすべしてキレイです。
ここに革の裏地を貼る人もいますが、
裏を出したままにする人もいます。
上記は各自の好き好きなので
オーダー時にお尋ねしています。
牛革や他のエキゾチックレザーと
ひと味違うのは、この手触りの良い
革の裏面ですから、
裏地を付けずに
お作りできる大きさであれば、
そのまま使うのも良いと思います。
この製品は裏面そのままのお品。
*使い方を考えて
小銭入れの片側にマチを付けた。
この財布の変わったところは、
左のぺらの革と小銭入れとの間に
広げたお札を挟むところ。
今までさまざまな形を作りましたが、
このタイプの札入れ部分としては
かなり使いやすそうです。
小銭入れはほとんど使わない、
ということなので、
その裏面に必要最低限のカードを
入れるのも納得がいきます。
人によって
持ち物はぜんぜん違いますから、
「使いやすい」も人の数だけあります。
毎日のイライラを解消するために
当店オーダーメイドがあります。
*小銭入れの裏面にカード3枚入る。
お持ち帰りいただき、少ししてから、
ご感想を頂戴しました。
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正直、使い勝手は「最高」です。
大きさも形も、
革のツヤや香りも
非の打ち所がないです。
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この方の理想の財布が
こうして形となり、
このように喜んでいただけることは
とても嬉しいです。
このたびもありがとうございました。

稀有なクロコダイル革、ポロサス藍染とナイルヌメ
2025/07/09
ご依頼に応じてお入れしました。
その購入時、生涯で
初めてお目にかかった驚きの革を
ご紹介します。
それが下のお写真の2枚。
どちらも経年変化する革たちです。
右は、珍しく入荷した
エルメス社のクラストレザーから
ほとんど傷のない革を選んで
藍染めしたポロサスのクロコダイル。
4枚しかできませんでした。
ここまできれいな革は
滅多にありませんし、
斑柄もとてもきれいです。
クラストレザーの段階で
入荷するのも、極めて稀です。
左は、ナイルクロコで、
なんとヌメ革です。
タンニン鞣しで、ヌメ仕上げ。
こんなクロコ革も初めて見ました。
こうして藍染めとヌメを並べますと、
それぞれの個性がはっきりします。
藍染めは、一回行う染めだけでは
薄い青にしかなりませんから、
濃くしようと思ったら
何回か染めなくてはなりません。
でも、やみくもに何回も染めればいい
というわけではありません。
ポロサスのクラスト(染色前の革)は
クロム鞣しですから、
ある回数以上の染めを重ねると、
硬くなってしまいます。
ですからそのあたりの様子を見ながら
進めていかなくてはなりません。
*オーダーできるサイズは小物~
小さめのクラッチバッグくらい。
今ならバッグを作れる枚数あり。
お写真ではうまく色が出せませんが、
さわやかできれいな藍の色です。
藍染めが難しいのは、回数だけでなく
一回一回の染めの時間。
うかうかしていて染め時間が
少しでも長くなると、せっかくの革が
台無しになってしまいます。
クラストからの藍染めの革の
他に代えがたい特長は、使っていくと
色濃く変わっていくことです。
当店オリジナルレザーと同じく
手でなでていくだけで、
それぞれの革が持つ革質に応じて
藍色が濃くなっていきますから、
育っていくのを楽しんでいただく革。
その点からも世界でたった一つの、
自分だけの革製品となります。
*手帳カバーや財布など小物ができる。
ヌメ仕上げのクロコダイルは、
斑柄の凹凸が特にクリアできれい。
そして上のお写真は、色染めの入らない
うつくしいヌメのクロコダイルです。
クロコダイルで
ヌメ革を作ろうとしましたら、
小さいサイズの革ですから、
300枚ほどのクラストを揃えないと
制作できない、という
革の制作会社からすると
めっぽう気合が必要ですし
保管に対する覚悟と
繊細な注意も必要な革です。
時間をかけてキズの少ない革を集め、
高品質のヌメ革を作る…
色代わりもありませうから
きれいに保管するのも大変です。
ヌメ革ですから、当然
使うことで経年変化していきます。
育て甲斐のあるクロコダイルなんて
これまで聞いたことがありません。
なんと豪胆な革でしょう。
それぞれ1枚ずつお入れしました。
気になる方はどうぞご覧ください。
どちらも
現物の革のほうがずっと素敵です。

ご希望内容どおりのフルオーダーメイド、ファスナー二つ折り財布 504N
2025/07/09
以前お財布をご注文くださった方から
再度ご依頼いただきました。
前回のお財布にも
特別なこだわりがありましたが、
気に入ってくださり
長く使っていらっしゃいました。
まず今回は型押し革で、
というご希望があったので
最初に革の候補をお見せしてから
中身をお決めいただきました。
近年、三方ファスナーの折り財布は
珍しい形になりましたが、
30年ほど前なら
必ず市場にあった定番品でした。
*開いたところは普通のカード入れ。
今回大変な製作になったのは
全体サイズに縛りがあったことです。
とくに難儀したのは、厚み。
以下のお写真をご覧ください。
この財布の仕様は、
1.札入れ部分には仕切りがあり
2.右側のカード入れの下には
箱型の小銭入れがあります。
2.ですが、これは
カード入れが
箱型小銭入れのフタになっている、
という意味です。
お分かりいただけますでしょうか?
*右側のカード入れが
小銭入れのフタになっている。
この財布の内側には、
仕切りのある札入れの他、
左側にカード4枚+数枚
右側に、カード3枚+数枚+小銭入れ
とみっちり厚みがあります。
にもかかわらず、
財布のファスナーの厚みを
ご指定いただきましたから、
パーツすべての革を
ぎりぎりまで漉くことが必要です。
そして当然ながら
全体サイズにも厳しい縛りがあるため
当店でなければ絶対に作れなかった、
と断言できるほどの
ギミックを施しています。
見た目はごくごく普通ですが…
*右側のカード入れを開いて
小銭入れを起ち上げたところ。
この件はちょうど良い例なので、
フルオーダーメイドにおける
見積もりの大変さを
ひとつだけ披露しましょう。
このようにみっちりと中身の入る
財布は通常、中身のサイズに合わせて
厚みを決めながら作っていきます。
要するに作りながら考える、
厚みは成り行きから決まって行きます。
これだけでも、実際
作れる職人は少ないはずですが、
さらに今回は、
外側のサイズがあらかじめ
すべて決められていました。
さて、そのサイズを厳守しつつ、
無理のない製作が可能かどうか、を
どうやって判断するのでしょう?
この問題ひとつとっても、
ただ漫然とモノを作るだけの人には
到底できないことです。
*中身をすべて詰めたうえでの
ファスナーの厚みは、ぴったり。
しかも当店では、
ご相談をお受けしているその場で
その可否の判断をお知らせします。
みなさまのご希望を叶えることは、
自然にまとまって見える形からは
到底想像できないほどの技術を
駆使することが必要です。
ご依頼者おひとりのために、
たったひとつのオーダー品のために、
当店は持てる技術をすべて使います。