実際のオーダー例
40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。
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叢雲グレーのバイカラー、ショルダーバッグ 411N
2025/01/09遠方の方からのご依頼です。
Zoomで相談できれば、というご希望でしたが
ご招待いただかないと当店ではできませんで、
メールでのご相談となりました。
初めてのオーダーメイドなので、
やり取りしたメールの数は
それぞれ30通以上になりました。
見本となるバッグがあるとのことで、
お写真をお送りいただき
サイズをお知らせ頂きました。
それを元にして、
長形3号の封筒が入る大きさにしています。
ご希望の革の色がいろいろあったのですが、
ウェブショップに出ている
叢雲グレーを気に入ってくださったようで
それをベースにバイカラーのもう一色を
絞ることになりました。
叢雲グレーの革質と色目を考えますと、
当初ご希望いただいた革の種類と色は
あまり合わないものでした。
しかし、どうしてその革の種類か、
などお尋ねしていきましたら
特にこれと言った理由はないようでしたから
他の革もお薦めしてみました。
結果としては
デザイナーのいち押し、このライトグレーに
決まったのは、とても良かったと思います。
最後は各色革見本をお送りして
触っていただいてから、お決めいただきました。
デザイナーはご注文時には
それぞれの完成形を想像できるので
ご要望に対してのお薦めは必ずありますが、
ご注文者には想像がつきませんから、
メールのやりとりの場合
オーダー例を引き合いに出したり、
その革で作った時のイメージを
言葉で説明したり、
色目の合う合わないで、ご説明します。
クライアントの中には
薦められても それを良しとする方と
あくまでも
ご自分で決めたい方とがいますから、
デザイナーはそこを尊重します。
結果が同じだったとしても、
そこはとても大事な途中経過です。
オーダーに慣れていない方ですと、
細かい点まで寸法を言わないとうまく行かない、
と思ってらっしゃる方もおいでと思いますが、
当店は戦歴(!)44年のプロ。
写真でも見本でも、見るところが違います。
何がそのクライアントの肝か、まで
見通しながらコンサルティングを行いますから、
細かい数字などは特に言わず、
中に何が入るか、持つ人の身長や体格、
何に一番気を付けて欲しいか、を
言っていただき、
ある程度お任せいただく方が
オーダーする方は楽かもしれません。
お受け取りのメールの一部ご紹介します。
************
黒い袋を開け、バッグが見えた時に
やっと手に取れたんだなと実感がわきました。
早速封筒を手にし、折れる事なく
スムーズに入ってホッとしました。
メッセージに書いてある注意事項に
気をつけながら
日常的に使っていこうと思います。
*************
ありがとうございます。
じつは、ご指定の寸法では
長形3号がはいらなかったので、
少し大きくしてあります。
それについて何もお尋ねしませんでしたが、
寸法よりも長形3号が入ることを
重視しておられたことからの判断です。
当店はこのような仕事の仕方をする
お店です。
気に入っていただけて良かったです。
このたびはありがとうございました。
A5手帳カバー 41105
2025/01/07「むかし、超整理手帳を使っていました。
気になるものがあって…
これから使うA5手帳に付けたいと思います。」
ありがたいお言葉です。
超整理手帳と言えば
「ノグラボ」さんという
この手帳を広めるためのラボがあり、
そこで5年ほど、限定カバーをデザインし
頒布していました。2000年前後のことです。
随分おもしろいデザインをしました。
使っている方がとても多かったので、
当店ウェブショップでも
定番製品を作ったくらいです。
こちらのA5カバーは
ベルトで閉じることができますが、
普通のベルト留めですと
バッグの中へ入れる時、
ベルトが引っ掛かることがあります。
そこでベルトの先を入れる部分を作って
面が平らになるようにしました。
それでバッグの中に、スッと入ります。
こんな小さなことでも、毎日毎日
何回かバッグに出し入れしていると、
何だかなあ…とストレスになることが
あります。
気分の落ち込みは、たいていの場合、
ひとつのことでは起こりません。
小さな「ちょっとな~」がいくつも重なって
大きな「ああ…」になることが多いと思います。
こちらのクライアントは
そういうことではないと思いますが、
「使いたいA5カバーがある」って
とてもステキなことと思います。
当店オリジナル牛革なら
触っていても気持ちいいですし、
時間が経つともっとカッコよくなりますし、
革の香りも良いです。
見た目のデザインや
革の良さも、ひと目でわかります。
このA5カバーが、
新年をすばらしい年にする
お手伝いができることを、
心より願っています。
このたびはありがとうございました。
折り財布の中に車用キーケースを! 41107
2025/01/05車のキーの持ち方をどうするか、
年々ご相談は増えています。
四角くて大きい車のキーは、
持っていればそれだけで
車とのアクセスになって便利ですが、
大きさが何ともやるせないと思う方は
たくさんいらっしゃいます。
車のキーホルダーで一番多いリクエストは、
財布機能とキーホルダーを一緒にしたい、
というご要望です。
今回もやはりそういうご希望で、
それに合わせてお作りしたのが、こちら。
シンプルな考え方をなさる
クライアントでしたから、
札入れにカード入れを付けた
定番のこの札入れに、
車のキーの入るポケットを付けて
財布全体をベルトで留められるように
しました。
車のキーにこれだけ厚みがありますと、
札入れ部分の畳む距離に
内差外差がありますが、
このL字の開閉口なら、そこまで気になりません。
ベースとして
向いたタイプをお選びになりました。
「どこにも無いのなら
作ってしまいましょう。」
当店はそう考える方のためのお店です。
こんな風にシンプルに考えたものでも
どこにもないものですから、
実際に使うことのできるお品物に
作り上げることが重要です。
また、使っていけば
身体の一部になってしまうほど
手触りの良い革でお作りすれば、
長く長く使いたくなります。
こんな快適を体験してみませんか?
このたびはありがとうございました。
この札入れが、ご注文者の毎日の生活に
うまく役立つことを願っております。
クライアントのイメージするミニハンドバッグ 41106
2025/01/03「お問い合わせメールを見つけられなくて
直接お伺いすることにしました。」
大変申し訳ありません…
前回ウェブサイトを作った時に
スマホサイトに重点が置かれてなくて
ご迷惑おかけしてしまいました。
とにかく、おいでくださって
ありがとうございます。
ショルダーバッグにもできる
小さめのハンドバッグが欲しい、
とお立ち寄りくださったクライアントは、
具体的なイメージをお持ちでない
ご様子でしたから、
店頭にある製品をお見せして
だんだんとイメージを詰めていきました。
そうしたところ、ディテールへのご要望は
いろいろとありましたので、
そこからデザインへとつなげていきました。
ザクっとデザイン画を描いて
伺ったお話しの通りに大きさを合わせ、
使いやすい仕様をご提案して作りましたが、
出来上がってみると、アトリエ一同
「かわいい!!!!!すてき!
あの方にお似合いになりそうですね。」
という出来上がりとなりました。
当初フタの切替革には
アバンギャルドなイメージの革を配し
パンチの利いたデザインにするはずでしたが、
後から「クリスマスパーティに使うので
もっとおとなしい感じにしたいです。
いくつかの家族が揃うので、
派手にしない方が良さそう。」
というご要望で
ベースは当店オリジナル革にして、
アクセントはハイブランドの革に。
その代わり、フタの切替部分と
ショルダーストラップの切替部分は
縫い糸を好きなお色になさいました。
これがとても可愛らしく、
上品なチャームポイントになりました。
まさにこのクライアント、というイメージです。
今回のような小さめハンドバッグですと、
指定サイズそのままで作ってしまうと
どうしても物の出し入れが不便になります。
そこで、見え方は普通なのに
上のお写真のように、バッグの口が
広く開くようなギミックを施しました。
これがあるのとないのとでは、
使い勝手に雲泥の差が出ます。
また、小さいバッグにもかかわらず、
思った以上に入るようになるのも
嬉しい結果です。
受け取り時、嬉しそうなお顔で
しばしの間眺めていらっしゃるクライアント。
こんなひと時が、
製作チームには至福の時間です。
「色違いでもうひとつ欲しくなりそう。」
嬉しいご感想をありがとうございます。
帰りに肩掛けしたところ、
ショルダー紐の滑りが良すぎて
肩から外れてしまいます…
「あ、肩から落ちますね!
そしたら、お時間少しいただいて
滑り止めのスエードをお付けします。
先に気づかなくてごめんなさいね。」
デザイナーがバッグを
隣のアトリエに持って行ってから
30分ほどで、
滑り止めがきれいに付きました。
「ほんと、落ちないですね。」
こんなところも
アトリエ併設店舗の魅力です。
どんどんお使いいただけると嬉しいです。
このたびはありがとうございました。
今回の新年の黄色い長財布 41002
2025/01/01毎年同じ時期に同じものを
ご注文くださる方が
いらっしゃいますと、
そろそろ
1年が経ちつつあることを
時間的な実感として感じます。
ありがたいことです。
年齢が上がるにしたがって、
親御さんの介護や
ご兄弟のご病気など、
自分自身にではない
家族の変事などに
対応している方が増えてきます。
仕事をしながら
そんな日々の
対応をしている方々には
深い尊敬の念を抱きます。
このクライアントから
年に一度、
新年の無事を祈って
恒例のこの財布を
ご注文いただきますと、
一気に気持ちが引き締まります。
何回かこちらのブログで
ご紹介していますが、
同じものを
お作りするにも関わらず
毎回毎回、
製作上乗り越え必要な作業が
違う形で出てきます。
その中の大きな問題は、
素材の「革」。
素材を入れるうえでの
さまざまな問題もありますし、
加工上の問題も存在します。
今日はそれについて
お書きしようと思います。
お楽しみいただければ幸いです。
革そのものの問題はというと、
たとえ同じ名前の革であっても
ロットによって
多少の色ブレがあることです。
今回は前回よりも強めの黄色で、
クライアントに
少しがっかりされました…うう、、、
そして重大な製作上の問題は、
1枚1枚の革がそれぞれ
厚みも、革の癖も
まったく違うことです。
私たち=人間の肌質の
それぞれの違いを
想像していただくと、
わかりやすいかもしれません。
同じ皮を持っている人は
ふたりといません。
まさに革は、
「なまもの」と呼ぶべき素材。
一律に加工することのできる
工業製品的な素材が多い中で、
きちんと作ろうと思ったら、
製品の一点一点、
一つのパーツの部分部分にも、
個々に適切な個別の対処を
必要とされますから、
もっとも扱いの難しい素材が、
”革”です。
”なまもの”である革を使う上で
さらに難しいのが、
”厳密な漉きの技術”です。
私たちが革の裏地を付ける理由は
もっとも丈夫な仕上げ方法
”みがき仕上げ”をするためです。
ところが、実際に長保ちする
みがき仕上げ方法は、
量産品の製造工程では
行うことができません。
きちんとした
みがき仕上げをしようと思えば、
存在する革の数だけ
加工方法を
変えなくてはならないからです。
革には、大きく分けて、
2種類の革が存在します。
それは、革のコバ(断面)を
みがける革か、みがけない革か。
別の言葉で簡単に説明しますと、
素肌のままの革(磨ける革)か
塗装を施した革(磨けない革)か
という違いです。
この違いが
みがき仕上げの難易度に
大きく関係してきます。
*当店オリジナル牛革は
素肌の革ですが、
市販品の革のほとんどは
みがけない革=塗装革です。
乱暴に感じるかもしれませんが、
あえて「塗装革」と表現したのは、
素肌に
肌理を無くす下地素材を施して
平らに整え、
何色でも載せられる色にしてから、
きれいな色をさらに一層重ねて
仕上げるからです。
「塗装」という言葉のイメージで
革の製造工程を想像すると、
理解しやすくなると思います。
くれぐれも申し上げたいのは、
この分け方は、
どちらが良い革/悪い革か、
という問題ではありません。
単純に、
革に望まれる要素が違うから、
それに合わせてそれぞれ
作り方が変わっただけです。
それを
分かりやすく説明するために
みなさんが
もっとも想像しやすいであろう
言葉を使っただけのことです。
さて
この塗装されたきれい色の革には、
革自体の表面に
塗装の一層がプラスされています。
ほんの0.1ミリもない一層ですが、
それがあることで、
革を薄く漉くことは
さらに難しくなっていきます。
なぜなら
表に使うもともとの革の厚みは
デリケートな製品なら1ミリ~1.6ミリ、
裏地用は0.6ミリくらいの厚みですから、
かなり薄いのです。
*ちなみに本オーダー品の厚みは
表が0.5ミリ+裏地が0.4ミリ。
極限まで薄く仕上げています。
また塗装革は、革漉き機を通す時、
塗装物質によって
漉き機の流れ方が変わり、
ものによって流れにくくなります。
素地が肌理の細かい
カーフやゴートだと
漉かれた後の革の裏面も
漉き機の下から
うまく排出されてくれないことも
あって、かなり厄介です。
ハイブランド革はその最たる例で
さらなる加工の手間が加わります。
*すべて違うみがき処理で仕上げた名刺入れ
そしていよいよみがき仕上げ、
となれば
色塗装するための下地を作る素材、
そして色の塗装素材そのものも
革によってそれぞれ違いますから、
1枚の革の断面には、合計3種類の
性質の違う素材が
くっついていることを
考慮に入れなくてはなりません。
この性質の違う
3種類が合わさった断面を持つ革
を使って、さらに
2枚(表革と裏革)合わせた面を
きれいに仕上げるのは
どれほど至難の業か、
ご想像いただけると思います。
革製品は大雑把にザクザク作って
簡単なコバ処理をする方法なら、
効率よく作ることができます。
でもそれは量産品の作り方。
私たちの製品が
一般製品とまったく違うのは、
1/10ミリ単位の
革の厚みの違いを扱い、
製品製作の全体も
同じ寸法単位で扱うからです。
そしてみがき仕上げでは、
表裏の革の組み合わせに
もっとも適した加工の仕方を
追求しているからです。
毎回薄氷を踏む思いで
お作りしているこの長財布は、
今年もきれいに仕上がりました。
私たちも
無事な新年を迎えられそうです。
今年もお会いできて良かったです。
ご注文ありがとうございました。
どうぞ良い新年をお迎えください。
*ちなみにこの黄色の
革の名前「ジョーヌ」は
フランス語で6月を意味します。
みなさまの新年がずっと
明るい初夏の季節のようで
ありますように。




























