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ご報告:お店の引っ越し先と内装品のお譲りについて

ご報告:お店の引っ越し先と内装品のお譲りについて

2024/12/04

今年もいよいよ最終月となりました。

みなさまの1年はいかがでしたでしょう?

 

移転先がきっちり決まりましたので、

みなさまに移転についてご報告します。

 

おかげさまで銀座に移転してから

16年目に入ることができ、

みなさまには感謝の気持ちしかありません。

 

私たちは毎年毎年、

無事1年が過ぎていってくれれば…

と思いつつ新年を迎えますが、

今年は私たちにとって

驚きの最終月を迎えることとなりました。

 

 

 

*当店の象徴ともいうべき鏡

 

 

 

現在の「第一田村ビル」の持ち主が変わり、

この4月に締結するはずだった再契約が

期間の定めなく結ばれ、しばらくの間

何とも宙ぶらりんな状態が続いていました。

 

その間、銀座の物件をいろいろ見ましたが、

アトリエを一緒に引っ越すとなると

なかなか同じような広さの物件が

少ないことに気づきました。

 

そして、新しいビルは家賃が高いので

古いビルを探していましたが、

それも昨今どんどん減っていますから、

どうなることかと思っておりました。

 

でもここで、ありがたいことに

私たちのクライアント、みなさまが

難しいお題を出してくださいますから、

移転話が進展するまでずっと

作ることに集中することができて、

いつもと変わらず

充実した時間を過ごすことができました。

ありがとうございます。

 

 

 

*中央の彫刻

 

 

 

そんな時間を通り過ぎて、やっと

次にどこへ移るかが決まりました。

 

今度もクラシックなビルで、

中へ入りますと昭和を思い出す

ステキな建物の7階、最上階です。

 

通常のビルなら

最上階はオーナーが占有するのですが、

このビルは建て増ししたこともあって

中途階に管理会社が常駐し、良い環境です。

 

並木通り沿いなので、

窓から見える景色に銀座らしさがあります。

 

現在の第一田村ビルでは

大家さんからブラインドを開けないよう

指定がありましたから、

あまり外の景色をお見せする機会は

ありませんでした。

 

 

 

*四隅の見事な彫刻

 

 

 

今のビルから徒歩1分ほどの場所で、

来年2月に引っ越す予定です。

少しの間、お店を休むことになりそうです。

 

新住所は

中央区銀座2-3-5 三木ビル7階

電話番号、メールアドレス等、

何も変わりません。

 

ただ、クラシックなビルは

エレベーターや階段が広くないので、

ただいまお写真を出しております

お店の鏡を移動することができません。

 

1850年代のフランス貴族の鏡ですが、

これまで200年以上大切に残されてきたのに、

入れる場所がないことで

廃棄になってしまうのは、心が痛みます。

今ではできない装飾が施されていますから、

それが消えてしまいます。

 

そこで、この鏡を使ってくださる方を

探しております。

 

 

 

*鏡の全体像
なお、鏡自体は現代のものです

 

 

サイズは、ヨコ192xタテ217センチ。

 

私たちのお店のスペースは

全部で7坪くらいですから、

そんなスペースでも鏡をうまく使えば

実際より広く感じられます。

 

移動問題は、このサイズを入れられる

ドアや階段があること、の一点です。

 

もし置きたい方がおいででしたら、

お声掛けください。

鏡本体は100万円近くしましたが、

差し上げます。

 

移動は東京近郊までなら手配可能で、

20~30万円ほどかかる見積もりです。

申し訳ありませんが、

その移動費はお持ちいただきますよう

お願いいたします。

 

その他、何かお店の備品で

これは欲しいですが…というものがあれば

お譲りします。

とりあえずお尋ねください。

 

 

ハイブランド革のブリーフケース、定番バッグ「エルム 」41004

ハイブランド革のブリーフケース、定番バッグ「エルム 」41004

2024/12/03

とても凝った作りの

定番「エルム」の改変版です。

 

こちらのクライアントは、一番最初

ご友人と一緒にお店をお訪ねくださり、

その後2度足を運んでくださってから

ご注文へと進んでくださいました。

ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

初回、某ブランドバッグを買った直後の

クライアントは、珍しい製品が

そのブランド店頭にあったという出会いから

つい買っちゃいました…と

おっしゃっていましたが、

 

そのバッグもおしゃれなデザインでシックで、

さすがブランド、というイメージでした。

 

「ところがこのトートバッグは

中に何もポケットがないので、

すごく使いにくいんですよ。

あったから買っちゃったんですけど、

このままでは使えないなと思って。

このバッグに合った

バッグインバッグなんて

作ることができるんですか?」

 

 

 

 

 

 

そのバッグは、なるほど

もっとも大きなサイズのバッグなのに、

中にひとつもポケットがありません。

 

二度目においでになった時には、

入手したばかりのバッグインバッグを

お持ちになって、それを元に

ご注文しようとなさいました。

 

そこでデザイナーは

「それがまだ買ったばかりでしたら、

せめて2週間~ひと月は使って

ご自分の使い方をよく観察してください。

 

そうすれば、

本当に要る機能と要らない機能とに

簡単に分けられますし、

考え違いも最小限になりますから。」

 

 

 

 

 

 

このクライアントのすばらしいところは、

それを聞くなり

一旦その件をお持ち帰りし、

真剣にご自分を観察してくださったところ。

 

「ひと月ほど使ったことで、

自分の使い方もよくわかりました。

おっしゃるとおり、

自分がこうしたい、ということや

こういうのは嫌だ、と感じることがらも

よくわかりました。」

 

 

 

 

 

 

そのような経過から

3回目でのご注文となりました。

 

デザイナーはいつも言っています。

「私自身がケチだから、みなさまにも

お金を無駄に使ってほしくないの。

だから、前もってこうしたらいい、

というアドバイスがあれば、

誰にでもそれをお話しするんです。」

 

 

 

 

 

 

その甲斐あって、

お受け取り時のこちらのクライアントの

バッグを見る目やご感想は

何とも嬉しいものでした。

 

「いやあ、けっこう高価なので、

ブランドバッグを買ったばかりでもあり、

じつはちょっとばかし心配だったんですが、

想像以上の出来上がりで

心配なんかするんじゃなかったです。」

 

見た目は定番エルムそのままですが、

革はハイブランドの革です。

この革は仔牛の革なので

肌理が細かく、表面も革の下部分も硬く

あまりこの形には向いていません。

いろいろなテクニックを使いながら

仕上げていきます。

 

「おまけに、あのアドバイスがなかったら

この形が自分に向いている、と

気づかなかったと思います。

持ち手も短くしてもらったから

スッと持てるし、

自立するのもすごく良いです。」

 

 

 

 

 

 

革の選定も高価になった

ひとつの原因ですが、

もっと大変なことがありました。

 

上のお写真の外ポケットは、

左右で二つに区切られています。

 

そのうえ、向かって左のポケットは

小さめのキーケース専用なので、

このヨコ幅でこの深さでは使いにくいため、

外からは見えないよう

上げ底にして、取り出しやすくしています。

 

まさにこの方のためのカスタマイズ。

 

そして、お写真でお気づきになりましたか?

ナイロン裏地も定番色ではなく、

渋い赤が良い、ということで

特別にご用意したものです。

 

 

 

 

 

 

その他にも内装に細かい指定があって、

そのご希望の中で

なるべく汎用性のある内ポケットに

仕上げています。

 

ですから、長年使ううちに

持ち物が今と変わってしまっても

あまり収納に困ることはないと思います。

 

 

 

 

 

 

「いやあ、軽いですね!

そして、このトートバッグにも

ちょうどいいサイズで収まりますし、

単品で持っても

すごくカッコいいです。

 

自分の使いやすいように作れるって、

ブランド品よりずっといいですね。」

 

きっと単品でお持ちいただく時が

増えるのではないかと思います。

 

ご自分の持ち物をストレスなく収納し、

出し入れが楽にできるのは、

当店フルオーダーメイドの利点です。

 

一人ひとりの「快適」を目指して

オーソドキシーは

みなさまに面倒なこともお願いします。

 

このたびは何度も足を運んでいただき

ありがとうございました。

長くお使いいただけることを願っております。

 

 

丸6年お使いいただいたボストンバッグ

丸6年お使いいただいたボストンバッグ

2024/11/30

イタリアの某有名ブランドバッグの

会社にお勤めのクライアントが

久しぶりにおいでくださいました。

 

「私は物持ちが良くて

なんでも長く使う人間なんで、

ブランド品を買うくらいだったら

自分が好きなデザインで、

使い勝手のいいものに

お金を使いたいと思っています。

だからここへ来るんですよ!」

ありがとうございます、嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

このボストンバッグ

のちのちリュックにするつもりで

クライアントがデザインしたものですが、

当時はリュック紐をどうするか、

まだ決めかねていました。

 

6年間ずっと考えた結果、

どのようにリュック用のひもを取り付けて

どのくらいの長さにするのかが決まり、

今回のご来店となりました。

 

 

 

 

 

 

それにしてもよく

革を育ててくれたものです。

 

「いまブランド品は、革でない素材も多く、

それでもびっくりするほど高額になりました。

私はオーソドキシーの革の手触りが好きですし、

使っていってこんな風に変わっていくのが

とても良いと思っています。」

 

ということで、ショルダー紐のほかに

バッグもご依頼いただきましたが、

今回バッグにお選びくださった革は、

当店オリジナルのルバル。

 

 

 

 

 

 

このボストンバッグは

ヌメワインの型押しでお作りしていますが、

今度はもっと柔らかさを追求しようと、

当店オリジナルをお選びくださいました。

 

柔らかい革にどんな種類があるか

ご説明した結果ですが、

ハイブランドの革にしても、

育っていく革で、最初から柔らかく

手触りの良い革は皆無です。

 

 

 

 

 

 

「最初にこちらで作った手帳カバーですが、

これがあるから私は仕事ができています。

このお店のオリジナル革の

このバッグもとても気に入っています。

 

仕事の時は持たないことにして、

美術館に行く時や

お友達とお食事の時、

ちょっと良い場所へ行く時に

必ず持って行っています。」

 

 

 

 

 

 

「今日注文したバッグは、

もっとおばあさんになっても

持てるように、

柔らかく、軽く作ってもらいたいと

思いました。

 

ブランド物にもないものを

自分に合うように作ってくれるって、

ほんとにすばらしいことです。

こんなお願いできるお店は

ないですよね。」

 

ありがとうございます。

今度もご期待くださいね。

 

 

ひとそれぞれ、定期入れの使い方

ひとそれぞれ、定期入れの使い方

2024/11/27

本日久しぶりに来てくださった

クライアントは、

「自分の気に入ったものを

長く使いたい。」という方々です。

 

欲しいものがはっきりしていて、

今日お持ちくださったのは

前回お作りしたバッグです。

 

「これがね、とても便利で

よく使うんですよ。

雨が降るとね、

こうして脇にかかえて雨から守るんです。」

にこにこして様子を伝えてくださいます、

ありがたいことです。

どうりで、革はツルツルと光っています。

 

 

 

 

 

 

また今回は、お嬢様が

以前写真でサイズを教えてくださった

定期入れ用のストラップの使い方を

お見せくださいました。

 

上のお写真がお送りいただいた

長さや幅のわかるお写真で、

右側にあるストラップが

それを元にお作りしたものです。

 

下のお写真のように

定期入れに付けて使うのだそうです。

 

 

 

 

 

 

それにしても

何とも中途半端な長さの紐なので、

「どうしてこの長さなの?」と

デザイナーはいぶかしんでおりました。

 

ところが、目の前で

「私はこれをこのように使うんです。」

というところを拝見して、

なるほど、と手を打ったのは

デザイナーだけではありません。

 

 

 

 

 

 

 

「このストラップに手首を通して

手に持ったら、手首を返して

パッと改札機を通過するんです。

何があっても忘れないですよ、

こうやって手首に通しておくと。」

ということでした。

 

人によって物の使い方は違います。

だからこそ、

バッグにしても小物にしても

どうやって使うかをお尋ねするのです。

 

はっきりした寸法の

シンプルなご注文時には

特にお尋ねすることはありませんが、

こういう答えを伺いますと

どんなご注文品であっても

お尋ねするべき、と

デザイナーは反省しておりました。

 

それにしても

久しぶりにおいでくださったクライアント。

いつもお元気なお顔をお見せくださるので

とても楽しいです。

本日もありがとうございました。

 

 

ジーヴズの途中経過と当店プロの技術

ジーヴズの途中経過と当店プロの技術

2024/11/24

今回のジーヴズシリーズは、

着々と製作が進んでいます。

途中経過をお見せしましょう。

 

下のお写真中

下段の真ん中だけが先に作ったひと品で、

残りは外側が出来上がったところです。

 

フランスブルーのリザードと

下段真ん中の完成品の左端をご覧ください。

 

ブルーの方がふわっとしているのは、

左端がまだ縫われていないからです。

 

 

 

 

 

 

今回は革の色がすべて違いますから

革の色によってミシン糸を変えますので、

ミシン掛けもなかなかの手間です。

 

昨日ご紹介した裏地を付けた本体の革に

革に合わせた色布のファスナーを張り付け、

そのファスナーの布の内側を隠すようにして、

今度はほんとの裏地を貼り付けます。

 

この3層を作ることで、

うつくしく、丈夫なジーヴズになります。

一般製品とはまったく異なるプロセスです。

 

革の3層であれば

使うほど柔らかくなじんで、

気持ちよい持ち心地になります。

 

 

 

 

 

 

この縫いに入るまでの工程も

簡単ではありませんから、

当店の技術者たちがまだ新人だった頃は

これが、ひとつ目の大きな技術関門でした。

 

ジーヴズがきれいに

ある程度のスピードでできるようになると、

部分部分の革漉きもありますから、

プロとして

とりあえず最初のスタートラインに立った、

という感じです。

 

きれいにできるだけでは不十分で、

速さも求められます。

 

ましてや当店の技術は当店独自のもので、

軽く、使いやすくするための工夫が

膨大な数あります。

 

その中では、今回のジーヴズと同じく

素材に使う革の性質を鑑みて、

一つひとつ

質感をコントロールする工夫が重要です。

 

その一つひとつの判断は、最終的に

自分でできることが、当店のプロ。

この道のりは、まず10年が一期です。

 

この最初からの10年後が、

本物のプロの道へのデビューです。

 

たいていの製品は、見るだけで

作り方を看破することが

できるようになり、

頭で理解した製作方法を、手が、

間髪おかずに追っかけられるようになります。

 

しかし、すべての10年経験者が

そうなれるわけではないことも、

付け加えておきます。

 

 

 

 

 

 

いっぽう、日本のクライアントからいただく

フルオーダーメイドの希望内容には、

革という素材の持つ性質に反した内容が

とても多いです。

 

軽い、ということから始まって

それにもかかわらず型が崩れず、とか

自立する、という内容も最近多いですが、

一般に販売されている鞄の中に

どれほどそういう製品があるでしょう?

ほとんどない、が答えと思います。

 

それは、

そのように作るにはとても手間がかかります。

でもそれよりなにより、

そこまでの加工はほとんどできない

というのが正解かもしれません。

 

また、本気でそうしようと思ったら

デザインは限られてしまいます。

いま流行っているデザイン先行型製品は

ほとんど、ご希望内容に当てはまりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

デザイナーがよく言いますが、

革製品の製作は、非情なまでに論理的です。

 

ですから

そのあたりもご説明したうえで、

どのようにみなさまのご希望のかなえていくかを

話し合って決めていくことが、

製作前に必ず行わなければならない

大事なフルオーダーメイドの基礎です。

 

当店のコンサルティングは

それをきっちり行い、クライアントのご希望と

製作物が合うように

新しいご提案をしていきます。

 

だからどこにもないバッグを作っても、

使えるものに仕上げることができる。

 

こういう限られた世界で

どれだけ豊かに表現することができるか

=持つ人のお役に立てるか、

それが日本で育ったフルオーダーメイドの

目指す目標かもしれません。

 

当店の作り上げてきた世界もまた、

ヨーロッパのフルオーダーメイドとは

ベクトルの違うアプローチです。

 

それはヨーロッパ社会との違いから由来し、

それぞれの仕事の形は、クライアントからの

要望によって作られていくものだと感じます。

当店の仕事が、

欧米でどのように受け取られるか、

興味あるところです。

 

 

 

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