実際のオーダー例
40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。
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使い慣れたカード入れの再生版 50802
2025/09/26
小物をたくさんお持ちくださっている
ご注文者は、長いお付き合いです。
久しぶりにおいでくださって、
ずいぶん前に定年前にリタイアして
稼業を継いでいたお話を伺いました。
リタイアしてからご自分の好きな国を
パートナーと一緒に回ってらっしゃり、
充実したご様子です。
「カード入れに
これを使っているのですが、
いよいよダメになって来たので
こちらで作ろうと思いました。
他のオーダー品は
いまも全部使ってますが、
やっぱりここのはいいですよ!」
現在お使いのカード入れを
お持ちくださり、
それと同じように作りたいという
ご要望をいただきました。
長く使って行って
カードが入っているところを見ますと
なるほどこのように使うのですね、
とわかりますから、
それを考慮に入れつつ採寸します。
「最初は大きく感じると思います。
革製品て、使っていくと
小さくなっていきますから。
ブログでご存じだと思いますが。」
というデザイナーの説明に、
「そうみたいですね、不思議です。」
店頭でお話ししてますと、
使って行くと大きくなっていく、
と思っている方は少なくありません。
シンプルなカード入れですが、
同じように作るとなると
プロの目でその「同じ」を見ます。
お届けしたらお電話をいただきました。
明るいお声で
お受け取りのご感想をいただくと
ホッとします。
オーダーもそうですが、
海外の都市の旅慣れた歩き方を
ご披露していただけたのは、
すばらしい情報でした。
普段の生活でこのカード入れを
どんどん活躍させてくださいね。
このたびもありがとうございました。
次回お目にかかる時も
旅のお話を楽しみにしています。
何個目かの、いつものファスナーポーチ(クラッチバッグ) 508N
2025/09/24
ありがたいことに、新しいものも
ご注文いただきました。
データは残してありますから、
毎回なるべく同じにできるよう
お作りしています。
前にお書きしたとおり
「以前と同じものを」というご注文は
存外に難しいのですが、
このくらいのサイズになってきますと
ほぼ同じくお作りできます。
とにかく
デリケートな小物ほど難しくなります。
こちらのクライアントは
もう何度もおいでくださっています。
ご職業は存じあげませんでしたが、
今回初めて、医師だということを
明かしてくださいました。
「だってね、自分が欲しいものを
作ってくれるところって、
他にないんですよ。だから
皆さん身体を大事にしてくださいね。
私は医者ですから、何かあったら
すぐに相談してください。」
なんと嬉しいお言葉でしょう!
毎回同じポーチを
ご注文くださいますが、
素材を変えたことはありません。
当店オリジナルレザーのルバルには
手に吸い付くような手触りがあり、
これが「普通」になってしまいますと
まず他の革には代えられなくなります。
こうして
気に入っていただけて良かったです。
ファスナーにも
柔らかいナイロンを使いますから、
もしかすると、手を
大切になさっている方かもしれません。
前回お色直ししたポーチは
とてもきれいに仕上がりました。
きっと場所場所で
使い分けてくださっていると
想像しておりますが、
いつも喜んでくださるのが
とても嬉しいです。
ご愛用に感謝申し上げます。
31枚パーツの長財布へのさまざまな検討
2025/09/23
「オーソドキシーのすべてを
あなた一人のために…」
1点のオーダー品をお作りするのに
どれだけ多くの検証をするか。
どんなに言葉を尽くすより、
このお写真をお見せする方が
きっと理解しやすいだろう、と
みなさまにお見せします。
上のお写真は、
ご希望の仕様をまずざっくりと
試作したものです。
それは、きちんと機能するかどうか
確認するためでもありますし、
もっと良くなりそうなアイデアを
見つけられたなら、
それを取り入れるために行っています。
これはもちろん、ご相談者の理想を
深く理解することから始まります。
また当店では
さまざまな革質を使いますから、
それぞれに合った加工の仕方を
一点一点選んでいきます。
これが想像以上に難儀で、
上のお写真では、ピンクとブルーが
ミルフィーユのように重なる断面を
どう加工するか、決めるために
革の相性と色の相性を
実験しているところです。
お渡しした時にクライアントから
違和感なく、きれい、
とすんなり思っていただけることが、
その選択が成功したかどうかの
判断となりますから、
デザイナーは
「お渡しする時一番ドキドキします。」
と言っています。
どなたからも「すてき。」
と言っていただけるよう、
一つひとつのオーダー品に
これ以上ないほど心を砕いています。
プレゼントの単行本カバー、栞付き 50812
2025/09/22
テレビにも出ていらっしゃる著者へ
お誕生日プレゼントとして
単行本カバーをご注文いただきました。
会社の社長さんから秘書を通じて
頂戴したご注文品です。
最近では秘書の方々から
お店をお探しいただくことも増え、
ありがたいことです。
今回はあまり細かいご希望はなく、
オリーブグリーンでという「色」が
非常に大事でした。
オリーブグリーンをご希望いただく時
カーキ色と同様
気を付けなければなりません。
2種のグリーンがあるからです。
カーキにしても、人によっては、
ベージュ系やブラウン系を
カーキと呼ぶ方もいらっしゃいます。
今回その確認をしましたら、
「国防色」というイメージでしたから、
こちらのお色をお見せしました。
お話しする年代によって
色を呼ぶ名も変わります。
こんなことも知っていることが、
フルオーダーメイドの
コンサルタントには大いに役立ちます。
このように、色ひとつとっても
人によって解釈が違いますから、
フルオーダーメイドでは、ご相談時に
ご相談者のおっしゃる真の意味を
どこまで正しく理解しているか、が
もっとも重要なことがらになります。
革製品のフルオーダーメイドの場合、
コンサルタントは
広くいろいろなことを知っていて、
新しいことが出てきても
即座に理解できる抽象性が必要です。
そしてファッションに興味があれば
言うことなし!
どなたかこの仕事、やってみませんか?
31枚や51枚のオーダー長財布パーツ!
2025/09/21
私たちは複雑なオーダー小物を
たくさんお作りしています。
複雑な仕様だからこそ
オーダーが入る、のだとも言えます。
そんな中でも財布にはとくに、
忍耐力を必要とする長大な製作過程が
多くあります。
具体的にこの工程の多さを
どうご説明しようかと考えたのですが、
デザイナーが、
たまにはパーツをお見せしちゃおう!
と、現在製作中の長財布のパーツを
ほぼ揃えたところで
お写真を撮りましたので、お見せします。
*まだ荒裁ちのところもありますが、
この長財布には31枚のパーツが必要。
この長財布の完成をご紹介するのは
まだまだ先の話ですが、
さらにこの上を行く51パーツでした。
下のお写真で
この財布の仕様の複雑さをご覧ください。
革を裁つ前の構想が重要だというのは、
これだけのパーツ数から言っても
容易にご想像いただけると思います。
一度カットしてしまったら
直すことのできない革は、
裁つ前に
どれほど慎重に構造を考え、
それに沿って
型紙を揃えていくでしょう?
複雑な仕様のお財布も
みっつの頭で討論して考えるからこそ
ちゃんと機能する製品になります。
31枚どころか51枚という
驚くべき数のパーツを、
それぞれの部位のあるべき姿に従って
機能的かつきれいに作って行くのは、
技術力だけでなく
忍耐力のいる仕事です。
















