実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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3色づかいの楽しいショルダーバッグ 30704
2023/11/04「このバッグがとても使いやすくて
気に入っているんですが、
もう少し大きくして
もっとステキなバッグにしたいです。」
ツヤのあるきれいな髪をしたクライアントが
ご希望をお話しくださいました。
「仕事柄あまり外には出ないですが、
出る時には気分のアップするバッグを
持ちたいと思って。」
お気持ちわかります!
ご相談の結果、
一枚目、二枚目のお写真と
三枚目、四枚目のお写真のように、
お持ちになる面によって
色合わせの違うバッグにしました。
外に出す面で
イメージがすっかり変わりますから、
まったく違う気分でお持ちいただけます。
こういうバッグで
ここまではっきりしたお色で分けたものは、
今までにお作りしたことがありません。
変わっている要素はもうひとつあって、
それはショルダーベルトです。
ショルダーベルトは一本だけで、
バッグの上部四隅に付けた金具の、
どこを使って吊るしていただいても良い
タイプです。
おもしろい発想ですが、
これがほんとにうまく使えるのか?は
もし見本のバッグがなければ、
それを実験することから
スタートする必要がありましたが、
今回は
「クライアントの使った履歴」が
ありますから、大丈夫。
こういうのはとても助かります。
このバッグのベースになったのが
この鞄のデザインです。
ひと目見て気に入ってくださって、
同じ色合わせに、
とするところから入りました。
ベースになったデザイン鞄は
切替ラインを曲線にしていますが、
こちらはまっすぐです。
それは、このバッグのラインは
表面、裏面共に横から見ると
曲線になる様、デザインしているからです。
それだけでなく、
その面に外ポケットが付くことで、
製作方法が限定されました。
当店製品のほとんどのデザインには、
使用の仕方に対応した「意味」があります。
こちらは小さいバッグですが、
そのふくらみのおかげで
かなりたっぷりモノが入ります。
クライアントも
店頭にある見本バッグに
ご自分の持ち物を入れてみると、
「これ、見た目よりも入りますね!」
と驚いてらっしゃいます。
いろいろな色を合わせるのがお好き、
と伺いまして、3色&糸の色など
いくつもの色を使いましたが、ベースにしたのは
白っぽいヌメ革のドイツヌメ。
これを使うことにお決めいただいたのは
このクライアントの美意識からですが、
こうして出来上がってみると、
このパーツにもう少し色がついていたら
かなり違う印象になったところです。
大正解の決定でした、すばらしい!
「この革は特別だということなので、
残りがあるのでしたら
お好きな方に使って差し上げてください。」
なんとかっこいいお振舞い!
ありがとうございます。
このバッグには
それぞれの小物を収める小さなポケットが
たくさん仕込まれています。
上のお写真は外ポケットの中に作った
内ポケットで、
鍵がピタリと納まるくらいのサイズ。
下のお写真、その下のお写真には、
ピックアップ時にお入れいただいた
クライアントのお荷物が入っていますが、
どの小物もピタリと納まるので
快適な使い心地に仕上がった、と思います。
いろいろお話を伺いますと、
この方は漫画家さんで、
「じつは、このお店のウェブを見つけて、
ずっと拝見してました。それで、
自分の作品が目標まで売れたら
絶対に作りに来よう、と思ってたんです。
コロナになってから
ネット漫画が注目を浴び、
それも追い風になって、こちらに伺えました。」
なんとなんと嬉しいお言葉でしょう。
お仕事もうまく運んでいらっしゃると伺って、
それもまた私どもの喜びを
二重にしてくれます。
ご相談時、お作りする革製品に対して
どんな生活の方が
どんな風にそれをお使いになるか
お聞きするわけですが、
レシートの入れ場所やのど飴の入れ場所、
ちょっとしたごみを入れるポケット、など
お人柄も偲ばれるレイアウトをしました。
これからの益々のご活躍をお祈り申し上げます。
この度はありがとうございました。
たまには昼間、
こちらにもお出かけくださいね。

ご自分のための台本カバー 30706
2023/11/02「以前、人へのプレゼントとして
台本カバーを作っていただきましたが、
自分の時が来たらやはりお願いしようと
思っていました。」
プレゼントで台本カバーを
ご注文くださる方の中には、
次はご自分のために、と
思ってくださる方も少なくないのは
とても嬉しいことです。
今回はたまたま入手した
ドイツヌメでお作りすることができた
逸品です。
余談ですが、この革は
次回ご紹介する
ショルダーバッグのクライアントが
お入れくださり、
「残りは欲しい方にお譲りください。」
と言ってくださった革です。
ありがとうございます。
こちらの方は、それまでの
ご自分のターニングポイントを
わかっていて、台本カバーに
その日付をお入れになりたいという
リクエストをくださいました。
お仕事をしばらくお休みして
今後のことをお考えになって、
新たに始めることをお決めになりました。
勇気のいることです。
ターニングポイントの日にちは
すでに六つほどあって、
これからそういうことがあった時には
書き加えられるよう、
余分のスペースを取りつつ、
筆記体で革を焦がすタイプのネームを
お入れしています。
未来へ向かって良い時間が経つことを、
この台本カバーが
待っていてくれるような印象です。
職業にもいろいろな世界があって、
プロフェッショナルな世界であれば
一度自分を見直す機会を採ることは
なかなか難しいことですし、
どんな世界でも
自分がいる世界からいったん離れることには
勇気がいります。
ましてや
心も新たに戻る、ということになりましたら
思った以上に緊張することでしょう。
それをお若いこの方がなさるのですから、
私どもも襟を正してオーダー品を
お作りしました。
オーダー品を通じてこのような機会をいただき、
ありがたく思います。
思うとおりに道を進まれることを
願っております。

一点ものの個性的なトートバッグをアップしました。
2023/10/31「これは、、、
思ったよりずっとカッコイイ!」
と技術者の間でも思わず歓声の出た
一点もの2点を、
「一点もの」バッグコーナーにアップしました。
デザイナーは、一年のうち何回か
「ステキな革はないかい?」と
幾か所か自分で決めた革やさんを
廻っていますが、
ここのところ
デザイナーの気を引けた革はあまりなく、
「寂しいわねえ…」と独り言ちていました。
デザイナーが即決して入手する革は
とても少なく、ある時は
イタリアのミネアペレの見本革だったり、
日本の姫路の革もあれば、と
魅力的な革であれば出自は問うていません。
まだコロナだった時、デザイナーは
この2枚が気に入って入手してきたのですが、
この大胆でいながらシックな表情の革を
何にしようかとずっと悩んでいたようです。
それが、秋に変わりゆく気持ちになって
このデザインなら革が主役になる、と
いよいよ製作に入りました。
店頭でお目に掛けることができますから、
写真よりもずっと良いお色目の現物を
ぜひご覧ください。
もちろん軽さにも
驚いていただけると思います。
「革の良さを映す写真って
難しいのよね。軽さだって
グラム数じゃ全然伝わらないし…」
目下のところ、これが当店の悩みです。

ショルダーバッグ、そしてその中の、財布などオーダー革製品
2023/10/28たくさんのオーダーをして
ご自分に必要な製品をすべて
当店で揃えてくださっているクライアントが
何人かいらっしゃいます。
「そろそろ必要なものは
ほとんどそろった感じがあります。」
ありがとうございます!
「こちらのバッグも
先日マチをつけていただいたおかげで、
普段持ち歩くものなら
なんでも入るバッグになりました。
他のバッグのために作っていただいた
ショルダーベルトもぴったりで、
楽しい雰囲気になりました。」
このバッグはずいぶん前のもので、
ベージュの革質が最高の時期のものでした。
それを見つけてくださって、
普段使いできるように変更してくださったのは
ほんの少し前のことですが、
こうして実際に使ってくださっているのを
拝見できるのは、とても嬉しいことです。
「今日は中にこれだけ入れていますが、
気づいたらこちらで全部
オーダーしたものばかりです。
どれも良く使っています。」
当店の革製品は、
使うことによってどんどん良くなります。
「お手入れというのは、
使って手を入れる、ということですよ。」
その言葉どおり
生きた使い方をしてくださっていますから、
どれもつやつやと生き生きしています。
こちらはお仕事の道具で
外側の革はヌバックという起毛革ですから
つやつやというわけにはいきませんが、
クライアントの個性がよく出ていて、
とてもお似合いです。
これはきっとお仕事しているときにも
とても楽しいだろうと、容易に想像できます。
内側は現在のヌメベージュですが、
なんとうまく育ててくださっていることでしょう。
「よく手でなでているので、
なかなかきれいに育ってきたと思います。」
なかなかどころか、とてもきれい。
手を入れることがどんなに大切か、
この方の革が物語ってくれます。
今では、私どものこの品質の革は稀少です。
私どももいつまで提供できるか、
はっきりと言えない状況です。
「出来上がったときはもちろん
100%の出来でお作りしていますが、
当店の革は、手を入れることで
さらに革の性質が伸びていきます。
ですから、出来上がり時以上に
触り心地や見た目の印象も良くなります。」
というデザイナーの言葉を
体現してくださっているクライアント。
ありがたいことです。
こんなに育った製品を
皆様にお見せできるなんて、すばらしいことです。
ありがとうございます。

佐賀錦を使ったショルダーバッグ 30703
2023/10/25みなさまは「佐賀錦」をご存知ですか?
名前は聞いたことがあるかと思いますが、
実際にどんな織物かを
ご存知の方は少ないと思います。
佐賀錦は
金箔銀箔を漆で和紙に貼って、
それを細切りにした糸をタテ糸として使った、
気の遠くなるように製作時間のかかる
織物のことです。
「秋に手作り作品の展示会があって
今年も出品しようと思いますから、
佐賀錦のお仕立てをお願いしたいです。」
今まで作ってくれていた職人さんが
ついにリタイアしてしまったとのことで、
当店をお探しくださいました。
ありがとうございます。
今まで仕立てていただいた作品を
お持ちくださったので、
これまでの職人さんが得意とする作り方を
理解できましたから、
「今回はまったく違う雰囲気にしましょう!」
と言うことができました。
通常の革製品の職人さんは、
どちらかというと
内縫いの柔らかい製品が得意の人が
多いかもしれません。
そして、作るうえで合理的に考えて、
どうしても革の継ぎ目は多くなります。
これまでの作品製作も
そういう角度からのアプローチでしたから、
当店のようにヌメ革を使って
磨き仕上げをすることはまずありません。
当店の個性が出るのは、
ヌメ革を使っても、デリケートなイメージに
お作りすることができる製品です。
「まあ!こんな感じは
見たことがありません。
ステキですねえ、おまけに
とても軽いですし。
売るわけではないから、私が使おうかしら。」
絵のように
継ぎ目のない額縁に入ったこの方の錦織は、
このバッグの中の「主役」です。
時間をかけ、やっと仕上がった錦織は、
細部まですべて計算しつくした
デザインバッグの主役です。
これから展示会と思いますが、
みなさまにたくさん見ていただけることを
願っております。
この度はありがとうございました。