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8年半お使いいただいたショルダーバッグの修理 50408

8年半お使いいただいたショルダーバッグの修理 50408

2025/05/13

「そろそろ修理をしないと…」

とお訪ねくださったクライアント。

懐かしいパーフォレーション付きの

定番「コーディ」の8年半後です。

 

「ほぼ毎日使っていました。」

とのことで、フタの裏革が伸びてしまったり、

ショルダー紐もちぎれそうな部分があったり、

と、まずは全体を眺めてから

どこを修理するのが良いか話し合いました。

 

 

 

  

*左が修理前、右が修理後

 

 

 

今回お持ちくださった時も

かなりの量のお荷物が入っておりましたので、

よくここまで保ったものと、感心しました。

 

新品時より修理後のサイズの方が

小さく見えますが、

修理前のサイズがもっとも小さく見えるのは

おもしろいところです。

 

 

 

  

*左が修理前、右が修理後

 

 

 

革は当店オリジナルレザーのヌメ、

ネイビー型押しです。

使っていくことで黒っぽくなっていくのが

お分かりいただけると思います。

 

ハードユースでも

まだどこも切れていませんが、

子細に見ますと、いろいろガタが来ています。

 

 

 

  

*左が修理前、右が修理後
後ろ外ポケットも口部分がほつれています。

 

  

*ショルダー紐の傷んでいる部分の手当て

 

 

  

 

 

 

無事修理とメンテナンスが済みまして、

これを大事に使いたいクライアントからは

喜んでいただくことができました。

 

当店オリジナルレザーの再生力には、

私たちも修理しながら、

その強さに確信を持つことができました。

 

お使いいただきながら

メンテナンスもできますから、

いつでもご相談ください。

このたびはありがとうございました。

 

 

見本品を忠実に再現したカード入れ 50302

見本品を忠実に再現したカード入れ 50302

2025/05/10

20年ほど使っていらっしゃるという

カード入れをお持ちのクライアントが、

いらっしゃいました。

 

「これと同じで作っていただきたい。」

ということで、

見本品の出来上がりラインを

忠実に再現することがご希望でしたが、

大きさに関して少しだけ、

検討を要する問題がありました。

 

 

 

  

 

 

 

お写真をご覧になって、

あれ、魚眼レンズのカメラ使った?などと

言われそうですが、

このカード入れは周り一周がすべて

カーブのついたラインになっている、

なかなか珍しい形をしています。

 

 

 

 

 

 

かなり長くお使いですから、

カードはとにかくたくさん入っています。

ここまで入るか、というほどです。

 

そういう場合、最初のサイズよりも

ずっと小さくなってゆくのが、

使われているモノの”使用後”です。

 

「同じサイズで」というご希望の場合、

必ずお話しするのが、このサイズの話。

 

どなたの製品も、

長年の使用で変形しているために

原型とは異なりますし、

当初の予定以上にお入れになる方であれば、

もはやオリジナルのサイズで、

現在入っているものがすべて入るわけでは

ありません。

 

 

 

 

 

 

今回のオーダー品は

もともと大きめサイズで作られていましたから、

原型通りにお作りしても、

伸びる革の性質からすると問題ありません。

 

どんな場合でも、

長年使ったものと同じものを再現するのは、

かなり難しいことです。

 

今回は、もともとのサイズを勘案し、

まったく同じプロポーションで

縦横を5ミリづつ小さく作りました。

この全体のラインは微妙で

案外トレースが難しかったですが、

かわいらしいラインなので、

作る私たちにとっても楽しいひと品でした。

 

このたびはありがとうございました。

長くお使いいただけることを願っています。

 

 

バイブルサイズのシステム手帳 50303

バイブルサイズのシステム手帳 50303

2025/05/08

丁寧なメールのお問い合わせをいただきました。

「システム手帳は作れるでしょうか?

その場合、今自分の使っているものと

同じものでも大丈夫ですか?」

 

検索すると、オーダーメイドのお店が

こんなにある!というほど出てきますが、

当店のように

自由な注文ができるお店は滅多にないので、

このような質問はよくいただくのです。

 

 

 

*太めの留めベルトが今回のポイントのひとつ。

 

 

 

お近くにお住いのご様子でしたから、

「もちろんお作りします。

もしよければご来店いただいて、

現物を拝見できれば、ご説明が楽ですよ。」

とお返事しましたら、

さっそくご予約くださいました。

助かります。

 

 

 

*後ろ面の出来上がり姿。

 

 

 

実際に拝見しますと、

現在お使いのシステム手帳には

使ってない部分がおありのようでしたから、

そこはどうしますか?とお尋ねしたところ、

要りません、というお返事です。

 

当店オーダーであれば、

現在お使いの見本と同じに作る必要もなく、

要らないところは削れますし、

足したいところは増やすことができます。

 

その内容は、デザイナーと話し合って

お決めいただきます。

 

 

 

 

 

 

見本の現物はきちんとまとまっていても

新たにほんの少しの変更を施すことで

構造そのもの、作り方を

大きく変えなくてはならない場合も

稀にありえますから、その時は

変えなければならない理由と、

どのように変わるかをご説明します。

 

当店の自由度が高いオーダーであっても、

安易に「何でもご希望通りにお作りします。」

と言うことはできません。

 

 

 

 

 

 

当店がコンサルティングに重きを置くのは、

以上のような理由からです。

 

もちろんみなさまのご希望は、

できるならば

すべてかなえて差し上げたいですが、

革製品の製作は冷徹なほど論理的。

 

ご希望内容に対して筋道立てて考えれば、

できることできないことがはっきりしますから、

「それはなぜできないのか?」

「仮にその通りにすると、どうなる?」

「では代替案は?」

などなどをこちらでご説明し、

結果的に、ご注文者のみなさまには

納得のいく答えをお出しいただけます。

 

 

 

 

 

 

お引き取り時お目にかかれなかった

デザイナーに、

わざわざご感想をお送りくださった

クライアント。

こうした生の声は、とてもありがたいです。

 

************

本日手帳を受け取りました。

素晴らしい手帳をお作りいただき

大変感謝しております。

これから大事に使わせていただきます。

お願いして良かったです。

今回は本当にありがとうございました。

 

使い始めたばかりですが、

すごく手に馴染んで驚いています。

これからの変化も楽しみです。

************

 

仲の良いご家族と一緒においでくださった

こちらのクライアントなら、

きっとこの手帳をかわいがってくれて、

つやつやに育ててくださることでしょう。

このたびはありがとうございました。

 

 

ハイブランド革のブリーフケース、メンズラティーゴ 41115

ハイブランド革のブリーフケース、メンズラティーゴ 41115

2025/05/06

長く定番になっている製品がありますと、

時代によってその需要の様相が変わる、

という変遷が見えてきます。

 

本日ご紹介するのは

定番「ラティーゴバッグ」です。

 

開店当初からレディスバッグとして

お作りしてきましたが、ここのところ

男性からのご注文をいただく機会が続き、

このような形のメンズへの転身というか、

昨今のファッションの流れを感じています。

 

実際、前回・今回とも

メンズバッグとしてかっちりと

お作りしまして、ご注文者はお二人とも、

きっちりと背広をお召しの方でした。

 

最初にご注文くださった方は、

ふたつ目の仕事用鞄として、

気分の変わる製品を

お求めだったのだと思いますが、

 

 

 

 

 

 

今回の方は、ひとつ目の鞄として

ご注文くださいました。

 

お色は、グラファイト。

濃いめのグレーで外連味のある、まさに

おしゃれに慣れた大人の方用の鞄です。

 

 

 

 

 

 

クライアントは

ブラックとグラファイトとでお迷いでしたが、

圧倒的に

グラファイトがお似合いになる方でしたので、

第一希望としてこちらをお薦めしました。

 

第一希望を…というのは、

革の色はロットでブレるからです。

そのブレが、もし明るい方に出ていたら

黒にしましょう、と

デザイナーはご提案をさしあげました。

 

 

 

 

 

 

革の色は、見本チップで見る革の色よりも

1枚革の大きな面積で見る色の方が、

人の目には明るく感じられがちだから、

ということもあります。

 

それで、どちらに転んだ色かを確認しましょう、

というご提案でした。

ブレが大きな色の革の場合、

確認してから入手するようにしています。

グラファイトは初めていただくご注文で、

そこが明確ではありませんでしたから。

 

ブレの大きな色ですと、人によっては、

ここら辺までの色ブレならオッケーです、

と具体的におっしゃる方もおいでなので、

一人ひとりのご希望にお応えして

革を入れています。

 

 

 

 

 

 

さて、この鞄は何が大変だったと言って、

真ん中に仕切りを付けたことです。

ラティーゴデザインは大きさ違いで

これまでたくさんお作りしてきましたが、

45年間で初めて、仕切りを付けました。

 

当店の製作技術は日々向上しているので、

頭ではこうすれば可能にできる、

とわかりましたが、実際に製作してみると、

正直、これほど大変なこととは

想像できていませんでした。

 

難しい形を、泣きながら作った

昔を思い出します。

 

最終的にきれいに仕上がって、

苦労の後はみじんも見えないことに

製作者もデザイナーもホッとしました。

 

ピックアップ時に

とても喜んでいただけたのが

印象に残っています。

ありがとうございました!

 

 

 

  

 

 

 

このように大変な作り方の場合

ブサイクになるかならないか、が

大きな課題です。

 

うつくしく仕上げる… でもそれは、

よく言われる喩えですが、

白鳥がすいすいと進む水面下で

一生懸命足を動かしているのと同じく、

見えないところで、

目的に向かって

正しい方向で努力できるどうか、

が勝負です。

 

こんなことを書くのは

ちょっとルール違反だな、と思いつつも、

うつくしく仕上げる、という

当たり前を当たり前にするには

どれだけの覚悟が必要かを

知っていただきたいと思いました。

 

毎回毎回、製作物の種類にかかわらず、

当たり前のことを当たり前に

表現できることが、その道のプロです。

毎日の真剣勝負に耐えられなくなった時が、

リタイアする潮時となる仕事かもしれません。

 

 

ベルトループ付きペンケース 50206

ベルトループ付きペンケース 50206

2025/05/04

ご自分の欲しい形を

端的にご説明くださったクライアント。

ピックアップ時にお尋ねしてわかりましたが、

ご職業は先生、でした。さすがです。

 

なるほどわかりやすいご説明で、

あっという間に相談は済みました。

 

 

 

 

 

 

私たちとしては、

ご要望をお出しいただく時、

まずはアイテム名をお知らせいただき、

全体像のつかめる”何か”をいただけると

ありがたいです。

また、ご希望の革の色もあると助かります。

 

場合によっては、それに対して

何かご用意する必要があったり、

お調べしてから

お目にかかる方が良い場合もありますから。

 

メールでのご予約に対して

アイテム名の記入がない場合、

ご来店前にアイテムを確認するのは

そのような理由からです。

 

 

 

 

 

 

全体像の説明の仕方は難しい、

と思う方もいらっしゃるかもしれません。

下記の方法を参考になさってください。

 

ご自分で簡単な図を描いていただく方法や、

だいたいこんな形、

という製品掲載のあるURLを

お知らせいただくのでも良いですし、

現物をお持ちであれば、

その現物のお写真を何カットか撮って

送っていただくのでもけっこうです。

 

現物がある場合に限ってですが、

それを直接お送りいただいても大丈夫です。

 

 

 

 

 

 

さて、話を元に戻しましょう。

本日のオーダー品は、ペン2本を入れて、

腰のベルトに取り付けて使うタイプの

ペンケースです。

 

2本一緒のケースに入っているように

見えますが、

中ではきっちり一本一本を

ホールドできるようにしています。

ですから、

お気に入りのペンにキズが付きません。

 

そして

外から見てこのようにすっきりしていますと、

見栄えもきれいです。

 

 

 

  

 

 

 

また、表面に金具を使っておりませんと、

革の良さがより引き立ちます。

使っていくことで革のツヤが出てくると、

使い込んだカッコいい様子になります。

 

毎日の必需品でしょうから、

使うたび喜びを感じてくださることでしょう。

 

 

 

*着用すると、こんな感じになります。

 

 

 

黒板の前に立って…ということですから、

大学の先生でしょうか。

知的な雰囲気の方で、

こんな方に教わる生徒さんはお幸せです。

長く便利にお使いいただけると嬉しいです。

このたびはありがとうございました。

 

 

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