革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2014.06.19

トートバッグのお直し

「とにかく軽いトートバッグにしてください。」

というご依頼で、3年前にお作りしたバッグ。

 

シンプルですが、見た目よりもたくさん入るため、

「結局、荷物をたくさん詰めて

毎日使っていました。」と、修理にまわってきました。

 

観察力の鋭いお客様なので

この一年ほど前も、この消耗する部分についての

ご相談をいただいています。

 

牛革のトートバッグ

 

そのとき、「腰骨に当たる部分が、擦れて

だんだんと薄くなってきてしまいました。」

と、原因の特定までしてくださいました。

こうなりますと、対処の方法は自然に決まってきます。

 

軽くお作りするために革を薄くするのですが、

その革が、どこかに当たる箇所があると

どうしてもその場所だけ、時間が経つと穴が空いてしまいます。

また、毎日お持ちいただくことで、

穴が空くまでは早くなってしまいます。

 

裏地を革でお付けしているので、

穴が空いたとしても

中がすっかり見えてしまうわけではありませんが、

やはりちょっと気になります。

 

底が擦り切れたトートバッグ

 

今回は、実際にお持ちいただくと

たしかに腰骨に、ばっちり当たってしまいました。

「でも、この長さのショルダーひもが使いやすいですから。」

ということで、ショルダーひもの長さは変えないことに。

 

そこで、擦れる部分の

大々的なお直しをする計画にしましたので、

革が切れてくるまでは

しばらくお使いいただくことにしたのです。

 

底部分の補修

 

このように、使っていかなければわからないことが

バッグや鞄、財布等の革製品には、たくさんあります。

それは、お持ちになるそれぞれの人の体格や使い方が

千差万別だから・・・

 

それで、革製品のフルオーダーメイドというのは

さらに難しくなり、

ほとんど誰もが手を出さないジャンルになっています。

 

今回は、最小限の取り替えをすることで

問題部分の革を厚くして寿命を延ばそうと、

直線的なラインで切り替えを付けました。

 

お客様は、「思ったよりも違和感なく直りました。

これでまたしばらく持つことができます。」

と、笑顔でお持ち帰りくださいました。

 

修理されたトートバッグ

 

バッグの重さと保ちは、比例しています。

毎日持つ鞄やバッグには、だれもが

軽くて使い勝手のいいものを望むと思います。

 

このお客様も、このあとで、2点目の

毎日お持ちになれるバッグをご注文くださいました。

2~3コをローテーションすれば、保ちはまったく違います。

 

靴と同じく、鞄も革製品なのですから

ぜひそういう持ち方をしていただきたいと思います。

 

たくさんはいりません。

毎日持てるものを2~3コでいいのです。

身体に楽な生活は、あなたの心を明るくします。

関連記事

  • 2004年にお作りしたバッグと10年ほど前のバッグ

    2004年にお作りしたバッグと10年ほど前のバッグ

  • デザインおまかせのファッションベルト 30301

    デザインおまかせのファッションベルト 30301

  • かっちりとして、たくさん入るマチあり名刺入れ 011

同様のアイテムを見る: