革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2018.09.8

カード入れ付き超シンプル長財布、バーティ変形 74

当店定番品には

意外なアプローチがあると思いますが、

「バーティ」という長財布も

かなり変わったアプローチです。

 

少ない持ち物で必要を満たしたいから

とにかくシンプルに、

かさばらず、

軽く、

という気持ちで作ったもの。

 

 

この長財布には

お札が20枚ほどと

カードが2枚入りますが、

 

じつはこれ、

ジーヴズという小銭入れ付きの

コンパクト財布の

たったひとつの欠点を補うための

お財布として、ご提案しました。

 

ジーヴズを使っていて

「ああ…」と思うのが、

ピン札を持てない、ということ。

 

その他の便利は

すべて満たしているとおっしゃってくれる

クライアントは多いですが、

でもねえ…ピン札が、と続ける人も

少なくありません。

 

 

ジーヴズですべてを満たすことは

不可能です。

それで、ピン札用の長財布で

もっとも軽いものを作ることにしました。

デザイナーは毎日両方持っています。

 

このバーティ、札入れ部分は、

お札の人物の目まで見えるくらいの

浅い仕上げにしています。

 

それでびっくりする方も多いですが、

実際に使ってみると

「お札がすごく取り出しやすいですね。」

というご感想をよくいただきます。

 

 

すごく興味深いご意見としては、

「お札の顔、とくに目が見えるのは

風水的にすごくいいんですよ!」

というものがありました。

 

他にも

お札の上にある数字が見えるのは

風水的に良い、というお話も聞き、

何が幸いするかわからないな、

と感じたことを覚えています。

 

この薄い札入れに

20枚という枚数のお札が入るのは、

下のお写真のように

薄いマチをつけているからです。

 

薄いなりにマチがあると、

札がパンパンに入っていても

カードも入るようになりますし、

枚数が少ない時でも

特に問題が起こりません。

 

 

今回のオーダー財布は

その原型バーティに

カード入れをお付けしたもので、

小銭入れは別に持つタイプ。

 

ここまでは良かったのですが、

実はこのアプローチになりますと、

使う時に札入れ部分が浅すぎて

どうかすると札が滑り出てしまうことが

わかりました。

 

初めてのバーティ変形の長財布は

こうしてクライアントの助けをお借りして、

新しい情報を得ることができました。

もちろんお直ししたのですが、

 

新しい試みには、ときに

このような試練があります。

 

 

フグ毒を少しずつ解明していった

歴史のように、

新種の革製品に対しては

みなさまの手をお借りして

少しずつ情報が集まってきます。

 

あらゆるジャンルの情報ですから、

コンプリートすることは

永遠にないと思いますが、

みなさまの新しい試みに

いつも感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとうございました。

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