革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2020.01.15

メンズのファスナー式セカンドバッグ 97

ナイロン製のセカンドバッグを

お持ちくださったクライアント。

 

「とにかく、自分の欲しい

大きさのセカンドバッグが無くて…」

と理想の大きさのクラッチバッグを

注文しにおいででした。

 

 

同じような大きさのバッグを

5~6個お持ちとのことですが、

どれもぴったり来ない。

 

そうこうするうち

気に入った大きさが出てきたので、

「これを革で作りたい。」

となったご様子です。

 

 

じつはこのお写真のセカンドバッグは、

このクライアントからいただいた

二点目のご注文品になります。

 

と申しますのは、

同じ寸法でお作りしたのですが、

 

ナイロンと革との素材の違いから、

持った時の大きさ感覚が違う、と

クライアントがお感じになったからです。

 

 

ここまで厳密でデリケートな方も

少ないのですが、

すばらしい感覚をお持ちです。

 

しばらくお使いいただいたのですが、

どうしても「この少し」が気になって、

結局二点目をご注文くださいました。

 

 

それで、もう一点作るのなら、と

革の色を変え

外ポケットもふたつにして、

そのポケットがどちらのポケットかわかるよう、

片面にネームプレートを付けました。

 

目で見た感じでは

ほとんど大きさの違いが判らないくらいの

ほんの少しのサイズダウンです。

 

 

今回は、図らずも一点目が

たたき台になったこと、

色は違っても同じ素材で作ることとで、

とても厳密なサイズに出来ましたが、

 

素材が違うと、

感じ方が違うと感じる方がいらっしゃる

ということは、

とても勉強になりました。

 

 

そこがやはり、毎日使っていて、

手に対する馴染みを

身体の感覚で覚えていらっしゃる

「持ち主」ならではの

鋭い感覚だと思います。

 

何をどこまで追求するか、は

人によって全く違いますが、

こうした身体の感覚を

以前のものと

同じに感じていただくことは、

明らかに

もっとも難しいリクエストと思います。

 

 

そんな難しいお題であっても

ふたつ目で合格点をいただけたのは、

同じ素材がいつでも入手できるから、

に他なりません。

 

「革」のように

安定した状態を期待できない

生の素材にもかかわらず、

 

同じような質感と

同じような厚みで

特別に作ってもらえるということは、

製作者としては

まことにありがたいことです。

 

革を作ってくれている栃木レザー

そして、

それを理解してくださる

このデリケートなクライアントに

感謝申し上げます。

 

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