2020.05.25

7色の時計ベルト 911

女性用の腕時計ベルトをお作りしました。

ペキニエ「カメレオーネ」のベルトで、

7色の革でご注文いただきました。

 

時計ベルトには

製作専門店がありますが、それは

ワンジャンル作る必要のある

専門の製作ノウハウがあるからです。

 

 

クライアントはこの時計を

その時代にお買い求めになった方で、

気に入ってずっと使ってらっしゃいます。

 

この時計は凝ったもので、

ベルトを取り換えることができるよう

時計枠が

ぱかっと開くようになっています。

 

 

「カメレオーネ」という名前は、

この替えベルトから来ています。

 

下のお写真のようなケースが付いていて、

当初から7本の替えベルトが入っていました。

 

7本あっても、そろそろすべてが

ボロボロになってきたということで、

新しい7色をリクエストいただきました。

 

 

牛革とリザード、クロコダイル、ヘビなど

いろいろな素材を使って、

楽しい色揃えにしています。

 

こんな風に並ぶと、壮観です。

 

でもこうして並んだベルトを見ると

製作は単純で簡単なものだと、

きっと思われることでしょう。

 

 

しかし、このように一枚の革を

枠にはめ込む形で取り換えるベルトには、

厚さの制限があります。

 

こういった薄い厚みだと

保ちが悪くなってしまいますから、

なるべく丈夫になるよう

その厚さの中で諸所調整していきます。

 

 

そして、厚みよりもっと難しいのは

時計を入れ込む「穴の大きさ」。

 

メーカーであれば、道具を使って、

この時計の大きさに適した大きさの穴を

簡単に開けることができますが、

 

その穴を開ける道具=ポンチは、

後からでは製作不可能でした。

 

ポンチなどの道具は、

金型を作るお店に発注します。

 

細かい指示を与えて作ってもらいますが、

残念ながら、

コンマ何ミリ、という精度での

製作はできません。

 

ですから、結局そこを何とかするのが、

腕の見せ所となります。

革の包丁でこれだけ小さく丸く切るのは、

至難の業、しかも7個。

 

 

こういう時には、何個も

同じように作業することが大変です。

 

いろいろな手を使って

出来上がったこのベルトは、

大変喜んでいただけました。

ありがとうございました。

 

ところで、ここでひとつ告白しますと、

当店でお作りしているオーダー品は

どれをとっても絶妙な技術のお品なので、

同じもので ふたつ目をお作りすることが

なかなか至難の業です。

 

資料は残っていますが

ひとつ目はかけがえのない見本なので、

ふたつ目をご希望で、

時間が経っている方はぜひ

現物をお持ちくださいね。