2010.03.15

コーヒーブレイク

当店独自のベア・スキン・レザーを作り始めてから、すでに25年以上の月日が経ちました。原皮と加工方法の善し悪しがものを言う素材の革ですから、4~5年前から、深刻な狂牛病の影響を受け、作ることがたいへん困難になってきています。

たまに、「革製品てお値段が高いですよね。」と言われることがありますが、今日は牛革を取り巻く現状を、みなさまにお話しします。

写真は、A4サイズのブリーフケースを作る時の革の取り方です。

成牛の半分の大きさのワインの革ですが、どう頑張っても、白い型紙を載せてある場所以外は、ほとんど廃棄しなくてはならないほど、表皮下の繊維が崩れています。。。

ベア・スキン・レザーは、使って行くほど良く育っていくので、最も革らしく、お客さまからは愛される革なのですが、

これほど、取り都合の悪い革もありませんので
(おまけに、プロでないと、表皮下の繊維の見分けがつきません)、
ほとんどのブランドやメーカーは、使うことを断念します
(また、大量生産のラインに載せられない加工方法ですし) 。

牛を育てる餌として、肉骨粉を使うことができなくなったために、牛の育つ大きさも小さくなりましたし、それだけでなく、肉質はもちろん、こうして皮質もずい分と変わってしまいました。

肉になるまでの養生の期間も短くなったことで、皮のキズも、驚くほど増えました。

最近、市場に出まわっている革バッグが少なくなったと思うのも、

また、ほとんどのブランドが、革の表面をこってりと加工した革製品を作り始めた、という事実も、どれだけ革を取り巻く世界が変わってきているのかを表していると思います。

ひとつの「ものの作り方」が喪われると、
もう二度と、同じものを作り出すことが不可能になってしまうことを考えますと、

わたくしどもの愛する、美しいベア・スキン・レザーを、なるべく長く作って行きたいと思っております。

お問い合わせ番号:38N100310