2014.08.2
品質を見極める眼 オーダーメイドの職人について
お客様にお話しして、
いちばん驚かれることは何だと思いますか?
それは、「ご注文くださった○○さま(お客様)には、
今の瞬間から、当店の職人をひとり、一定期間
雇っていただくことになるんですよ。
当店では、一点一点を、ひとりの職人が
一貫製作しているんです。」という内容です。
フルオーダーメイドというものは、
まったくのゼロの状態から
完全に新しいひと品をお作りすること、ですから
型紙を作っては修正していく作業から始まり、
裁断、縫製、みがきを含む仕上げまで、
ひとりの職人で作っていく以外、
他に方法はないはずです。
ご注文に応じて毎回毎回、
本来、量産品のためであるはずの完璧なサンプル品を
たったひとつのためにお作りしている、
とご説明すれば、わかりやすいでしょうか?
ですから、流れ作業で作ることはあり得ないのです。
このご説明をすると、
ほとんどのお客様がびっくりして、感動してくれます。
先日あるお客様から、
「オーソドキシーさんも職人という言葉を使いますが、
今、職人ていう言葉は、なんだかチープですよね。
流れ作業しか出来ない人、みたいなイメージもあるし。
何か他の言葉を使ったらいかがでしょう?」
と言われました。
「う~ん、他の言葉って、逆に難しいですね。。。
本来の言葉の意味を、どんどん変えて行ってしまうのが
最近の日本語の傾向で、
職人という言葉も、その最たる言葉のひとつでしょう。
でも、職人ってやっぱり
作る人、であるし、エキスパートを指す言葉ですし。」
とお返事したのですが、
他のお客様の認識も、今の職人=工場のライン製作の人
という認識になってしまっているようです・・・
これは、とても悲しいことですが、
今は「手作り」とは言っても
大量生産の製品でもそう呼んでいるようですし、
「工場のライン製作」を募って人が集まらなければ、
「職人」募集という方が集まる、という状況であれば、
そういう人達を指して「職人」と呼ぶようになったり、
「職人」という言葉の意味が変わってくるのは
仕方ないことかも知れません。
また「ほんものの職人」という言葉もあるようですが、
そう呼ばれている人も、レベルはさまざまです。
要は、それを判断する人が、
人の噂や評価のまた聞きを当てにしないで
かならず自分の目で見て、
自分の基準を持っていれば、何も迷うことはない、
ということだと思います。
そのための一番いい方法は、
まず最初に「いいもの」を見ること。
そして「いいもの」を毎日、持つことです。
そうすれば、必ずわかります。
そして身につきます。
ちなみに、今日お写真でご紹介しているバッグは、
オーソドキシーがご提案する新作です。