革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2019.01.7

オリジナルリュックの修理 810

「これがすごくいいので、

結局これを毎日使っています。

軽いし、使い勝手が良いし…

とにかくストレスがありません。」

と喜んでくださるクライアント。

 

「だけどちょっと問題が出てきました。

底に敷いた芯が背中に当たって、

特にこの一部が擦れるようです。

 

季節が変わって

合皮のジャケットを着るようになったら

底部分の劣化が激しくなり、

革に穴が空くんではないかと

心配しています。」

 

 

自重を軽くお作りすると

どうしても革の消耗は早くなりますが、

たくさんのお荷物をお入れになる

このリュックに対しては、

力のかかる場所に

それ相応の対処をしています…

 

まさか、底をしっかりさせるために敷いた

底板がここまで革を痛めるとは

想像もしませんでした。

 

 

当初、底板が擦れそうで気になる、

というお話だったので

一回り小さくする手当をしましたが、

一回り小さくしたことで

当たる部分が柔らかい場所に変わり、

劣化させてしまったようです。

 

 

今回の場合、

丈夫な合皮ジャケットと擦れることで、

さらに劣化が進んでしまいました。

 

リュックは、

力のかかる部分を

バランスよく散らせてあげるように

作ることが、難しい形です。

 

また、人によって扱いの癖も違いますから

使ってからどう出るかも

なんともわからないことの多いアイテム。

 

 

まさか合皮のジャケットが

そんなに強く擦れるとは

想像できませんでした。

 

今回の手当では、根本を見直し、

底板を止めることで

解決することにしました。

 

そして、底板以外の方法で

底がたわむことを避けるような

工夫をしました。

 

 

その後お使いいただいて

「底も出ないし、

これで大丈夫です。」とのご感想をいただき、

安心した次第。

 

どこにもないものを作る、

ということは、予想できない事態にも

対応することです。

 

 

当店を信頼してくださり、

何でもご相談くださるクライアントは

多く、ありがたく存じます。

 

身体を楽にするために、

軽く、使いやすくお作りすることは

すばらしいことと思います。

 

しかし、そのための一長一短があります。

あらゆることをお話して

細部まで選択していただきますが、

何かあったら

一緒に乗り越えていくのが、

フルオーダーメイドの使い方です。

 

すばらしいクライアントに乾杯!

 

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