革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2021.03.14

調節幅のとても大きなブックカバー「ストリングス」変型

 

さて今回の珍しいご注文品、

下のお写真が何かわかる方は

そうそういらっしゃらないと思います。

答えは、ブックカバー。

 

最初メールでご相談いただいた時には、

そこまでの長さの変更は不可能では?

と思うくらい難物の、

文庫カバーサイズからA5サイズまでの

大きさの違う本をカバーしたい、

というご依頼でした。

 

 

 

定番の「ストリングス」

基本形としてご指定いただきましたが、

どう計算しても、

ご希望のサイズまで調節できません。

 

そこで思いついたのが、

今回の「ダブル・ストリングス」です。

 

 

 

片面から見ますと上のお写真になりますが、

開くと、一枚目や下のお写真のように

二か所で紐調節できます。

 

そのため振幅幅が大きく、

クライアントがお入れになりたい

一番大きな本と文庫までの大きさを

収納できるようにできました。

 

 

 

このお写真では紐には靴ひもを使っています。

実際には、クライアントが

シルクの紐をお付けくださる予定です。

 

紐の結び方には2種類ありますから、

お好きな風に結んでいただくことで、

ちょっとしたことですが

お楽しみいただけます。

 

 

 

カバーのタテ幅は新書サイズです。

それなので

文庫本をお入れいただくと、

高さが少し余ります。

 

随所でクライアントが

こういった難所を

譲ってくださっていることで、

一番大きな本を入れた時に

あまりストレスなく

お持ちいただいていると思います。

 

 

 

上はカバーより大きな本を入れた時、

下はカバーより小さな本を入れた時

の中身の感じです。

 

以前、ヨコの長さに対してだけ

調節できる定番ストリングスを、

タテ方向の見返しを縫わないことで、

高さも調節できる、と

考えてご注文くださった

クライアントのブログを見て、

このクライアントが合理的でおもしろい、

と思ってくださったのです。

 

 

 

そしてさらに

内側左側には、栞にするための

大き目パーツをお付けしています。

 

たしかにこれだけの幅があれば

栞としての役目を立派に果たしてくれます。

今までにたくさん

栞に該当するモノをお作りしましたが、

これは使いやすいのではないかと

想像しています。

 

 

 

このように、一人の方のオーダー品が

別のご注文者に引き継がれ、

さらに違うものになっていくことは、

なかなかあることではありません。

ありがとうございます、

おふた方に感謝申し上げます。

 

こうして

点在する「フルオーダーメイド」の

品々を通じて出来上がった「線」が、

さらに他の方によって

伸びる可能性を思いますと、

まことに興味の尽きない仕事と思います。

 

どうぞ何でもご相談ください。

 

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