革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2021.12.5

見た目ではわからない、手の込んだブリーフケース 10802

 

すっきりとシンプルに見える

濃いバーガンディカラーの

ブリーフケースは、

革の色から特注した、凝った仕様です。

 

最初に、どんなデザインをご希望なのか

なかなか見えてこなかったご相談だったので、

出来上がった時には

感激もひとしおでした。

 

 

 

 

まず革ですが、黒に近い

バーガンディカラーをご希望いただきました。

ところが、どの革見本を見ても、

クライアントのご希望に沿った、

黒っぽく見えるけれど

よく見るとバーガンディ、という

お色の革がありません。

 

 

 

 

そこで思いついたのが

当店特製牛革のワインをもっと濃くすること。

かなり黒くしても良い、とは伺いましたが、

どの程度まで濃くするかは

感覚の問題です。

 

そこで

20年以上使ったワインカラーをお見せして、

クライアントと革染め職人の感覚を

すり合わせました。

 

また、当店の牛革は

黒っぽい経年変化をするため、

使っているうちに

さらに黒くなっていきますから、

真っ黒になってしまっては…という

懸念もあります。

よくよく見ればワイン、というご指定には

すごく難しいものがありました。

 

そこで、一旦色を見ながら、

2回の染めで対応していただきました。

 

 

 

 

革の色も難物でしたが、

内装はもっと大変で

思った以上にお時間をいただきました。

 

何が大変と言って、

「なるべく小さいサイズに収めること」です。

 

こういうご希望は、

通常のゆとりを持っての製作とは

まったく違う精度での製作になります。

 

 

 

 

今回の場合、

内ポケットの中に入れるモノも

すべて決まっておりました。

 

中には

形のはっきりしないものもあって、かつ

全体の大きさを小さくしたいわけですから、

すべての収まりを考えながら、

 

まず最初に

店頭でのご相談の段階で、

 

全体がどれくらいの大きさになるかを

お知らせすること、

 

そして

製作の難易度を量ってお見積もりを出すこと、

ができませんと、

検討のテーブルに

載せていただくことができません。

 

 

 

 

また、ご希望の鞄の形を伺いますと、

そのまま作ってしまうのでは、

ご希望いただいた内容を反映できない

仕様になってしまいます。

 

クライアントには、

何を重要視していらっしゃるのかを

細かく伺う作業も必要です。

 

 

というようなことを考えつつ、

ご希望のラインを生かしながら

使い勝手が良くなるようにご提案し、

ご注文をいただきました。

 

 

 

 

ところがいざ製作の本番に入りますと、

外側の大きさはお出ししたサイズで

ぴっちりと収められることがわかりましたが、

 

内装を少し変えないと、

寸法的に無理な部分が出てきました。

そこはメールでレイアウトをお描きして、

変更の許可をいただいています。

 

内装のお写真をご覧いただくと

お判りと思いますが、

かなりタイトな出来上がりです。

それでもできる限りのゆとりは取っています。

 

このような経緯で製作された

このブリーフケースは、

大きさと見た目からは想像がつかないほどの

大作となりました。

今年の三指に入る鞄と思います。

 

このたびはご注文ありがとうございました。

どんどんお使いいただき、

使いこなしていただけることを願っております。

 

 

 

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