革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2022.07.2

ホーウィン社コードバンのライセンス入れ 205M

 

「ライセンス入れを

コードバンで作っていただきたい」

というご依頼をメールで頂戴しました。

 

ライセンスの大きさを伺ってから

コードバンについてご説明したところ、

「ホーウィン社が良いです」

というお返事を頂戴しました。

 

ホーウィン社のコードバンは評判が高く、

裏面に押した社判を見えるように出すことを

ご希望いただくことが多いでしょうか。

今回も同様のご指定をいただきました。

 

 

 

 

 

 

ところが…

まず驚いたことに、革がほとんどありません!

コードバンはここしばらくの間、

大量のお財布を

大手の2社が売っていた(いる)とのことで、

かなり品薄になっていたそうです。

そこへプラスコロナで

海外からの流通が止まっていたことが重なり

今までにないほど

希少性が高まってしまったという話です。

 

当店では、どの革も

ご依頼があってからいつもの取引先に連絡して

現物を見ながら選ぶ方式なので、

しばらくご注文のなかった革については

いま現実に陥っている状況を知って

愕然とすることがあります。

 

 

 

 

 

 

コロナの流通ストップの中で、

今回入手できたものは最後の1枚でした。

次回の入荷は

まったく予想がつかないそうです。

 

ホーウィン社の革は

量産には向いていませんが、

今回の革は面積の大きな革にも関わらず、

よりによって良い場所に

2箇所のヨコ長の穴付きでした。

 

ただでさえ、1枚の革のすべてが

製品製作に使えるのではありませんし、

品質の良い場所で

使える部分が少なくなると悲しくなります。

単位面積あたりのお値段が高いことはもちろん

こうした瑕疵も含めての革のお値段です。

 

 

 

 

 

 

でもとにかく!現段階で最後の1枚という

きちんとした品質のホーウィン社の革が

見つかったことに、感謝です。

昨今の円安がありますから、

次回はまた革のお値段もかなり変わるでしょう。

 

コードバン製作の難しいところは、

全体にかなりの厚みがあり、

それだけでなく、一枚の中でも

部分によってバラツキがあることです。

 

そのままの厚みでは小品には向かないので

何段階かにパーツを漉いていくのですが、

今回は、裏面をそのまま見せるという

難しいミションがありますから、

失敗は許されません。

社判は1枚の革に1つしかありませんから。

 

単純なものに見えるお品ですが、

デリケートに見えて、かつ

本体はしっかりと厚みのある

元のままの厚みを生かしたカバーにするために、

幾重もの試験漉きを経て、本漉きをします。

成功にはホッとしました、とにかく感謝。

この度のご注文、ありがとうございました。

 

ホーウィン社のコードバンですが、

小物を作るくらいであれば

革はまだあります。

ご興味ある方はお知らせください

(刻印のところはもうありませんが)。

 

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