革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2022.11.4

電車に挟まれてしまったリュックの再生

先日、バッグをリュックへと加工した

クライアントからお電話いただきました。

「電車のドアに挟まれて、

自分が車内、ドアの向こうにリュック、

という状態になったので

反射的にグイっと引っ張ったら

紐が切れてしまいました…」

 

 

 

 

 

 

とにかく拝見させてください

と、お見せいただきましたら、

本体からジョイント部分がすっぽりと

抜け、本体の革が破れていました。

 

ジョイントをつける時、裏面に

革と芯材とを入れて強化していましたが、

本体の革の方が劣化していて

それでは間に合わなかったようです。

 

 

 

 

 

 

さてさて、この穴を

どのようにお直ししましょうか?

 

付け位置として一番いい場所は、

過去に別の個所の修理をするため

すでに一回ばらしていますから、

もう一度ばらすことは避けたいと思います。

 

 

 

 

 

 

ということで、

本体の革にかかる負担が最小限であるよう

パッチ部分にギミックを施しています。

 

本体をバラして行う場合ですと、

ギミックを使わず自然な手順で修理出来る、

というメリットはありますが、

再び縫い直すことで革を消耗させるという

リスクも大きくなりますから、

革の状態を見ながら

どうするかを選ぶ必要があります。

 

 

 

 

 

またしばらく使っていただけると思いますが、

雨の日でも雪の地でも

とにかく毎日お持ちいただいたとのことで、

革はかなり疲れているようです。

 

できればこれからは

あまり雨にさらさないようにしていただけると、

保ちがぜんぜん違いますので、

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

もちろん引き手も新しく付けましたが、

オイルケア前のマチの革の状態は

少し危険です。

 

真ん中のマチの針孔から細かい亀裂が

出ているのをご覧いただけますか?

この状態が出てきましたら、

あまり大掛かりな修理をせず、

寿命が来るまで使うことをお勧めします。

 

「革製品は一生もの」と思ってらっしゃる方は

まだまだおいでのようですが、

自重の軽い革製品をお望みで、

雨の日も風の日もお持ちになるのであれば、

革らしい革ほど、消耗は早くなります。

 

数か月に一回でも、

ぜひオイルケアをしてあげることをお勧めします。

 

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