2022.12.20
ミュージアムラインの長財布 211P
遠方の方からご注文いただいたのは
「ハチドリ」の絵を入れた長財布です。
ご注文時、お受け取り時、と
足をお運びいただき、ありがとうございました。
下のお写真のように、
お誂えしたお財布は、さすがに
このご注文者の個性にぴったりで、
思わずお写真を撮らせていただきました。
ありがとうございます。
絵の上手な方で、
最初に全体図をお送りくださいましたので、
ご来店前から
ご相談はお受けしていました。
はっきりしたきれいなピンクにするか
それとも当店の革でシックに行くか
革の色で迷っておいででしたが、
ミュージアムラインをご覧くださり、
幸運を運ぶという「ハチドリ」のモチーフを
お入れすることに。
それをお決めになりましたら、
絵の映えるネイビーをお選びになりました。
一本筋の通ったご注文の仕方です。
表面には白い花をお描きする、というご希望で、
両面とも華やかで、女性らしい感じです。
ジュエリーも珍しいタイプをお持ちでしたから
気になっていろいろお話を伺いますと、
やはりオーダーし慣れている方で、
「どのように自分の欲しいものを説明するか」
を考えて、お申込みくださっていました。
ありがたいことです。
この方からは、
ジュエリーとジュエリーケースについて、
ためになるご相談の経験談を伺いましたので、
デザイナーは、革製品をフルオーダーする場合の
ネットでの
お店の見どころについてお話ししました。
何度かお書きしていますが、
ご参考までにみなさまにも
お知らせしようと思います。
まずは製品をよく見ることですが、
パッと見て、なんだか自分の好みでないな、
と思うものは除外してください。
それがわからなければ、
次のことを考えてください。
まずは製品全体をざざっと見て、
そこの製品イメージに当てはまる
ファッション形容詞を出します。
例えば、ワイルド、エレガント、コンサバ、
遊びの要素が多い、無難、個性的、などなど。
これはダイレクトな製品イメージです。
この中のどの形容詞が、
ご自分のワードローブや
表現したい自分に合っているかを出しておくと、
簡単に除外するものが見えてきます。
それをしておけば、
思わぬ製品をミスマッチさせることも
できるようになります。
ファッションは足し算と引き算ですから。
次に見ていただきたいのは、
そこの品揃えです。
フルオーダーを受けるからには、
そこで作って売っている品々が、
その店の技術力や得意分野を示しています。
そういう目で、品揃えを見てください。
バッグばかり並んでいるお店に
財布を頼むのは、冒険と言えるでしょう。
また、普通ウェブに並んでいるお品物は、
そのお店の人が
うまくできた、と思っている製品だと思います。
そのウェブで
売る人に成り代わって考えてみることも、
大変おもしろい実験です。
デザイナーは終始そういうことをしているために
いろいろな思惑があることに気づくそうです。
バッグの場合の見どころの
大きなもののひとつが、製作方法です。
バッグには、
外側にステッチが出ている「外縫い」と
ステッチの出ていない「内縫い」とがあります。
例としては、
柔らかいタイプですが「ペレ」は外縫い、
硬いタイプの外縫いは「エグゼクティブバッグ」
「タイニー」はフタと持ち手以外は内縫いです。
当店ウェブショップでは、
両方の製作方法を使ったタイプを
同じくらいの数お出ししていますが、
作り手によっては、
外縫いか内縫いかに偏っている人も
少なくありません。
この二つの製作方法のどちらが
ご自分の好きなラインなのかを見ていただけば、
自然とお好きなラインに到達できると思います。
こちらのクライアントは最後におっしゃいました。
「でもね、こちらは素人なんですから、
最終的にはプロから、
こうした方がいいですよ、ということを
絶対に言っていただきたいです。」
貴重なご感想をありがとうございます。
当店では
うるさい、と思う方もおいでかもしれませんが、
40年の経験から言える
「あなたのオーダー品を、
もっと良くするためのサジェスチョン」を
何でもお話しします。