2023.04.2
30年ほど前のダブルファスナーポーチ、ショルダーバッグ版 30109
「御社の製品は
ほんとに長保ちします!
これももう、30年以上使ってますよ。
使いながらびっくりしてます。
ただ、そろそろ色が剥げてきて
みすぼらしい感じになってきたので、
お手入れお願いします。」
30年以上経った製品でも
使い込んだ感じがなかなか良いのですが、
人によっては
色擦れはちょっと…と思われる方は、
メンテナンスに出していただくことを
お薦めします。
1~4枚目のお写真がメンテナンス前です。
色擦れするのはやはり、バッグの角と
ショルダー紐や飾りベルトの端、
細かい部分の端、です。
当店の製品仕上げは「みがき仕上げ」。
革の端を数種類のサンドペーパーでみがき、
染料を掛け、ふのりをつけてみがきます。
その工程を何度かした後
最後に蝋で固めるのですが、
使っていって擦れてきますと
だんだんと色も薄れていきます。
そんな時にはメンテナンス。
5~8枚目のお写真に写った
ベルトの端、引手の端、など端々をご覧ください。
こうしたメンテナンスの時は
オイルメンテナンスも併せて行っています。
少し時間を置いては
少しずつオイルを入れていきます。
通常の製品もそうですが、
時間が経った製品に関しても、
いきなりたくさんのオイルを
入れることはしません。
丁寧に、少しずつ入れていきますから、
メンテナンス時のお時間は
できるのであれば、ひと月くらいいただきます。
ツヤツヤとして
端々にしっかり色がついて
みがき直した製品は、
まるで宝石のようです。
この天然の輝きは、
使った人にだけ見せてくれる輝きです。
可愛がってあげればあげるほど
輝きは増していきます。
現在の社会情勢では、こうした品質の革を
作りにくい状況になっています。
気になる方は
この革がこの品質で作られなくなる前に、
一度使ってみてください。
次回は、どうしてこの革が
だんだんと作りにくくなっていくのかを
お書きしたいと思います。