2024.03.1
外に小銭入れの付いた札バサミ 31103
たまには同じ注文が入るといいのに…
など言いつつも、
毎回毎回違うものばかりを
嬉々として製作している
オーソドキシーチームは、
退屈が大嫌い。
謎を解き明かすのが大好きです。
そういう性格でないと、
フルオーダーメイドの技術者は
務まりません。
毎日毎日同じものを作っていたら、
きっと全員辞めてしまうでしょう。
そういう意味でも、
革製品のフルオーダーメイド製作は
とてもエキサイティングな仕事です。
スーツや靴、ワイシャツなど、
ワンアイテムだけのオーダーであれば
細部は違っても、基本は同じ作り方です。
中に入るものの形はひとつ。
しかし「革製品」は「ジャンル名」であり、
中に入れる中身が違う
たくさんの種類のアイテムから
成り立っています。したがって
製作方法がまったく違うアイテムを
様々なバリエーションで作る必要が出てきます。
だから、毎回がチャレンジ。
事前には想像できなかった
「あっ!」という落とし穴は多々ありますし
世の中に存在しないものを作ることには、
おそるべき困難がともないます。
見本があったとしても、変更があることで
まったく違う製作方法になったり、
直感的にできそう、できなさそう、という
見立ても必要で、
その直感がほぼ正しく働くようにするには、
空の星の数ほど
経験を積まねばなりません。
このお財布はとても美しくできました。
こちらのクライアントは
見本をお持ちくださったのですが、
どなたからのご希望であっても
「見本と同じで」というご依頼内容には
その方が何を「同じ」と感じているのか、
という主観が入ってしまいます。
お渡しの時、喜んでいただけて幸いでした。
こうしてあらためてお写真見ますと、
きれいにできたなあ、と思います。
わたしたちもこんな風に思えるご注文を
ありがとうございました。
これをお作りする時も、製作方は
たくさんのディスカッションをしています。
シンプルな製品ですが、
ディスカッションと思考のたまものです。
長くお楽しみいただけることを
心より願っております。