革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2024.12.30

「タンニンストーリー」を持つ内装素材

さて、新店舗に使う

具体的な素材のご紹介です。

「タンニンストーリー」を持つ素材たち。

 

お店は、みなさまの五感を刺激する

クリエイティブな空間にしますが、

アトリエはシンプルな空間のまま

特に何もしませんで、

必要なものが静かに置かれたイメージです。

 

 

 

*まだ途中ですが、全体はこんな感じ。

 

 

お店が引き渡された時は

通常のスケルトン状態

(壁も床も天井もコンクリート仕上げ)

ですから、床もコンクリートで

カーペットが敷かれているだけです。

 

何もないところへ

必要に応じて使える空間を生み出し、

さらにステキな空間に仕上げていくのは

大変なことと思います。

 

 

 

 

 

 

さて

まず最初のタンニンストーリーは、

床の木材にあります。

 

店舗はアカシア(ミモザ)で

アトリエはウォールナット(栗)

(上のお写真の右、左です)。どちらも

革を鞣すタンニンのメイン素材です。

床の木材から抽出したタンニンによって

当店オリジナル牛革は鞣されています。

 

床を見るたび、

革の鞣しへと想像力が発動しそうです。

 

店舗をアカシアにした理由は単純で、

土足で行き来する場所に対して

この木材の仕上げ加工の方法が

それに向いているからです。

 

こういうことも、プロから

教わらないとわからないこと。

 

素材をよく知るプロフェッショナルは、

失敗を防いでくれます。

 

 

 

 

 

 

革を鞣すタンニンにはもうひとつの

素材の木があって、

それは「ケブラッチョ」という名前です。

 

ケブラッチョは南米の木で、

以前は日本にも

木材として入っていたそうですが、

今はもうほとんど在庫もないようです。

とにかく硬く、水に沈む木!で、

名前のごとく「斧をこわす」木だそうです。

 

タンニンを抽出できる木は

どれも硬いことが特徴ですが、

ケブラッチョはけた外れの硬さ。

みっちりとした質感で、

重量ある木材です。

建築士がこの見本木片をくれましたので、

ご覧になりたい方にはお見せできます。

 

 

 

 

 

さて、どんな空間にもあるのが

床と壁と天井です。

 

壁のタンニンストーリーは、

手漉きの和紙に施された漆塗りです。

本物の木、本物の和紙、そして漆。

 

建築士が薦めてくださったのは、

ほんものに相応しい、本物の素材でした。

 

高名な方にお願いすると嬉しいのは、

うまく運べば、高品質の素材を

安価にお入れくださること。

 

そんなご縁から、棚の上板にも

天然の大理石が使えることになりました。

まさに本物素材の結集です。

ありがとうございます。

 

私たちのやっている仕事を

正しく理解してくださってのご提案は

とても嬉しいです。

 

 

 

*漆塗りの手漉き和紙とスエード調合皮。

 

 

 

上のお写真の一番右の深いネイビーは、

ヨーロッパで高級車の内装に使われている

スエード調の合皮。

彼らは内装で脱革を目指していますから

何とも微妙な選択ですが、

その彼らが選んだ素材を天井に使います。

 

時代の移り変わりの最先端も

お店の中に取り入れ、

だからこそ、古来からの伝統製法で鞣した

当店オリジナル牛革を意識していただこう、

という気持ちです。

 

 

 

 

 

 

そして前出の大理石は、

お写真の上の2枚です。どちらを使うでしょう?

この素材なら

棚の上に鉢植えを置いても大丈夫です。

 

その下の5色の板はアラバスターといい、

今では採掘を禁止されている素材なので、

これが貴重な、ほとんど最後の材料です。

 

厚いアラバスターは

とっくに無くなってしまったので、

薄くスライスして加工したこの加工品なら

まだ素材として流通しているとのこと。

これから先、このような素材さえも

市場から無くなるでしょう。

これをどこに使うかは…秘密です。

 

力量のあるコンサルタントは、

注文者本人では気づかないことに

気づかせてくれます。

 

そしてまったく違う視点も持ち、

新しい世界を運んでくれます。

実際にどんな店舗になるのか、

どうぞお楽しみに!

 

 

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