実際のオーダー例
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薄く、かさばらないカード入れ 20406
2022/06/09
長保ちするけれども
薄くてかさばらないカード入れを、
というご希望でお作りしたオーダー品を
ご紹介します。
当初、パタパタする
本のページのようなカード入れを
さらに真ん中につけようか?と
ご検討なさっていたクライアント。
でも
全部で何枚のカードを持っているか、
数え直してみたところ、
両側だけの枚数で足りそうだったので
このシンプルな作りとなりました。
こうした確認は
オーダーする時には必須の確認内容です。
全体を薄くするために、
内側素材はヌメ型押し(サニー)を
ご提案しています。
当店特製牛革の表革と裏地用革の違いは、
革の厚みと表面加工。
表革は、表面をナチュラルに残して
厚みは適度にしてふっくらさせていますが、
裏地用革は、薄くても強度を持たせるよう、
ビシっと型押しして
極限まで薄く漉いていますから、
内側をこの素材にすることで
薄くて丈夫、という要求に適います。
元が同じ革を加工して
表革、裏地用革としていますので、
出来上がったお品物の品質は
他にはない高品質になります。
まず、このような素材を
裏地として使っている製品はないでしょう。
なぜ当店のような
小さなお店がそれをできるかというと、
それは「お店の規模が小さく、
自店で、1点1点製品製作をするため、
たくさん作ることができないから」です。
おもしろいですね。
裏地用革には、表革としては
キズが多くて使えない革を
加工して使っています。
エコな素材の代表格と言えましょう。
この素材を内側に使うことで
価格の方も抑えることができました。
どうぞ末永くご愛用ください。
このたびはありがとうございました。
素材が重要か、製作技術が重要か…
2022/06/07
アトリエでおもしろい話が出ました。
その日は研修で
技術者たちはみな、取引先の
高品質なエキゾチックレザー専門店を
お訪ねしていました。
「さすがにきれいな革ばかりでした。
時代でしょうね、あんな多色展開なんですね。
カラフルな色は、やはり人目を惹きます。」
*クリアカラーのクロコダイル革
「オーナーはエイの革がお好きだそうで…
それも特別なエイのものが。
見せてもらったお財布の革は、さすがに
あまり見たことのない、うつくしい柄でした。
その財布を拝見した時
すごくおもしろいな、と思ったのは、
メーカーさんに作ってもらったという
そのお財布が、
革の存在感がすごく良いのにもかかわらず
安っぽく見えたことです。
*エイの革(当店では加工しません)
最近もっとも入手困難の革は、
ゾウ革とコードバンでしょうか。
久しぶりに工場生産の財布を見ましたが、
量産品の作り方って
どうしてみんな同じに見えるんでしょう?
高価な、あんなにすばらしい革を使ってるのに。」
それを聞いていたデザイナーが
「あ、それは別の例でもあります。
量産品用の革を使うと、
うちで1本だけで作っても量産品に見えるの、
デパートの平場に置いてあるイメージというか。
それはそれはがっかりしました。」
と答えたことで、
侃侃諤諤の議論となりました。結論は、
「まず、素材なんですね!
でも、製作方法も外せない要素ということ。
良かったです!うちは両方大丈夫です、
うちだけのベーシック色の特別革もあるし、
ヨーロッパの色革もありますし。」
*カーフのカラフルなフランスの革
自社ブランドの特別革はデザイナー自らが
つねに品質管理をしていますから、
大きな問題が起こることはありません。
しかし、色革は違います。
外部の製作革を購入しているからです。
日本は、革を消費する国=量産の多い国
ではありません、それで昔は
「ハイブランドと同じ革工場の革」
という謳い文句で売られている高額な革でも、
ずいぶんと劣る品質の革が結構ありました。
*つい先日入手できた
すばらしいゾウ革のネイビー
こんな品質はいま、めったにお目にかかれません。
また日本製の革ですと、むかしは
きれいな色のものは劣化が激しかったため、
「何年かすると褪色すると思いますが、
それでもよろしいですか?」
とご説明してからご注文を受けていました。
何とかならないか、といつも願っていました。
もちろん今は、日本でもすばらしい革を
作ることができるようになっていますから、
店頭でご紹介する革は
どこの革であってもまず間違いありません。
*姫路製のステア牛の革
革の原産国はブラジルで
ドイツのボックスカーフ製法をアレンジ
今回の技術者たちのその表現に、
デザイナーはとても喜んでいます。
というのは、量産品とオーダー品との
言葉にはできない、
しかし明確な雰囲気の違いを、
きちんと目で理解できていたからです。
骨董屋さんが、跡継ぎを育てようと思ったら
その人には一流の品物しか見せない、
と聞きますが、当アトリエで
常に良い素材を使い、
きちんとした作り方をすることで、
そうした「モノを見分ける目」が育つことが
実証されたようなものだからです。
「良いものに接する」ことを
毎日使うもの、身に付けるもので実行すると、
「良いものを見分ける目」は
いつの間にか育ってくれます。
ひとそれぞれの「当たり前」は
そういう意味を持っています。
誰もが同じ「当たり前」はありません。
「見分ける目」を持つことができれば、
自分が買う品物についての正しい価値判断も
同様にすることができます。
お買い物は本来、楽しくて
便利で気分の良い生活をもたらしてくれる
ステキな行為です。
驚くほどたくさんカードが入る札ばさみ
2022/06/05
前回この欄でご紹介した
カード入れのダミー、
本編はこのように出来上がりました。
全体の形は札ばさみです。
今回が4代目の札ばさみですが、
今まで作っていただいた財布には
とにかくカードがたくさん入っていましたから、
そのカードを
最初から無理なく収めることが、
今回の最重要ミッションでした。
上と下のお写真では、
出来上がったばかりのお品の
片側ポケットに
必要枚数のカードを入れたところdせう。
入れたカードは、
普通に使っていただけば
落ちることはありません。
よほど考えてお作りしませんと、
このようにぴったりとお作りするのは
難易度の高いことです。
カードをたくさん入れたうえで、
お札が10枚ほど入る設定にしています。
市販品と違って、
当店フルオーダーであれば
使う人の使い方に合わせて設定しますから、
しっくりと、気持ち良く使えます。
この欄で最後にご紹介するのは、
20年近きにわたって進化し続けた
クライアントの3代の札ばさみです。
おもしろいことに
一番古くて一番シンプルなものは
定番から一部変更したお財布で、
あまり使われていません。
向かって左から1代目→3代目、です。
一番右の3代目は
もっとも頻繁にお使いくださいました。
それなので、他のふたつと
同じ大きさでお作りしているにも関わらず、
最小のサイズになりました。
使っていくと、革小物は
たいてい小さくなっていきます。
不思議です。
このことをお話しますと、
たいていの方は
反対かと思っていました、とおっしゃいます。
このたびの4代目は
「そろそろこれを
人生の最後まで持とうと思っています。」
とのことですが、
とにかく、まずうまくお役に立つことを
心から願っております。
長きに渡ってご研究いただき
ありがとうございます。
使っていって何か起こりましたら、
いつでもご相談ください。
トートバッグタイプのビジネスバッグ 202
2022/06/03
お写真で見ていただくと
これ以上ないくらいシンプルデザインの
このバッグは、
汗と涙の結晶です!
美意識の高いクライアントと
長時間お話しして、この形になりました。
お話の最初では
欲しいと思っている形は茫洋としていましたが、
だんだんとそれが焦点を結んでいく感じで、
それをとても愉しんでくださいました。
お友達がご一緒だったので、要所要所で
クライアント自身が客観的に見られない部分を
うまく補ってくださり、
「ああ、それはあなたの好きなタイプですね。」
というジャッジをしてくださいました。
誰しも
なかなか自分のことは見えなくなるので、
ボヤ~っとして姿の見えない買い物の場合、
あなたのことをよく知る人を
お連れくださるのは、大きな助けになります。
聞き取りしつつデザイン画を描きながら
デザイナーは、
「そういえばこの形って、
昔はハンドポーチによくある形でした。
でも、そのポーチをこんなに大きくして
まさかブリーフケースにしようなんて
考えたこともありませんでした。
このタイプは、今まで見たことありません。」
といいつつ、製作に問題なし、と
技術者との打ち合わせで
答えをお出ししましたが、これには
大きな落とし穴がありました…
今回の革は、エルメス社で使っている
フランスの革です。
格の高い革ですから、
多少カジュアルなデザインであっても
きっちりとした印象を出してくれます。
ましてや、黒。
金具は最小限にして、
バッグの口を覆うファスナーは、
外側からは
あまり見えない作りにしています。
デザインのポイントは「持ち手の金具」です。
漆黒の四角いラインから
シルバーカラーの四角い金具が
きちっと見えてくれるようにしています。
が、これが問題でした。
型紙を作り
サイズを確認しながら本番に進んでいくと、
当初の予定通りのファスナーの付け方にすると、
持ち手を付けることで
ファスナーが開けにくくなってしまいます。
クライアントは
ファスナーの付け方にこだわりがあったので、
それを尊重する形で
違う作り方にして、開けやすくするご提案を
しました。
こういう場合、
ご注文者のこだわりがどこにあるか?
によって、ご提案内容が変わります。
今回は、持ち手の間隔と長さを
本番製品を途中まで作ったところで
お見せして、決めていただく、
という念の入れようなので、
イメージが変わらないよう、
再度ご覧いただきました。
そして実際に触っていただくことで、
このような変更をしないことには
使い勝手が悪いこと、
変更をしたとしても
イメージに変わりなくできること、を
ご確認いただきました。
まさにご注文者との二人三脚の
コラボレーションです。
きりっとしたクライアントに
とてもお似合いの
ビジネスバッグになりました。
何度もおいでいただき大変だったと思いますが、
おかげさまで
とてもきれいなバッグに仕上がりました。
長くお使いいただけますよう、願っております。
このたびはありがとうございました。
ご夫妻でお揃いの社員証入れ 204
2022/06/01
クライアントご夫妻に
お揃いの社員証入れをご注文いただきました。
でもまったくのお揃いではなく、
お色も形も少しずつ違うもので
そこはかとなくお揃い感のあるタイプ。
「いろいろなお店を探したのですが、
気に入ったものが無くて…
それでこちらに入りました。」
なんと、オーダーできるから
おいでくださったのではなく、
社員証を探して、その結果
ウェブで探して当店へ来てくださいました。
とても珍しいケースです。
「この写真証入れはステキです。
あ、オーダーができるんですか。」
店頭にある社員証入れをご覧になったので、
オーダーシステムをお話ししました。
この形は定番ですが、
じつは最初の時よりも
デザインをもっとデリケートにしています。
どこが違うかと言うと、
正面カード入れにある窓の四角です。
定番よりも少し丸くして、
社員証を入れる時
角の引っ掛かりがないようにしました。
細かい話ですが、
こういうマイナーチェンジのひとつ一つが
製品全体の印象をかなり変えて、
デリケートでうつくしい印象を与えます。
糸の色、ステッチの幅、縫い代の幅…
こういったディテールすべてが
全体のイメージを作っていきますが、
製作上、ここで気を付けたいことは
「ディテールにこだわりすぎないこと」。
製作者たちの中には、
「ある部分」だけに
注力する人は、多いかもしれません。
でもそれは
全体のバランスを見ながらでないと
空回りして、
せっかくの努力も効果が得られなくなります。
当店では
「う~ん、もうひとつ!」と思う定番でも、
骨子が良いものは
ディテールを変えてさらに進歩させています。
今回のこの変更は
やっと日の目を見ることができました。
当店を偶然見つけてくださって、
ありがとうございました。


























