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時にリュックにもできる3wayのショルダーバッグ 507N

時にリュックにもできる3wayのショルダーバッグ 507N

2025/09/07

 

今年は大作の多い年だと思います。

メールでお写真が送られてきました。

「こんなバッグを作れますか?」

 

あるメーカーのバッグだそうですが、

「もう売ってないんです。それと、

良い素材で欲しいです。」とのご希望。

 

 

 

 

 

販売しなくなって久しいようなので

ブランド名を伺って

ネットでお探しすると、

フリーマーケットに全体像を見られる

ページがありました。

 

それでも作り手にとって

知りたい部分すべてが

載っているわけではありません。

 

 

 

 

 

なるほどなるほど…と解読し、

製作可能であることをご連絡してから

ご来店いただきました。

 

「この形は、リュックにすると

かなり形が崩れると思いますから、

あまりリュックにするのは

お薦めできませんが。」

とご説明しますと、

それではリュックにするのは

控えます、ということで

リュック紐を付けられるように

細工をしました。

 

 

 

 

 

オリジナルの持ち手は

もう少し短めでしたが、

荷物量が多く、重くなるので

肩掛けできる長さをご希望です。

 

そうするとリュックにする時、多少

邪魔になりますよ、とご説明します。

当店ではご相談時、

あらかじめわかることであれば

デザイナーが事前にお話しします。

 

 

 

 

 

このリュックでまず

製作の可否に大きく関係したのは、

ファスナーで閉じる口元です。

 

というのは、開け口に

四角い金具が入っているからです。

ですから

材料としての金具が必要なので、

製作用の金具が入手できるかを

まず最初にお調べします。

 

こちらは幸いなことに、

材料金具が売られていました。

 

 

 

*PCの入るポケットは
使って行くうち落ち着いてきます。

 

 

この金具は

ダレスバッグの金具と同様

口がパカっと大きく開くので、

中身がどう入っているか

ひと目でわかりますし、

モノの取り出しもしやすいです。

 

実際の金具が届くと、

ダレス金具を知っている者にとって

驚くような仕組みの金具でした。

 

 

 

 

 

「A4PCが入るサイズ」という

ご希望がありましたから

そのようなサイズ選びをしましたが、

ぎりぎり入るサイズの金具で、

もう一つ上のサイズですと

かなり大きくなることもあり、

ぎりぎりサイズをお選びしました。

 

 

 

 

 

またこちらには、

キャリーバッグにセットできるよう

ループをお付けしましたが、

それを使わない時は

ポケットとして使えるように、

底をファスナーにしています。

 

このファスナーの付け方は、

リュックにする時

洋服を傷つけないような

付け方をお選びしています。

 

細かいことですが、

このようなオーダー品を

お持ちになる方が

どのような衣装を纏うかを

想像しますと、自然と

選択肢は狭くなっていきます。

 

 

 

 

 

この現物は見たことありませんが、

柔らかい素材を使っていますから、

モノが入っていないとおそらく

ぐずぐずな形になると思います。

 

しかし、

今回のクライアントとお会いしますと

そんなものをお持ちいただくわけには

いきません。

柔らかくなる革であっても

ある程度形が取れて自立するように

仕立てています。

 

お受け取りの時、

すぐにそのままお持ちくださった

クラアイトの笑顔が

忘れられません。

長くご愛用いただけることを

心より願っています。

このたびはありがとうございました。

 

 

 

デザイン性と丈夫さを併せ持つ、世界でただ一つの革財布のためのパーツ

デザイン性と丈夫さを併せ持つ、世界でただ一つの革財布のためのパーツ

2025/09/05

 

量産品製造の現場ではありえない

当店独自の製法の中に、

「革パーツの採り方」があります。

 

革製品にはそれぞれ、

縫い合わせる前のパーツがあります。

 

当店ではそのパーツを、

1枚の革のどこでどの方向で採れば

丈夫、かつ良い柄で採れるか、

ということを

一つひとつの製品に対して

吟味してから製作に入ります。

 

これが

量産品の製作現場にあり得ない、

製作者の革の目を見る技術と

美意識とを使う、技術製法です。

 

 

 

 

 

上の写真のイタリアンレザーには

型押しの方向があり、

その型押しの柄が不規則なことと

色のグラデーションも

一定でないことから、

 

柄の場所によって、

出来上がる製品イメージは

かなり変わります。

 

当店ではどんなお品でも、

製品デザインによって

柄や色の出る場所を考えて

パーツを取り、完成させます。

 

 

 

 

 

それで今回は1枚目の写真のように

革の真ん中から
大きなパーツを取ったオーダー品も

ありますし、

 

また3枚目のお写真のように、

ジーヴズの革に合わせて

ハートのモチーフを付けたい、

という比較的小さなパーツに対しても

その美意識を生かします。

 

どれもその形にとって

最高に効果の高い柄を選びます。

 

 

 

 

 

場所によってかなり違う色と柄なので

小さなものほど、

実際に革を取ってみてから

選ぶことになるものもあります。

 

でもこうして余分な数を取ってみても、

選びきれない時があります。

そんな時は一晩寝かせて

翌朝見ますと、案外決まります。

 

どんな小さなものにも

「美」という魂を入れたい

当店の製作方法です。

 

 

 

最後のトスカーナレザーと藍染めクロコダイルの札ばさみ財布 2507N

最後のトスカーナレザーと藍染めクロコダイルの札ばさみ財布 2507N

2025/09/04

 

ブルーのお好きなクライアントに

お作りした札ばさみのご紹介です。

 

札ばさみといいましても、

これはもうコンパクト財布です。

以前ご紹介した札ばさみタイプ

コンパクト財布もご覧ください。

 

 

 

 

 

こちらはイタリア革のトスカーナ製、

最後の1枚をお選びいただきました。

ブルーのお色と型押しの型が

バランス良い革です。

これが廃版になるとは、

なんと残念なことでしょう。

*バッグをひとつ作れる大きさは
まだあります。

 

札入れ部分を閉じているベルトと

小銭入れのホックのカバー革は、

何の革だと思いますか?
これは藍染めのクロコダイルです。
こちらがこの革の説明

 

 

 

 

 

 

内側は

カード入れ6枚のシンプルな形で、

真ん中に札ばさみ金具があります。

札は20枚ほどは入れられます。

 

カード入れの下にもポケットがあり

これは結構有効に使えます。

 

 

 

 

 

上のお写真は閉じた時の正面で、

この面にもカードが2枚入ります。

本体を開かずに

一番よく使うカードを

出し入れすることができるのは、

大変良いことと思います。

 

 

札入れ部分を閉じているこの面の

藍染めクロコダイルのベルトが、

きりっとデザインを引き締めます。

 

 

 

 

 

裏面にある箱型小銭入れは

パカっと開きますから、

見やすく、取り出しやすいです。

 

先にご紹介した札ばさみも

優秀なレイアウトでしたが、

こちらも甲乙つけがたい

理にかなったレイアウトです。

当店のクライアントの発想には

すばらしいものが多いです。

 

使う人が考えるからこそ、

このような優れた案が出てきます。

 

 

 

 

 

右利き用なので、左手にタテに持って

右手で出し入れするのが

札ばさみの使い方ですが、

 

ご紹介しているオーダー品のように

お作りしますと、

コンパクト財布としても

優秀な出来上がりとなります。

 

キャッシュレスの進む中であっても

現金を持たずに済ませることは

できませんから、

悩んでいらっしゃる方こそ

どうぞ当店オーダー例を

ご覧になってください。

 

より快適な生活へ…

 

みなさまのお役に立つオーダー例を

なるべくたくさん、こちらで

ご紹介したいと思います。

 

この度のご注文も

ありがとうございました。

 

 

 

 

リュックの脇ポケットにぴったりのマスクケース 50801

リュックの脇ポケットにぴったりのマスクケース 50801

2025/09/02

 

日々の「快適」を求めて

当店においでくださるクライアントが

久しぶりにご注文くださったのは、

「マスクケース」。

 

しかも、いつもお持ちのリュックの

脇ポケットにぴったり収まって、

パッと取り出しやすいくらい

マスクの一包が出ているケースです。

 

 

 

 

 

 

「これくらいの量入れます。」と、

ご来店時に

リュックのポケットに入っていた

マスクをど~んと置いて行かれました。

 

具体的なリクエストをいただきますと、

えっ!?という出来上がりの形です。

 

なぜなら、それは硬い箱の形をして、

そのうちの1面の面の長さが

すっぱりと短くなっているからです。

 

 

 

 

 

上記の説明ではわかりにくいでしょうか。

イメージしづらいかもしれませんから

あらためてご説明を試みましょう。さて

 

この方のご希望品は、

もしプラスチック成形で作るのなら

それが一番向いている作り方です。

ミシンを使って縫うことで

立体を作っていく革製品では

話が変わる、ということです。

これでいかがでしょう?

 

 

 

 

 

「そういえばこの方は、

箱タイプお好きだわ」とデザイナーは
どう作るかを製作責任者と

その場で相談しました。

 

その結果できたのが、このお品。
見事にすっぱりと面を短くしています。

 

「こういうのが欲しかったから、

ちゃんとできてよかった。

なんか難しそうでしたからね。」

 

件のリュックの

ポケットに入れてもらいましたら、

硬い面がうまく

ポケットの上部ファスナーに引っかかって

マスクだけを取り出せます。

これは怪我の功名。

 

 

 

 

 

いつも当店が

一回できっちりお作りできることを

褒めてくださる方なので、

今回もうまくいって良かったです。

 

「贅沢な快適グッズですね。」

などとデザイナーは言っていますが、

お仕事で神経を使うこの方にとって、

自分が使うものを

ストレスなく使えることは、かなり

お仕事にプラスになるご様子です。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 

20年以上お使いいただいた超整理手帳の修理 250704

20年以上お使いいただいた超整理手帳の修理 250704

2025/09/01

 

2002年くらいに

数量限定販売したメッシュカバーを

ずっと使ってくださったご依頼者。

 

修理依頼のメールを頂戴して、

「まさか、あれ?」と

驚いたデザイナーの顔を思い出します。

 

 

 

*20年以上前の超整理手帳カバー

 

 

当時一時的にお付き合いのあった

栃木レザー(株)とは違う革屋さんが

「メッシュできますよ。」と

売り込みをしてきたことが

きっかけになりました。

「超整理手帳カバー」の新年版に

何か目新しいものを、と思っていた

矢先のことでした。

 

作ってもらったメッシュは数量限定で、

初めてメッシュ素材の扱いに対面し

どうやって料理しようか…と

思い悩んだことが印象に残っています。

 

 

 

*経年変化のきれいなメッシュ

 

 

というのは、

端がバラバラになっているメッシュの

コバをどう仕上げをしようか、

がテーマになったからです。

 

この時は、外側と同じ素材を

内側に使うときれいだから

という理由で、

同じ革屋さんの革を頼みました。

 

 

 

*コバ仕上げはみがきではなく、
この時は量産仕様のトリミング方式

 

 

*修理前:トリミングの寿命は
みがきより短く、修理もできない。

 

 

中と外の色が同じでも、

素材感が違うと

違和感を感じることがありますが、

それは当たり前のことです。

 

でも、たとえ異素材同士であっても

うまくバランスが取れて

うつくしく収まるものもあります。

それが、

デザイナーを要する意味のひとつ。

 

 

 

*パネリング方法での修理後

 

 

話を元に戻しますと

メッシュ製品の場合、

今回の修理で使ったパネリングの

方式で作る方がベターですが、

これにかかる材料と手間を考えますと、

量産では

なかなかこの方法に決定できません。

 

材料費の面と

みがきにかかる時間の面を鑑みると、

どうしても従来の方法の方が

適しています。

 

ですから、

量産には量産に向いた仕上げ方がある

と改めて認識した、

トリミング方式仕上げをしました。

 

 

 

*内側はそのまま使った修理後

 

 

販売時に、それをご説明し、

修理は難しい旨お書きした用紙を

入れておきましたが、

この方は2代目のご愛用者でしたから、

それをご存じなく

お持ち込みくださったという経緯でした。

長らくのご愛用ありがとうございます。

 

 

 

*こんなにきれいになりました

 

 

当店のオーダー製品を修理しますと、

ほんとに革は長保ちする素材だと

認識します。

 

このカバーもまだ

10年以上使えることでしょう。

 

カバーは完全にバラバラにして、

パネリングしたメッシュに

内側をそのまま合わせています。

 

 

 

*今回のコバはみがき仕上げ

 

 

*見事な修理後

 

 

もちろん革の保ちも良いですし

みがき仕上げも長保ちする製法です。

しかし

長くお使いいただくにあたって

それ以上に大きな要素は、

「大切にご愛用くださること」です。

 

当店オリジナルレザーの小物の場合

それは、

使用中に手でなでる、という

それだけのことですから、

難しいことはありません。

 

こちらの持ち主は、今度は

もうひとつのカバーと

ローテーションして

もっと長保ちさせよう、という

お気持ちをお知らせくださいました。

 

次にまたお目にかかるのを

楽しみにしています。

修理をありがとうございました。

 

 

 

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