実際のオーダー例
40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。
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美しい長財布のフルオーダー
2015/04/06プロの音楽家のお客様をご紹介します。
世界中を演奏旅行で旅していらっしゃいます。
夢のような生活を送っていらっしゃいますが
「長財布が欲しいんです。
シンプルなものが良いのですが、
なかなかそういうものを見つけられなくて。」
美しいベージュの型押しでお作りしたのが
一見お財布とはわからないほどシンプルな長財布。
ご希望がはっきりしていらっしゃいましたので
驚くほど早いお時間でご相談がすみました。
お名前をお入れして完成でしたが、
あまりの美しい出来上がりに
作ったこちらも見とれてしまいました。
複雑なご注文が多いなか、
素直に革の良さを出すことのできる
シンプルなお品には、ほっといたします。
今ごろお役に立っていることを
心からお祈りしています。
レビューをお出しいただきまして
ありがとうございます。感謝しております。
革鞄のケア、可能なこと・不可能なこと
2015/04/03昨日 革のことをお書きしましたが、
たまたま今日はお客様から
8年前にお作りしたバッグの修理をいただいたので
それについて書いてみます。
「雨に濡れてシミになってしまったので
近所にあった革のお手入れ屋さんに持ってたんです。
そしたら、こんなひび割れを作られちゃって。」
拝見すると、驚くほどお粗末な仕上げでしたから
いったいどんなところで、
何とご依頼なさったのかを伺いました。
「オーダー品だということは話したんですが、
あまりそれには関心がなかったみたいです。
取りに行ったら、こんなひび割れがあるのに
まったく普通の調子で
”これが出来上がりです。”と言って渡され、
びっくりしました。」
大写しにしたのが下のお写真ですが、
正直、革に色をかける、ということは
余程のことがない限り、こういった加工を意味します。
おそらくシンナー系の顔料を
革の上から吹き付ける加工なのですが、
ほとんどの場合、1~2回使うと
このようにひび割れてしまいます。
今回は、出来上がり時に
すでにひび割れていたようですが。
私は仕事柄、何度も
こうなってしまったバッグを見ています。
「8年前にプレゼントとして、
主人のために、こちらでオーダーしたものなので
直ぐに修理に持って行きました。
お店の表に出ているサンプルのように仕上がるのかしら
と思っていたら、まったく違っていて…
大切に使っていたので、がっかりしました。」
私どもにお持ちいただければ良かったのですが、
アナウンスが行き届いてなかったようです。
大変申し訳ありませんでした。
顔料を吹きつけられた部分の革は
もう死んでいる、と言ってよく、
対応策としては
パーツの取り替えをすることにしました。
当店でお作りした製品に何かがあった時には
すぐにご相談ください。
皆様にあらためてお知らせしますが、
「革を染め直すことは不可能」です。
可能なこと、不可能なことを
正しくお教えすることはとても大事なこと。
真剣に取り組んでいるプロにしか
できないことです。
巷にある革の修理屋さんに関しては
宣伝用のディスプレイ品に惑わされないよう、
ご注意いただきたいと思います。
革の仕上がりのバラつきはなぜ起こる?
2015/04/01今日は、革について書いてみようと思います。
革一枚一枚の
出来上がりのバラつきについて
たまたまお客様からお尋ねいただきました。
当店で使っている革は、
原皮が北米などから日本に輸入され
それを国内で鞣して
染色しているものがほとんど。
牛でも豚でもリザードでもなんでもいいですが、
革の出来上がりがバラつくのには
いろいろな理由があります。
ちなみに当店では、1枚の革の中でも
なるべく肌理の揃った部分を使って
パーツを取る努力をしています。
上のお写真は
シュリンク(自然にシワの寄る薬剤を使った鞣し方)
の革の、きれいな部分を使った長財布です。
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1.原皮のバラつきによる、キズや肌理の違い
まずひとつの原因は、
1頭1頭の個体差、これに尽きます。
家畜とはいえ、外で生活をしていますから
彼らの表面のキズは、それぞれまったく異なります。
下のお写真は、とても質のいい部分にある
痛恨のキズ!
また、肌理の細かいものもいれば
粗いものもいるのは、自然の道理です。
1枚の革の中でも、場所によって肌理は違います。
下のお写真をご覧ください。
キップやカーフなどの若い牛が喜ばれるのは、
人の肌と同じで
若い方が肌の肌理が細かく、柔らかいから。
その分キズはつきやすいので
気をつけて使う必要はありますが。
2.色の違い
革の色の出具合は
それぞれのロットによって、変わってきます。
ロットと言うのは
一回で作る枚数の「ひとまとめ」を指す言葉。
例えば当店のタシですと
10~15枚が1ロットで作られます。
色の配合が同じなのに、
ひとつひとつのロットによって色が違ってくるのは
とても不思議、と思われるかもしれません。
しかし、計算し尽くせない気温や湿度の取り合わせや
日々、また季節によってコンディションが変化する水や油
などなど、すべての環境が同じ日は一日とてありませんから
厳密に考えれば、それは当然のことと言えます。
同じ染色材を、同じ容量の同混合溶剤で溶いて、
ストップウォッチを使ったり
タイコを回す回転率と回数を同じにしたとしても、
やっぱり毎回、色の出方は違ってしまいます。
そういう意味で言いますと、革という素材との遭遇は、
まさに一期一会、と言えるかもしれません。
ご自分の好きな色に出会ったら
お求めになるといいと思います。
また、革の表面を覆ってしまう加工を施すならば
おそらく、ほぼ同じ色を出すことはできますが、
そうした加工をしないで作られた
本来の革らしさを持った革においては
完全に同じ色を作ることができない、
ということを、ぜひお見知り置きください。
どの革がいいとか悪い、ということではありません。
自分が革という素材に何を求めているのか
きちんと理解して頂くことが、
楽しい革ライフにつながります。
紳士用クラッチバッグのフルオーダー
2015/03/31「身の回り品をどうやって持ち運ぶか
いろいろと試してきましたが、
やっと中身も使い方もはっきりして
これかな、というのに決まってきました。」
幾つものクラッチバッグとパーツをご注文くださった
お客様は、いよいよ
最終稿をお決めになったご様子です。
「いままでいくつも作って試して
それぞれいいアプローチになっていたと思います。
持ち運ぶものは
どうしても多少変わってくるのですが、
どうやらそろそろ決まってきました。」
表向きは何の変哲もないクラッチバッグですが、
じつはこれ自体が
クラッチバッグの中身として機能します。
つまり、
裏面にお付けしたマジックテープで
さらに外回りのクラッチバッグにセットできる、
という仕掛け。
最初から
かなりはっきりとした使い方でしたので
これまでにマイナーチェンジを何回かしたのですが、
ひとつのパーツバッグに
どれだけの荷物を入れるか、というのが
課題であったご様子。
「今回は、やはりもうぴったりです。
中身を入れても余分なスペースがないので
とても気持ちが良い出来ですね。」
そういえば 毎回
オーダー例を拝見していますが、
この間の記事には、あれ?というのが
ありましたね。」
「たしか
『ブランド品と同じ値段じゃないですか』
とお客さんが言ったという、あの話です。
ブランド品の中に
今回頼んだようなバッグが存在するんなら、
こんな楽なことはありませんよ。
自分で考えて考えて、
試行錯誤する必要ありませんから。
自分の思い通りに作ってくれるんだから、
ブランド品と値段を比較するなんて
まったくナンセンスな話ですね。」
ありがとうございます。面と向かって
そう言っていただけることが殆どないので
とても嬉しいお言葉です。
このお客様とお話を続けていましたら、
おもしろいお話を伺いました。
「めいめいの人が持っているバッグを背景に
研究を進めている精神科医がいる、
という話を聞きました。
それでおもしろいのは
男性は、女性よりも余分のスペースを嫌う
らしいんですね。
ぴったりサイズが好き、ということですが。」
現場にいるデザイナーにとっては
とても合点の行く話だったようで、
「確かに男性のお客様からのご要望では
そういうご希望は群を抜いて高いですね。」
何が一番気になるポイントなのか、
気持よく使うためのコツは何なのかは、
ひとりひとりが まったく違う内容です。
それを反映させるためのフルオーダー。
量産のブランド品とは、
まったく存在の意味が違います。
各々の快適のために存在するフルオーダーは、
誰にでもできるわけではない
難しいジャンルの仕事です。
リザード、ダンデライオンカラーの長財布
2015/03/28「そろそろお財布を変えたいと思います。
明るい色の、良い物を使いたいと思いました。」
長年お付き合いのあるお客様から
こんなご相談を頂きました。
「うちの革は、作り方でお色が限定されて
どうしても地味なお色になってしまいますから、
リザードなどを使ってみませんか?」
とお見せしたところ、
「この黄色が今の気分にぴったり!」
ということでお作りした長財布。
明るいダンデライオンの黄色が
春の日差しのようにきらきらとしています。
気に入った持ち物を持つことで
「いろいろなことがあっても
眼から入ってくる色や、手触り、
革の香りなどを感じることで、気持ちが安らぎます。」
とは、最近お客様からよく伺う、嬉しいお言葉。
パッと開いたら、オッと目を引くネイビーを
内側のお色としてお選びいただきました。
ひと目見たら虜になるような組み合わせです。
「今使っているお財布も気に入ってるんだけど
まったく気分を変えて
どこにもないものを楽しみたかったんです。」
と、結果としては
現在お使いのお財布とはまったく違うものになりました。
当店のご注文で多いのは、
現在使っているものを変化させて
お客様にとってベストの使い心地を追求すること
が多いのですが、
このお客様の場合は、この対局になりました。
どこにもない色やデザインを求めて、
自分の今の気分と
持って歩く楽しみを想像なさってのご注文。
大人の女性ならではの成熟したご注文です。
「愉しみ」のためにお作りするお財布は、
いま現在、クライアントがどんなお気持ちなのかを
正しく受け取ること。
当店のオーダー品は、ひとつひとつ
まったく違うお客様のために
こころ込めてお作りしています。
























