実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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「カードたくさん札入れ」 札入れの修理&メンテナンス
2014/08/09以前お作りしたお財布を、修理でお預かりしました。
お届けしたあと、丁寧なご連絡をいただきましたので
ここにご紹介いたします。
革は、一度伸びたら元に戻らない、という性質だと
みなさまにお話ししなくては、と思ったお話です。
このお客様のご協力に、心から感謝申し上げます。
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昨日、修理の終わったお財布を受け取りました。
とてもきれいに仕上がっていて夫も非常に喜んでいました。
受け取ったその場で
仮のお財布から中身を移し替えていたくらいです。

*メンテナンス後のお財布
約2年ちょっと前に、結婚を目前に控えた
夫の誕生日プレゼントとしてオーダーした財布ですが、
今回修理をお願いするまで夫には
オーソドキシーさんのことは全く話していませんでした。
けれども、カードを入れすぎて革が伸びてしまったことで、
「そろそろ買い換えかな」などと言うので、
最低でも10年は使って欲しいと思っていた私が
ショックを受けまして(笑)。

*カード入れの伸びた状態、メンテナンス前
そこで初めてオーソドキシーさんで
オーダーしたものであること、
そんなに安くないのだと、こんこんと説教です。
その時に、ふと修理していただけるかも?と思い、
久々にご連絡差し上げたという次第でした。
今度は大事に使ってくれると思います。
また何かありましたらご相談、
もしくはオーダーさせていただきますね。
この度はありがとうございました。
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ありがとうございます。
大切に思ってくださって、ほんとうに嬉しいです。
その後、掲載の打診をしましたところ、
さらにみなさまのお役に立つ情報をいただきました。
心からの感謝を申し上げます。

*革の差し替え修理とメンテナンス後
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財布の件、一つ訂正させていただくと、
夫はお尻のポケットではなく
ズボンのサイド(前側?)のポケットに入れています。
一度、「財布をなくした」騒ぎを起こしたことがあり
(なくしたのではなく自宅に忘れただけでした)、
それ以降かばんを持ち歩くようになったのですが、
財布だけはポケットにイン、です。
でないとまたどこへ行ったか分からなくなるからと本人談。
ですから、この状態で、
なるべく長く使ってもらうしかなさそうです。
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*メンテナンス後の革のテリ
ズボンのポケットに入れる場合
どうしても汗がしみて、革の表面に油分が足りなくなってきます。
汗の成分の中でも、
塩分が革の表面に固まったりすることもあります。
ですから、どうしてもズボンのポケットに入れる場合は、
たまに水で濡らして絞ったタオルで、外側を拭いてください。
それによって、塩分を取り去ることが出来ます。
また、こまめにポケットから出して陰干しをしてください。
そのあとは、油分の補給をお忘れなく!
みなさまには、革を知って、
うまく付き合っていただければ嬉しいです。
くし型のダレスバッグ フルオーダーメイド
2014/08/07当店では、お客様のリクエストに合わせて
鞄でも小物でも、デザインをご提案します。
今日ご紹介するのは
デザインをおまかせいただいたダレスバッグ。
矩形の口金金具も
このご注文のためだけに、特別作成しました。

ある日、
カバー類をいくつかお使いいただいているお客様から
お電話をいただきました。
「自分の気に入るバッグが欲しくて・・・」
少し遠方にお住まいですが、そのあと
すぐに、ご注文のためだけにご来店くださいました。
嬉しいですね。

お話を伺いますと、ダンディなお客様だけに
ご自分が持つ鞄には、こだわりをお持ちです。
「この形の鞄が欲しいのですが、
市販ではいいものがぜんぜんなくって。
上部が丸くラウンドしているデザインがいいんです。
参考までにこのURLのデザインを見てください。」

拝見したところ、男性的なデザインで、かなり個性的。
でもそのデザインでそのまま作るとしたら、
正直使いにくそうな金具で留められています。
また、このお客様のファッションにもちょっとワイルド。
「う~ん・・・」ということで
さらに細かく聞き取りをしていきますと、やはり
大胆な中にも繊細さがないと、NGな感じがします。
今まで当店のカバーをいくつも使ってくださっていますし。

好みがはっきりしている方なので、
革の色や糸の色、矩形の口がねであること、
鞄の底に付けたい底鋲金具の形など、
ディテールのリクエストはいろいろお出しいただきました。
そこで、お好きな要素のリクエストを伺って、
あとからデザイン画をお送りすることにしました。
デザインをお出ししたのは、半月後ほど経ってから。

デザイン画は、出来上がりの比率と同じものを
縮尺してお描きします。
そして、何処に何をお入れになるのか、
そういったことがわかりやすいようにしています。
今回のデザインポイントは、インパクトを持たせること。
そのために、錠前の下にもパッチを入れたり
大きめで質量のある、持ち手のジョイントにしています。
すぐにご注文のお返事をいただきましたので、
なるべく早くお作りして
(最初のお電話からほどなくご来店でしたから
きっと早くお使いになりたいのだろう・・・と)
お届けしましたところ、
お届けの時には出張のご予定でしたから
お写真をお送りしました。

スケッチ画からお写真になり、
質感まではっきりとご覧いただいたわけですが、
とても気に入ってくださったご様子です。
「かっこいい!」という
最高のひと言をいただきました。
きっと今頃は、どんどんお使いいただいていることと思います。
世界で一点だけの、そのお客様にもっとも似合う鞄。
それをデザインしてお作りするのが、
私どもの仕事です。
二段式ペンケースのフルオーダーメイド
2014/08/05本日ご紹介するのは
一見するとポーチに見えるかと思いますが、
ペンケースです。
たまたま入荷出来たネイビーのルバル(柔らかい革)で
お作りした、二段式。
「現在使っている布のペンケースを
革で作っていただきたいんです。
すごく使いやすくて、長く使ったんですが、
さすがにそろそろ新しくしないといけないみたい。
革製が欲しいと思いました。ネイビーが好きです。」
今回は、普段はご用意ないネイビーでお作りできたので、
お客様には、とても喜んでいただきました。
本体もポケットも、マチ(厚み)が薄いこともあり、
「内縫い」(ウラの状態で縫ってから、ひっくり返す)
という方法で仕立てることになりましたが、
これは、柔らかい革でなくては作ることが出来ません。
当店ルバルは、柔らかくて軽い素材なので
こうした作り方にはぴったりです。
ルバルは、使って行くと自然に油分が出てきて、
エイジングしていく革なので、作れる色が限られています。
当店ルバルの定番カラーラインナップは
キャメル、ダークブラウン、ブラック、ワインの4色。
それ以外の色で染色することが可能かどうかは、
いくつかの条件をクリアしていることが必要になります。
今回、たまたまこのネイビーとグレーを作る条件が揃い、
エイジングするタイプの革で、
2色を作ることができました。
染色の方法によって
革には、定着しづらいお色があります。
ブルー系・レッド系は特に色が飛びやすく、
時間が経つと、どうしても色が抜けがちになります。
これは、革の特色を生かした染色方法ですと、
どうしても避けられないこと。
しかし、このネイビーは、使っているうちにエイジングしていきます
(ツヤが出て、色が深くなり、柔らかくなる、ということです)。
今回、同じタイプのグレーも、ご用意出来ました。
グレーがお好きな方は、ぜひご覧になってくださいね。
このグレーは、色の定着の悪い見本のような革なのですが、
今回の革は、美しく染まりました。
めったいないチャンスです。
さて、話を戻しましょう。
革の鞣し方については、今までメディア等で
随分と取り上げられることが多かったので、
タンニン鞣しについての知識は行き渡ってきたように感じます。
しかし、じつは革質を決める一番決定的な条件、
染色については、ほとんど語られてきませんでした。
革の染料は、自然由来のものもあれば、
人工的なものもありますし、それらの混合もあります。
大まかに言うと、それらは、
水で溶かすもの、油で溶かすもの、の2種類に分かれます。
水溶性の染料で染めたものを、「水染め」
脂溶性の染料で色づけたものを「顔料染め」と言います。
女性のファンデーションを例にして考えていただくと、
ふたつの違いがはっきりとわかります。
水染めは、お肌が呼吸できる状態に保ってくれる染め方で、
カバー力はないですが、革が呼吸できるので、
革自身が持っている油分が出て、ツヤが良くなります。
ついたキズも治っていきます。
いわゆる、革の性質を生かした革の作り方といえますが、
すっぴんのお肌がきれいでないと、
きれいに染まりません。
だから、きれいに地肌を整えた質の良い革を必要とします。
このように、 染色の前の段階から大変な方法なので、
今では、これを作っているところは、ほとんどありません。
当店の革は、おおむねこのタイプです。
顔料染めは、元の素材に
しわやシミがあろうとも、ほぼ隠せるカバー力の強い染め方。
どんな革を使っても、
カラフルな色目を、ある程度自由に、きれいに出せるのが魅力です。
そのかわり、呼吸しない(できない)革なので、
いわゆる「革らしい」エイジングをしない、変わらない革で、
キズになると、下地の白い色が出ます。
市販品のほとんどの革は、この作り方。
この知識は、どちらの革が良い、ということではなく、
TPOや目的にあった革製品をお考えいただく時、
みなさまが求めていらっしゃる理想のお品との出会いに
きっとお役に立つことと思います。
品質を見極める眼 オーダーメイドの職人について
2014/08/02お客様にお話しして、
いちばん驚かれることは何だと思いますか?
それは、「ご注文くださった○○さま(お客様)には、
今の瞬間から、当店の職人をひとり、一定期間
雇っていただくことになるんですよ。
当店では、一点一点を、ひとりの職人が
一貫製作しているんです。」という内容です。

フルオーダーメイドというものは、
まったくのゼロの状態から
完全に新しいひと品をお作りすること、ですから
型紙を作っては修正していく作業から始まり、
裁断、縫製、みがきを含む仕上げまで、
ひとりの職人で作っていく以外、
他に方法はないはずです。
ご注文に応じて毎回毎回、
本来、量産品のためであるはずの完璧なサンプル品を
たったひとつのためにお作りしている、
とご説明すれば、わかりやすいでしょうか?
ですから、流れ作業で作ることはあり得ないのです。
このご説明をすると、
ほとんどのお客様がびっくりして、感動してくれます。

先日あるお客様から、
「オーソドキシーさんも職人という言葉を使いますが、
今、職人ていう言葉は、なんだかチープですよね。
流れ作業しか出来ない人、みたいなイメージもあるし。
何か他の言葉を使ったらいかがでしょう?」
と言われました。
「う~ん、他の言葉って、逆に難しいですね。。。
本来の言葉の意味を、どんどん変えて行ってしまうのが
最近の日本語の傾向で、
職人という言葉も、その最たる言葉のひとつでしょう。
でも、職人ってやっぱり
作る人、であるし、エキスパートを指す言葉ですし。」
とお返事したのですが、
他のお客様の認識も、今の職人=工場のライン製作の人
という認識になってしまっているようです・・・
これは、とても悲しいことですが、
今は「手作り」とは言っても
大量生産の製品でもそう呼んでいるようですし、
「工場のライン製作」を募って人が集まらなければ、
「職人」募集という方が集まる、という状況であれば、
そういう人達を指して「職人」と呼ぶようになったり、
「職人」という言葉の意味が変わってくるのは
仕方ないことかも知れません。
また「ほんものの職人」という言葉もあるようですが、
そう呼ばれている人も、レベルはさまざまです。
要は、それを判断する人が、
人の噂や評価のまた聞きを当てにしないで
かならず自分の目で見て、
自分の基準を持っていれば、何も迷うことはない、
ということだと思います。
そのための一番いい方法は、
まず最初に「いいもの」を見ること。
そして「いいもの」を毎日、持つことです。
そうすれば、必ずわかります。
そして身につきます。
ちなみに、今日お写真でご紹介しているバッグは、
オーソドキシーがご提案する新作です。
リザード長財布とジーヴズのセット フルオーダーメイド
2014/07/31ご紹介するのは、めずらしいリザード革でお作りした
長財布とジーヴズのセット。
最近の話題として何度か取り上げていますが、
リザード革がなかなか入手できない状態が続いていて、
いつもの革やさんからは、もう一年近く入荷ができていません。
そんなとき、これからオーダーメイド靴を始めることになり
それが縁で、独自の革展開をしている革やさんと知り合いました。
自社ですべての皮を選んで買い取り、
鞣し会社に独自で革を作らせている、頼もしい革やさんです。
今回ご紹介するのは、そこから初めて仕入れたリザード。
もともとのトカゲの種類は一緒ですが、
その模様を生かした独特の染めをしています。
微妙な色合いで、ワイルドな美しさがあります。
少し和の雰囲気も感じられますね。
もちろん、こうした革は
パーツの取りようで、柄の出方が違ってきますから
出来上がりの雰囲気がまったく変わってきます。
このセットのために
端の白い部分がちゃんと出るように、
でも出過ぎないようにと、
革の元の大きさも、お品のサイズに合わせて選びました。
長財布は、上下の柄の出方も厳密に考慮して革を選びます。
下の前胴のお写真を見ていただくとおわかりと思いますが、
白い部分がなければ、ワイルド感が薄れ
やさしげな雰囲気になります。
それはそれで、とてもいい雰囲気ですが。
ご注文者には、ものすごく長いお時間
お待ちいただいていました。
もう15年以上お付き合いのあるお客様です。
ほんとうはフランスブルーがご希望だったのですが、
半年経ってもこの大きさの取れるブルーが入らず、
たまたまこの革を見たとき、そのお客様のお顔が浮かびました。
お見せしたところ、やはり気に入ってくださり、
こちらに変更になりました。
ご注文から半年も経っていますと
定番の長財布の種類も増えていますから、
ジーヴズと合わせてデザイナーが使っているお財布を
お見せしてみたところ
「なるほど。これはいいですね。
でももっとこうしたらどうかな?こうするのは?」と、
あらためてのご相談となり、当初とは違う形に決まりました。
「結局、定番になるっていうのは理由があるんですね。
良く考えてあるんだなあ。ここにもカードが入るし。」
ご注文いただいた長財布の仕様は、こちらをご覧ください。
こんなにおもしろい革は滅多に入りませんから、
お揃いの柄で、ジーヴズもお作りすることになりました。
革は出会いです。
大きな革なら話は違いますが、
リザードやクロコダイルのように小さな革は
作れるものと作れないものが出てきます。
また、自然のものだけに、革それぞれに個体差があり
お品になったときの表情も、ひとつひとつ違ってきます。
ですからふだん、こういったお品は
オーダーメイドで柄をご指定いただくことは難しいですから
お店でイメージにあった革を見つけたときに
一点ものとして、お作りしている次第です。














