おもしろいご注文もあります。

カメラのグリップに

革を巻く、というご要望です。

 

しかも、ご自分で

そこそこきれいに巻いてあったものです。

下のお写真がそれ。

見た目にはお見事と思います。

 

 

ただやはり、素材がペラペラなので

貼った面が凸凹になってしまい、

手で触ると

持ち心地に難あり、という感じです。

 

五感に関わるデリケートな問題は

毎回毎回、

触るごとに気になることは確かです。

 

そして、何よりご注文いただいた理由は、

最初のオリジナル素材が

一年も持たなかったということです。

 

これにはちょっと驚きましたが、

それであれば、ちゃんと付けたい、という

お気持ちもよくわかります。

 

 

ご希望いただいたお色はダークブラウン。

ブラックでご注文いただくとばかり

思っておりましたので、

こうして仕上がってみますと

ぴしっとした雰囲気で素敵になり、

クライアントのセンスの良さを感じます。

 

 

細かいところまで

形を合わせて革を裁ち、

切り口にはコバ磨きをかけます。

 

こうした細かい点を

きちんと処理することで、

仕上がりの印象はまるで変わります。

 

 

出来上がってから

「やはりプロのやり方はきれいですね。」

とおっしゃっていただき、

とても嬉しく思いました。

 

私たちにしてみると、

お好きでいろいろな作業をする方は、

道具が揃っていなかったり、

材料が見つからなかったりしても、

ほんとにお上手だと思います。

 

グリップ部分が

もっと黒くなるころには、

すっかりカメラの一部になることでしょう。

ありがとうございました。


たくさんのお金を

持ち歩かなければならない人にとって、

普通に販売されているお財布には

まったく意味がありません。

 

こういう方にとっては

オーダーメイドこそが

最高の解決策です。

 

 

今までに100万円、200万円のお札が入る

長財布も二つ折り財布も

お作りしました。

 

キャッシュレス化の進む時代でも

きっとこうしたご要望は

無くならないのではないかと思います。

 

人にはそれぞれ

仕事や生活で必要とする事項が

ありますから。

 

 

本日のお財布に入るのは、100万円。

でももちろん、

その他の機能も充実しています。

 

そして、できうる限り

コンパクトで軽くお作りしています。

 

使っていただくと、

気持ちのいいゆとりがありながら

もっとも小さくお作りしてあるのが、

当店の得意とするところ。

 

 

小銭入れなども

ちょっと上げ底をしたりして、

なるべく見やすく、

取り出しやすくしています。

 

ご注文いただくクライアントには、

一番最初手に取っていただく時

多少は硬いな、と思いつつも、

軽さとご自分の手順にあっていることを

感じていただけると思います。

 

この「硬さ」こそが

当店の革の良さのしるしで、

お使いいただいて

どんどん馴染んで柔らかくなるのですが、

型崩れせず

ぴっちりとお使いいただけます。

 

 

 

当店の特製牛革で作ったお品は、

出来上がった時はもちろん

100%の出来栄えですが、

 

お使いいただくことで

さらに手触りよく、馴染んでくるので

150%にでも

育てていただくことができます。

 

劣化するだけのお品とは

まったく違う

肌なじみのいいお品。

 

このたびはありがとうございました。


車のキーが直方体から、さらに

いろいろな形状になって久しいですが、

車を持つ人にとっては

どうやってキーをお持ちになるか、

頭の悩ませどころとなっています。

 

 

それはキーケースの製作者にとっても

同様のことで、

 

 

「車のキーが入るケースなんですが…」

というご依頼がございますと、

ちょっと構えてしまいます。

 

まず、どれくらいの大きさで

どんな形状をしているか、

ご相談の際にはお持ちいただきます。

 

 

キーケースには、何種類かの

典型的な形があります。

 

今回お作りしたものは

そのうちの最も代表的なもので、

三つ折りx6連のキーホルダー。

 

今まで様々なものをお作りし、

ご要望にお応えしてまいりましたが、

当店としては

この形が最も丈夫でコンパクトだという

結論になりました。

 

 

あくまでも一般的に、

と申し添えておきたいと思います。

 

特に「どうしてもこう使いたい」という

ご要望が無ければ、これはお薦めです。

 

というのは、

いくつもカギを持っていますと

ある程度はどうしても嵩張ります。

 

 

その嵩張りを抑えるのが

このケースの特長だからです。

そして、手で持ちやすい。

 

今回の場合はこんな結論で、

こちらのクライアントには

ご賛同いただきました。

 

その上で、グレーのリザードで

シックにお作りしました。

ご理解、ありがとうございます。


本日ご紹介する手帳カバーは

(株)栃木レザーさんで

たまに染めていただくタシ・オレンジ。

 

カバーの留めを

スマートフォンケースのようにして

お作りしました。

いろいろご相談をお受けして

苦し紛れにご提案したものでしたが、

なかなか良い感じにできたと思います。

 

さて、当店の特性牛革は普段

鞣しと染めの決められたレシピによって

作られています。

 

そんな中で

染める前の状態で残されている革が

多少ですが、出る時があります。

その時期にうまく引っ掛かると

こんなお色にも染めていただける、

というわけ。

 

 

色というのは

最初から各色が存在するわけではなく、

いろいろな色を混ぜて

オレンジならオレンジという色を

作ります。

 

その基になる何色もの色の中には、

革という素材に対してだと

染まりにくい色もあれば、

 

時間が経つと飛んでしまって

無くなってしまう色もあります。

そうすると、グレーがタン色になったり

薄いブルーが白になったりします。

 

 

例えば、グレーやブルー系、イエロー、

パープル系などは、革では希少な色。

 

染まりにくいこと、また

時間が経つと

飛んでしまう色があること、との

この二つの理由で、

あまり製作に向いてないからです。

 

たしかに革は丈夫なので、

素材としては長く使えます。

 

ですから、まだまだ壊れていないのに

きれいな色の方がが褪めてしまって、

使う気がしなくなったりすることもあり、

経年変化の良し悪しはは

大切なもの選びのポイントだと思ます。

 

しかし、かといって 地味系のお色は、

新しいうちから

ぱっと人目を引くというわけにはいきません。

 

 

100%タンニン鞣しで

100%水染めでは、

染められるお色は限られてきます。

 

ですから当店の特性牛革のラインナップは

お地味系になってしまうのですが、

この革の良さは、経年変化にあります。

 

付けた傷が治るなんて

すばらしいと思いませんか?

 

たくさんのクライアントが

「ほんとに傷が治るんでしょうね?」と

新品のお品を見て

不安そうに(笑)お尋ねくださいます。

 

そんな方々が

「ほんとに傷が治るんですね、

そうは聞いても信じられなかったので、

いまだに驚きます。

すごい革ですね。」と

経年変化を愉しんでくださいます。

 

革にはいろいろな革があります。

同じレシピで作っても、

同じロットの一枚一枚にすら

個体差がある「生もの」です。


スマートフォンを持ち歩くのに

腰にお付けになりたい方もおいでです。

 

今回のクライアントは、

着信時のバイブレーションが

身体に伝わりやすいよう、

内側に向けてお持ちになるとのこと。

 

 

マグネットやボタンで留めるのは…

ということで

マジックテープにしました。

 

取り出しやすいように

口のマチ部分をカットしています。

 

 

薄くて軽くお作りしましたので、

身体を楽にして

お持ちいただくことができます。

 

 

当店の目指す革製品は、「必需品」。

 

毎日気持ちよく使うには、

・中に入れる持ち物に見合った大きさ、

そして軽さであること、

・使う手順を楽に進められる

仕様であること、

・手触りが良く、他に代わるものが無いこと、

 

と認識しています。

 

 

だから年数が経って

2代目を作りにいらっしゃる方が多く、

毎日の快適さを喜んでくださっています。

 

「必需品」であり続ける限り、古びても

それは捨てられるものではなくなります。

わたしたちは、そんなものづくりを

目指しております。


当店の誇るベストセラー

「ジーヴズ」には、

さまざまな加工のご希望をいただきます。

 

今日ご紹介するのは

外側にSuicaカードを入れるための

ポケットをお付けしたジーヴズ。

 

 

このご希望がかなうことで、

これひとつお持ちいただけば

どこへでも外出ができます。

 

基本手ぶらで歩く人のための

アプローチと言えるでしょう。

 

もちろんこれを

バッグの内ポケットに入れておけば、

ぱっと取り出すだけで

いろいろなシチュエーションに

対応できます。

 

 

よく「もしこうしたら、良いと思いますか?」

というお尋ねをいただくことがあります。

 

しかしそれは、使う人それぞれの

何をどう入れて使うか、

それから、その方が今何歳で

これから10年経ってどういう年齢になるか、

などのパーソナルな条件次第で

変わる内容なので、

一概に「これこれこうです。」という

お返事はできません。

 

ある人が良いと思っている仕様が、

他の誰かにとって

とんでもないアプローチだったりするわけです。

 

 

 

そこでデザイナーがお返事するのは、

みなさまが判断するための材料になる

事実、です。

 

長い年月の溜めの中から

引っぱり出し、

時によって似たケースから想像し、

みなさまが判断しやすくなるよう、

さまざまな角度からお話します。

 

フルオーダーメイドの場合、

リーダーは一人一人のクライアント。

そして

優秀なサポーターがいることで、

さらに、より良いお品になります。


もう25年ほど前、

個人ユーザーのための新しいPCマシンを

製作販売する部門を起ち上げた

IBM社の方が、

代官山においでになりました。

 

それからずっとお付き合いいただき、

そこが解体するまでずっと

いまだにありえない内容と言えるほどの

おもしろいお仕事で、

ご一緒させていただきました。

 

 

それはとても興味深く、

まったく知らなかった

コンピューターにまつわる様々なことを

みなさまからお教えいただき、

 

当店もかなり早くから

HPを持ち、固有ドメインも2000年から、

という由緒正しきことになりました。

 

ほんとうにありがたいことです。

 

 

そして20年ほど前には、

超整理手帳をご紹介している方が

おいでになり、

やはり興味深いお仕事を

させていただきました。

 

その時考えたものの中には

非常に優れたお品があります。

 

無茶ぶりされる方が、いい意味で

期待を裏切るほどのものが出来上がる、と

この両者とのお付き合いで

よくわかりました。

 

そして、新しい世界が出来上がる時を

一緒に過ごさせていただき、

おもしろい時代だった、と今でも

たまに思い出すことがあります。

 

 

昨年、久しぶりに

新しい世界からの

クライアントがおいでになり、

本日ご紹介する

バーチャルリアリティーを使った

こてこてのオタクグッズを

製作するに至りました。

 

バーチャルリアリティーとは何ぞや?

言葉で知っていても、

今ならいろいろな事例がありますが

当時はピンと来なくて、

単なる頭の中での理解でした。

 

 

今回ご紹介するこのリュックマシンは

MOAI設計さんの

バーチャルリアリティーを使った

コンテンツに使う道具です。

 

もちろん機械本体を作って、

最初の2枚の手作りの道具を

考案したのは、

MOAI設計の竹内さまです。

 

 

3枚目からが当店製作の本番品。

 

これが何かと申しますと、

ゴーグルを通して見た画像から

与えられる衝撃を、

実際に身体に伝えるマシンです。

 

コンプレッサーに繋がっていて、

痛くない程度の圧力が

ピストンを動かして、

身体に衝撃を与える、という仕組み。

 

実際に試しましたが、

最初に身体に圧を受けた時は

思わず爆笑するほどの

衝撃でした。

 

 

上のお写真は、

公開デモンストレーションの様子です。

 

例えば自分が

サンドバッグになったり、

寝転がっていると

人に踏みつけられたり、と

普段ではあり得ないシチュエーションで

このマシンが身体にどんと来ますと、

すごく不思議な気持ちになります。

 

こうしてまた

新しい世界の入り口を

知ることができ、この仕事は

まことに楽しい仕事と思います。

 

デモンストレーションは

随時やってらっしゃるそうなので、

ご興味ある方は、FBをご覧くださいね。


「このバッグが気に入ってるんですが

そろそろダメかな、という感じなので

新たに作っていただきたいんです。」

 

変わったバッグを

お持ち込みいただきました。

なるほどこういう

製作アプローチも、確かにあるなあ、

という珍しい構造でした。

 

なぜクライアントが

このバッグの使い勝手に満足しているのか、

容易に納得できる

使い勝手のいい、優れたバッグです。

 

 

バッグの製作者として

お持ち込みいただいたバッグを見るとき

まずは構造的な内容に注目します。

どんな考え方で構築されたものなのか?

 

そうして製作トレースしていきますと、

なぜここがこうなって、

どういう根拠からそうしたのか、

ほとんどすべての部分において

謎解きができます。

 

バッグの製作というものは、

それほどまでに論理的です。

 

 

いつもお書きしていますが、

昔のバッグの方が、格段に

おもしろい推理ゲームになります。

 

こういう作り方をここに使うか!

といったことがあると、

わくわくして、嬉しくなります。

 

 

ですから、その会社のデザイナーが

紙の上でデザインしたバッグを、

技術者が苦労して

なんとか形にしたバッグなのか、

 

それとも、作り手が関わりつつ

形になっていったバッグなのか、

 

はたまた、技術者が新しい角度の

技術の使い方にトライしたものなのか、

なんとなくわかります。

 

 

「なぜフルオーダーで

バッグを作るお店がないんですか?」

よく訊かれる質問ですが、

 

その答えのひとつは、

まずフルオーダーの場合、

無限というほどの数の

技術の組み合わせが必要だからです。

 

また、技術の組み合わせ以前に

その基礎になる技術も

相当数あります。

 

ひとつひとつの形の

それぞれにノウハウがある、

と言っても過言ではありません。

複雑極まりない作業になりがちです。

 

 

最近の量産品の構造は

とても単純になってきた気がします。

複雑な構造のものは、多分ほとんどが

ハイブランドの製品でしょう。

 

そう考えていきますと、

工場が量産品に対応する技術も

限られたものになってくるでしょう。

 

単純に、価格を抑えるため、あえて

面倒なことをしないのかもしれませんが…

 

今回、クライアントの

このバッグへのこだわりは、

色にもありました。

 

型押しのグリーンをご希望で、

内側はきれいなピンクか赤を

ご希望いただきました。

 

たまたま見つけた裏地が

このきれいなピンクで、

とても喜んでいただきました。

嬉しいですね!

 

 

まず最初に「色」に目を留める方が

多いかと思います。

 

そして、「もっとこうだったらいいのに」

というご希望も出ることでしょう。

 

見本の形があるバッグでしたら、

それが最も適した構造なはずですが、

さらに当店の知識と技術を駆使して

 

あなたにとっての最高のものに

仕立て上げます。


小銭入れもいろいろありますが、

とくに男性の場合、

「これがいい!」と

普段からお使いだったら、それ以外、

その方に向く形はあり得ません。

 

本日ご紹介する小銭入れは、

お嬢様からお父様へのプレゼント。

往々にして男性は、

愛用品の他のものには目もくれない

ということをよくわかってらっしゃって、

「同じものを」と

スケッチ画を送ってくださいました。

 

 

お描きくださったスケッチ画で

ほとんどすべてのことがわかりましたが、

マチ部分がどうなっているかまでは

ちょっとした謎でした。

サプライズにしたい、ということで

見本のお品をあまりじろじろ眺めると

お父様にバレてしまうので、

確認がとれないのです。

 

そんな時はまず

アトリエ中で想像を巡らせます。

 

 

 

 

なまじ製作方法や各種のアプローチを

多数知っていると、かえってその分

妄想は爆裂します。

 

技術責任者とデザイナー、

他の技術者も加わり、

ああでもないこうでもないと

どんどん話が転がっていきます。

 

 

そんなこんなをした後、

クライアントに的確な質問を2,3すれば

すべてが解決します。

 

それから製作に入るのですが、

まずダミーを作り、それを確認してから

本製品製作に突入していきます。

 

 

ほんとうに小さいものほど難しい!

この小銭入れには

2~3枚のカードも入り、

三つ折りの札も入ります。

 

これを、ピッタリとした

気持ちいいサイズでお作りするのは、

至難の業です。

 

入ればいいや的なアバウトサイズで

作るわけではありません。

現在クライアントのお父様がお持ちの、

その感覚と似通ったものを

お作りすること。

 

当店がやっている仕事は

そんな絶妙な内容です。


ステキな笑顔で

お写真を撮らせてくださったクライアント。

ワインカラーがお似合いです。

 

手に持ってらっしゃるのは

出来上がったばかりの手帳カバー。

というか、クラッチバッグというか…

 

 

少し大きめサイズなのは、

中に入るのが手帳だけでなく

iPhoneやSuicaなど、

とにかくそれだけ持っていれば

移動出来て仕事ができる

という、いわば三種の神器とでも

いうタイプの

クラッチバッグだからです。

 

 

大きさはありますが、

とても薄く、

中に入れるものはぴたりと収まっています。

 

その、ぴたりを収まる、が

クライアントの第一のご希望です。

 

ペンの太さがちょうど

ファスナーの幅の中に

納まるようにしましたから、

こういったレイアウトと

サイズ感になったわけです。

 

 

先ほどクラッチバッグとお書きしましたが、

じっさいには

手に持って移動するわけでなく

バッグの中にお入れになりますから、

なるべく薄く

なるべくぴったりサイズを、

というご希望でした。

 

 

 

「すごい!ほんとにぴちぴちですね。

これだけぴったりだと

すごく気持ちいいです!」

 

 

それに、きっとこのように

持ち物ひとつひとつが

小さく、軽くなることで、

お身体や動きが楽になることでしょう。

 

一番上のお写真は、

お引渡しの際 すべての

中身を入れたあとのピカピカの笑顔。

ありがとうございます。

 

 

内側もすべて

革でお作りしていますから、

長く長くお持ちいただくことができます。

 

次にお目にかかる時はきっと

つやつやの革の表面に

変わっていることでしょう。

 

クライアントとの長いお付き合いは、

一緒に作り上げることや

喜びを分かち合うことで続きます。