「これが使いやすくって

もう手放せないんです。」

お持ち込みいただいた鞄を拝見し、

ちょっとだけ変えて再現しました。

 

もちろん

どこが気に入っているか、

変更点はないかと

お尋ねしたうえでの決定です。

 

 

しかしこのバッグ、

男性用としても女性用としても

とても使いやすいブリーフケースです。

 

全体がルバルで柔らかく

内縫い製法にしておりますから、

ちょっと入れすぎても

形はきれいに取れてしまいます。

 

バリバリのメンズ鞄と違うところは、

そういった融通の利く

バッグであるところ。

 

 

外ポケットの仕上げ方も秀逸で、

こういった作り方をしていると

見た目以上にモノが入り、

スマホなどは使いやすいゆとりを持って

収めることが出来ます。

 

当店では、一番に考えていることが

使いやすいか否か、という問題なので

見本バッグを見せていただくだけで

お使いのクライアントが

何を気に入ってるかは

一瞬で理解できます。

 

 

最近では、昔みんなで持っていた

硬い鞄を見る機会が

ずいぶんと減ってきました。

 

重いバッグも

いつの間にか減っています。

 

持ち物も

服装と同じで変わっていきますが、

ファッション自体は何年代風、と

ぐるぐる回っていきますが、

 

 

鞄に関して、後戻りすることは

あまりないかもしれません。

 

今年は巾着バッグを

ちらほら見るようになりましたが、

実際に使っている人は、少ないように

見受けられます。

 

巾着バッグは

10年ほど前に流行った

エディターズバッグと同じく

中身がごちゃごちゃに

なってしまいますから…

 

 

バッグは洋服よりずっと

「実用させるア必要のあるアイテム」です。

 

「ファッション性がある」ことより

「道具である」要素を

大きく要求されます。

 

使い手からは、ファッション性より

使い勝手が良いことを筆頭に

語られるアイテムになっているとも

言えましょう。

 

 

洋服から逆引きしていけば、

 

バッグは

大切なファッションの仕上げ

でありましたが、

 

実生活から引いていけば、

バッグこそ

「もっとも重要な、

生活に置いての実用品」

になります。

 


黒い「タシ」を使って、

お手持ちのそれぞれの小物に

パリッとしたケース類を

ご注文くださるクライアントが

いらっしゃいます。

 

パリッと表現するのは、

なるべく平らに

なるべく四角くすることを

目指してお作りしているからです。

 

平らにするために、

マグネットも薄い革の中に入れ込むという

特殊な作り方をしています。

 

 

このクライアントにはいつも

まず1点目をお作りし、

それを試しで使っていただいてから、

2点目をお作りしています。

 

「だって

どこにも売ってないものだから、

使い勝手が

どんな風に出るかわからないでしょ。

 

そこを試してから

もう一個作るって、当然でしょう。」

 

 

「家具やズボンやシャツとか

オーダーで作ってもらってるけど、

1回目で

自分の求めるものになることなんて

絶対にないよ。

 

でもここはすごいね、

1回目でも

ほぼ理想通りに出来上がる。

他にこんなところは知らないよ。」

 

 

同じものを

必ずふたつお持ちになる方なので、

ほぼほぼ2回目も同じようにお作りします。

 

しかし初期の頃は、

使い方の定まってないものは

全体の大きさを

タテ寸法だけ2~3ミリ変えたり、

 

少し丸い角をなるべく角ばらせたり、と

こだわりの寸法や

お好きなラインを

一緒に探し出していきました。

 

 

本日ご紹介するのは、

メガネ拭きを入れるケースと

フセン入れケース。

 

前者は初めてお作りしましたが

後者は2点目です。

「フセン入れは

すごく良かった。

一発でパーフェクトだった。」

ということでお作りした2点目。

 

 

ところが ご覧になるなり

「少し大きくない?」。

 

当店の革製品は

使っていくと小さくなっていくので、

1年近く使っていただいたものと

新品のものとでは

大きさが違って感じられます。

 

特に使い込んでいるものだと

見た目も、触った時も

同じものと思えません。

 

 

「革が馴染む」とは

そういうことで、

すばらしいことだと思います。

 

最初はぴんと張りがあって

大きく感じるものが、

手の中に納まるような

気持の良いものに変わっていきます。

 

前にご紹介した

メガネケースのクライアントも

おっしゃってくださいましたが、

「こんなにも馴染むんだ」というものです。

 

それが、当店革製品を使う時の

常識と思ってください。

時が経てば経つほど

どんどん良くなって、

手放せなくなっていきます。

 


あるジャンルで有名な

文筆家のクライアントが

おいでくださいました。

 

以前メガネケースをお作りしたご縁で、

今回は新しく出したご本に

サインを入れていただきました!

ありがとうございます。

さっそく拝読いたしました。

 

 

「今回は革の封筒が欲しいんですよ。

前回作っていただいたメガネケース、

あれは最初大きく感じて

嵩張るようなところもあったんですけどね、

 

使っていったら

ほんとに小さくなりました。

正直、こんなに小さくなるなんて、

驚きましたよ。」

と、ジャケットのポケットから

スッと差し出して見せてくださいます。

 

 

「革製品がこういうものなら、

A4ファイルの入る封筒も欲しいと思って。

紙の袋だと

ぐちゃぐちゃになってしまいますから。」

 

中に入れるものを伺い、

お描きいただいたスケッチ画を基に

製作したものが、この封筒バッグ。

 

 

中身の量が

しばしば変わるご様子なので、

内側に

マチを折り込めるようにしています。

 

原稿や資料を

お入れくださると思いますが、

ああいった本をお書きになる方が

お持ちくださると思うと、

とても嬉しいお仕事でした。

 

またお目にかかるのを

楽しみにしております。

 


懐かしいタイプの二つ折り財布を

ご紹介します。

当店でご注文くださる方の中には、

自分の気に入っているものを

使い続けたい方が、少なくありません。

 

 

そのような方は

現物を見本としてお持ちになり、

「これと同じに作ってください。」と

ご注文なさることがほとんどです。

 

中には

「ここだけはちょっと変えてください。」

という方もお出でですが、

むしろその方が少ないかもしれません。

 

 

本日ご紹介するお財布は、

以前当店でお作りしたものを

もう一度新しく作り直したものです。

 

こちらのクライアントも、

以前お作りしたものを

きっちりとお持ちくださいました。

ありがとうございます。

 

 

たまに女性クライアントから男性の方へ

「お財布をプレゼントしたい。」という

リクエストをいただきます。

 

そんな時かならず確認するのは、

「その方が気に入って使っている

お財布はありませんか?」ということ。

 

なぜなら

気に入っているお財布しか使わない男性は、

みなさまが想像する以上に多いからです。

 

そんな時には、こっそりと

贈られる方の使っているお財布を

お写真に収めていただくこともあります。

 

むしろ「あまりこだわりがないようです。」

という方の方が少ない傾向でしょうか。

こだわりのない方でしたら、

持ち運び方や性格的なことを伺って

いろいろとご紹介しています。

 

 

これからキャッシュレスの推進が続きます。

 

中身がカードだけになっても、

使っているものを通して

毎日してきた行動や、

それを持っている時の安心感には

変えられるものがないのかもしれません。

 

新しいタイプの小さなカード財布を買って

それに慣れるか、

 

手持ちの現金が減るだけで

レシートやお守りを入れたりと

今までの財布に不便はないので、

そのまま使い続けるか、という問題は、

あまりたいした問題ではないかもしれません。

 


珍しいデザインの

この美しい鞄は、

男性クライアントからのご注文。

 

ルバルのワインカラーですが、

お写真では

現物よりも少々明るめに出ております。

 

実際、

大人の男性にお持ちいただくのにも

すてきなお色です。

 

 

この変わったデザインバッグの

元になった鞄は、

20年ほど前のものだそうです。

 

年代の古いお品を拝見するたび、

さまざまなデザインが

市場があふれていた当時を

懐かしく、誇らしく思います。

 

 

当時は、

同じような素材、同じようなデザイン、

同じような仕様のあふれる

今の市場からは 考えられないほど、

多様な品々が生み出されていました。

 

今とは全く違うアプローチで、

使うことと見た目を

融合させていたように思えます。

 

この頃に比べますと、

今は、軽く、薄く…と

すべてがコンパクトさを

一筋に目指し、とにかく「効率的」。

 

 

見本バッグはなかなかワイルドで、

裏地も付いていませんでしたが、

手の進むまま作ったような

勢いを感じました。

 

当店の昔のお品もそうですが、

勢い溢れるものがたくさんあったのは、

人にはまだまだ欲しいものがあり、

しかもいろいろなノウハウが

確立されていない途中経過の時代、

ということがあったのかもしれません。

 

 

重く、ワイルドな鞄を

「軽く、大人の持つ鞄」に

作り直す作業は、

今の時代に即した作業かもしれません。

 

「お気に入り」の使いやすい鞄を

「現在のご自分」に適したバッグに

作り直したいと思ってらっしゃる方、

いつでもご相談ください。

 


中国系の秘書の方からご連絡があり、

シンガポール人のクライアントに

クロコダイルベルトをお作りしました。

 

 

「以前はH社でオーダーできたベルトが、

最近では発注できなくなりました。

バックルに合わせて、

クロコダイルのベルトを

作ってくれませんか?」

 

 

革製品オーダーメイドの本場である

ヨーロッパの老舗店でもほとんどが

最近ではオーダーメイドを

受け付けてくれなくなり、

ブランドによっては

それがかなり長い期間に渡っています。

 

どのブランドも効率を目指し、

新しい注文品のひとつひとつを

きちんとできる職人を、

育てることが出来なくなっています。

 

 

各ブランドの数少ないベテラン職人は、

毎季ごとの新作を

試作から本製品までに仕上げることで、

手一杯になっているのかもしれません。

 

それほど、毎シーズン

ショーウィンドウに飾られている

バッグたちは、

デザイン的に洗練され、

難しいテクニックを使われています。

 

クロコダイルやリザードなどの材料が

入手困難なだけでなく、

 

レベルの高いお品を

きちんと作れる職人、も

製作ブランド側にとっては

入手困難なものとなっています。

 

もちろんどこも

自分のところで育てるのですが、

今の時代 特に

それが難しいことになっています。

 

左が見本になったベルトで、

右が当店でお作りした

ダークブラウンのクロコダイルベルト。

 

厚みもきちんと計ってありますので

きれいにバックルに収まります。

今頃はクライアントのパンツベルトに

おとなしく

収まっていることでしょう。

 

 

一枚のクロコダイルから

たった一本しか取ることのできない

希少な一枚革のベルトは

ほんとにゴージャスで、

 

革に無駄なく、きちんと作ると、

上のお写真のように

同じような

大きさのクロコダイルを使うことになり

同じような斑柄の並びになります。

おもしろいですね!

 


長いお付き合いのクライアントは、

もういくつものお財布を

ご注文くださっています。

 

女性クライアントで、

ご自分のお財布と家計のお財布には

ジーヴズを使ってくださっています。

 

「ほんとにコンパクトなのに

たくさん入ってくれて、便利です。」

とは、ジーヴズをお使いになったご感想。

 

 

その方が「ジーヴズよりも

きちんとしたタイプで、

フォーマル的なものが必要なんです。」

というご依頼をくださいました。

 

年齢や生活の変化で、

こんな風に自分を装うことが必要、と

よくわかっていらっしゃる

クライアントからのご希望です。

 

「そんなにたくさん

現金を持ち歩くことはありませんから、

お金が少し入って

コンパクトな二つ折りが良いんです。

小さなバッグにも収まりますし。」

 

 

今回ベースになったのは、

もっともコンパクトな二つ折り財布

 

メンズとしてのご提案でしたが、

こんな風にアレンジすることで

ステキなレディスになりました。

 

小銭入れはとても使いやすいものと

なりました。

いつもすばらしいアイデアを

ありがとうございます!

 


若いクライアントから

「バッグが欲しいので

相談に乗ってください。」という

ご連絡をいただきました。

 

お話しているうち、

これまで特に鞄を使ったことがない

という事実をいただき、

 

 

フルオーダーメイドの場合、

クライアントが

どんなものを持って、

どんな風に使うか、を聞き取りしてから

お薦めの形をご提案することを

お話ししました。

 

 

「オーダーする前に、

まずは目的を持って

何か使っていただくことです。」

 

これを聞き入れてくださり、

それでは名刺入れを持っていないので

最初に名刺入れを作りましょう、

となりました。

 

 

それでいただいたご注文が、この名刺入れ。

 

端正な形で、

自分の分といただいた分を

きっちり分けて 使うことが出来ます。

 

ありそうでない形。

これこそがフルオーダーメイド品です。

 

 

コンパクトで端正、というのは

名刺入れにとって素晴らしいことと思います。

 

あらためて

そんな事実を確認したひと品となりました。

ありがとうございます。

 


懐かしいタイプの

小銭入れをご紹介します。

 

昔はお目にかかることの多かった

小銭入れの中に、

ベルトに付けられるタイプがありました。

 

 

男性の中年以降の方の腰に、とか

ゴルフをする時にお見かけしたのですが、

近ごろはとんとお目にかかりません。

 

クライアントは

現在お使いの小銭入れをお持ちくださって

「このサイズがとてもいいんですよ。」

とリクエストくださいました。

 

 

ベルトに付けるタイプは

どのようにベルトに付けるかが

ポイントになって来ますが、

 

この形が既にお使いの形で

とくに不便も感じないということで、

現物を踏襲しています。

 

 

小銭入れなので、

他の小物よりもずっと

しっかりした質感でお作りしました。

 

長年の経験から、

キーホルダーと小銭入れは

革小物の中でもっとも消耗が激しいと、

事実がわかっていますから。

 

 

また、ある程度の年齢になって来ますと

黒っぽい裏地の中で、あるいは

暗い中で探す時に、

中が見えにくくなってきます。

 

そうしたことを踏まえて、

裏地のお色は黒でないお色を

お奨めしました。

 

 

この裏地のお色でしたら、

便利なだけでなく、

見た目も楽しく感じられます。

 

こういった内容が、

「必要から来るデザイン」にあたります。

 

パーツのデザイン、色のデザイン、

全体のデザイン、と当店では

すべてにおいて、

 

必要から導き出していますので、

使いやすさを追求していただくことが

可能です。

 

このたびはありがとうございました。

 


とても美しいA5カバーをご紹介します。

コードバンでお作りしました。

 

外見が変わっているのと

大きさがあることとで、

文字通り「立派な」持ち物となりました。

 

こんな素敵なお品にしあがり、

製作方も、大変だけれど

その分楽しく作れたことに、

感謝申し上げます。

 

 

出来上がりの形が、上のお写真です。

外側に名刺が5~6枚入る

個性的なデザインです。

 

このクライアントの発想の豊かさを

伺うことのできるデザインで、

 

裏地のワインカラーに呼応させた

名刺入れの一部にちらっと入った

ワインカラーが素敵です。

 

 

コードバンというのは、馬のお尻の革。

以前ご説明しましたが、

お尻の革を剥いだ

その下にある「コードバン層」というのが

この革の原皮となっています。

 

そこにしかない稀少な層だけを使って

作られた革が、コードバンになっています。

 

ですから、一番大きなサイズであっても

馬のお尻の左右がつながった一部で、

そんなに大きいものではありません。

 

 

近年では、コードバン価格の高騰から

「めがね」と呼ばれる

左右の尻のつながった一枚は、

あまり見ることが無くなりました。

 

そんな中、

A5サイズノートが入って

こんな風に収納できる

大きなひと続きのパーツを取れる革は、

稀少な一枚です。

 

革の購入時には

型紙を持って行き、

ちゃんと取れるかどうか、

目だった傷はないか、

下部分の厚みに不備はないか、等

吟味して一枚の革を買ってきます。

 

 

一枚一枚の革を選ぶ・・・

革や金具などの材料の選定から、

みなさまのフルオーダーメイド品は

全力で作られています。

 

このたびのカバーには

見えない、しっかりしたマグネット留めを

採用しています。

 

クライアントご自身のの美意識に見合った

最高の解決方法で製作されることも、

特別注文いただく上での醍醐味です。