革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2019.03.18

SONYウォークマンとSTAXアンプ用持ち運びケース 812

「たしかに

アイデアを持ってきましたが、

まさかそれが、本当に形になるとは

思ってませんでした。

すごいなあ、うれしいです。

完璧ですね。」

 

これは、お受け取り時、

クライアントが笑いながら

仰ってくださった言葉そのままです。

 

 

このオーディオ製品の容れ物には、

ご相談の段階で

かなり頭を悩まされました。

 

ご予約メールを拝見した時、

まさかふたつのアイテムを

対象にしたご相談とは

思いませんでしたし、

 

まさかそのふたつを

一緒に持つだけでなく、

ひとつだけでも持てるようにするとは

想像もしませんでした。

 

 

こういった特殊グッズを入れる

容れ物のご相談時には、

デザイナーは 頭の中を

空っぽにして立ち向かいます。

 

妙な先入観を持ったり、

それによって間違った方向へ

導かれてしまうことを嫌うからです。

 

こういう、見たことのない、

作ったことのない案件では、

出たとこ勝負で、

 

まず素直に

クライアントのしたいこと、

考えた形を聞き取りします。

 

 

そういう中で、

あっ、とひらめいたアイデアが

頭の中から

通り過ぎてしまわないうちに、

一瞬でまとめ、形を生み出します。

 

今回のこのお品は、

そういう「アドリブ」の典型的な例。

 

まさに、クライアントとデザイナーの

コラボレーションです。

 

 

このケースは、基本的には

STAXの小さなアンプ と

SONYウォークマン を

ベルトにつけて持ち歩くケースです。

 

このふたつを、

底でコードで繋げるようにして、

アンプの熱も逃がせるように

クライアントのご希望そのままに

穴をあけました。

 

さらに、ふたつを一遍に、

あるいは別々に分けて、

手持ちのショルダーストラップで

斜め掛けできるようにもしたい、

というリクエストでした。

 

 

体側に来るウォークマンは

アンプよりも軽く、

 

そのようなバランスの不均衡を

どのように解決するかも、

製作前の相談段階で

同時に考えています。

 

デザイナーは

製作前の相談段階で、

ほとんどすべての

考え得る不都合を照合していきます。

 

ここが、

ほんとうに使えるお品に

できるかできないかの瀬戸際。

 

 

近頃ではめったに

こんなに凝った、小さなお品の

リクエストはありませんが、

完璧に、気持ちよく

美しくまとまった

オーダー品となりました。

 

興味深いアイデアをお出しいただき、

誠にありがとうございました。

 

こんな楽しい仕事ができるなんて、

オートクチュールって最高!

 

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