2019.10.01

がま口財布は、なぜ製作が大変か?

本日ご来店くださった

クライアントからも、

がま口財布のご注文をいただきました。

 

そのクライアントは若く、

現在お使いのがま口財布を

人生の半分以上使っているとのこと。

それは印伝革のお財布でした。

 

 

「小学校6年生の時

初めて買ってもらったお財布を、

修理してもらいながら

今まで使っていました。

でもそろそろボロボロになってしまって。

 

メーカーに尋ねたところ、

もうがま口を作れる職人がいないので、

修理は出来ませんと言われました。

 

それどころか、

がま口の現物も在庫限りでおしまい、

ということだそうです。

それでオーダーで作っていただこうと…」

 

さてでは、がま口職人はなぜ

いなくなってしまったんでしょう?

 

 

みなさまは

「手加減」という言葉をご存知ですか?

 

がま口財布を作るには、

革製品の中でもっともこの

「手加減」を要求されます。

 

革製品の製作においては

数値では表せない製作方法が多く、

たくさん練習することでしか

習得できない作業ばかり、と言っても

過言でないかもしれません。

 

がま口財布はまず

型紙づくりが難しい場合も多いですし

(丸いラインの場合は特に)、

 

その後がめっぽう大変なのですが、

革パーツをくっつける作業は

まさに「手加減」のみで行われる、

涙の修行無くしては完成し得ない

典型的な例です。

 

 

こんな小物にもかかわらず、

ちゃんと作れるまでになるのに、

バッグや鞄づくりと同じく

長い時間の修業が必要です。

考えるだけでため息が出ちゃいます。

 

そんなこんなの事情があって

製作できる人が激減しているのですが、

 

本日ご紹介するがま口財布は

とっても大変なひと品でした。

 

 

それは、こちらのクライアントのご意向が

「タテ寸法もヨコ寸法も

なるべく小さくしていただきたいです。」

という内容だったから…

 

そういうリクエストをいただきますと、

当店はチャレンジャーになって

ほんとに小さくお作りします。

 

それで今回は

ちょっと小さく作りすぎた、

というわけ…

 

 

ギミックのあるカード入れにして、

タテ入れでお入れすることから

予定外の異変が起こりました( ;∀;)

またしても

「こんなの初めて…」です。

 

こうした職業では、

すべての失敗は

すべての成功への礎となります。

 

今回のこの深い出来事は、

きっと今後も役に立つことと思います。

ありがとうございました。