革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2021.02.12

金具を見せない札ばさみ財布 2010

 

キャッシャレス時代にもかかわらず、

お気に入りのお財布を

ご注文くださるクライアントは

少なくありません。

 

今日は十年以上使った札ばさみ財布を

再現させたオーダー品をご紹介します。

 

以前 別のアスペクトからご紹介した

札ばさみであることを、ご了承ください。

 

 

 

今まで使っているものを、再度…

という場合、見本品は

すでに十分に使いこなしていますから、

たいてい購買当初より小さい大きさに

変化しています。

 

その中に入れたいモノが全部入っていると、

使っている人にとっては、

同じサイズであれば

他のモノも入れられることが当たり前、

という認識があります。

 

これは誰にとっても当然の理解ですが、

じつは何年も使って、「伸びてくれる革」

だからこその変形をしていることが

ほとんどです。

そして、馴染んで小さくなったお財布は

ほんとに使いやすいものとなります。

 

多くの場合、その使い心地に対して

さらに変化を加える

リクエストをいただくことがあります。

 

 

 

今回、表面裏に付けた外ポケットがそれ。

見本財布には

飾りの二本目のステッチがかかっていますから、

それも踏襲しようと思うと

全体の大きさは1~2ミリほど大きくなります

(製作上のことなので、

その理由は割愛させていただきます)。

 

そういった場合、中身が入らなければ

どうしようもありませんから、

とにかく中身が入る

最小サイズでお作りします。

 

 

 

もちろんクライアントのご希望は

二本目の飾りステッチあり、です。

 

そして今回も、

元からの金具を使わせていただきました。

ここの部分は前回で説明いたしましたので

省略します。

 

フルオーダーメイドの場合、

ひとつのご注文品に対して

さまざまな角度から見ることで、

何本でもブログが書ける、という

複雑な要素をたくさん持っています。

ネタが付きないのは、ありがたいことです。

 

 

 

いざ製作に入ると、

頭で考えたことだけでは

行き詰まって手が止まってしまうことも、

たくさんあります。

 

実際に手を動かして、

綿密に出来上がり品に対しての

製作順番に沿って行きますと、

うわっ!という壁に突き当たることは

驚くほどたくさんあります。

 

ほんの少しの変化が

どれほどの影響を及ぼすものなのか、

恐ろしいほどです。

 

でもその壁を乗り越える行為が、

フルオーダーメイドの製作です。

涙涙の連続ですが、

出来上がった時の感慨は半端ではありません。

 

そして、お受け取りいただいたクライアントの

「ありがとう。気に入りました。」と

壁を乗り越えたい、という好奇心が

原動力です。

 

このたびもありがとうございました。

 

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