革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2021.10.16

2代目の「たくさん入る長財布」108N

「色落ちのない

黄色の革が入りました。

前回の革はどうしても色褪せますが、

今度のはそういうことがありません。」

とあるクライアントにお知らせしましたら、

 

「前のお財布がそろそろ5年経つから、

作ってください。同じのが良いです。」

ありがたいことです。

 

 

 

 

それでお作りした2代目が、

この黄色い革の長財布。

 

最近では色褪せないきれいな色も

ご紹介できますから、

そのようなご希望がある方は、

ぜひご相談ください。

 

革の色と言えば、

別のクライアントと話していて

「おもしろい」と言われたお話があります。

 

きれいな色の革は女性の化粧と同じで、

革の上に、きれいな色を

どれだけうまく発色させることができるか、

そしてそれを

どれだけ長保ちさせられるか、

ということが大事ですよ、というお話です。

 

 

 

 

昔の日本製の革は

きれい色の定着がとても悪く、少し

時間が経つと変色することが多かったですが、

いまはもうかなり良くなり、

海外の革と遜色ないものも随分あります。

 

基本的に黄色やピンク、ブルーなどの

きれいな色は、

肌に下地を作ってから、色を載せます。

その色の作り方と、革との密着度とが、

色革の良し悪しを決めるポイントです。

 

 

 

 

未だによく見る表現で

「本革」という言葉がありますが、

「合成皮革」となってくると

本革に見えるものが良いとされています。

 

ところが、きれい色の「本革」は、

丈夫できれいになってくるに従って

革本来の性質から離れていきますから、

合成皮革のように感じることになります。

おもしろいですね。

 

 

 

 

私どもは、みなさまの身体が楽をできるよう

フルオーダー品をお作りしていますが、

必需品であっても

その方の対外的なお立場も表現しますから、

ご注文をお受けするにあたって

「色」は最も大切な要素のひとつとなります。

 

 

 

 

今回は当店の方から

クライアントにアプローチしましたが、

こういったことは、珍しいことです。

 

デザイナーは、一人ひとりのご要望に

真摯に対峙するため、

今回のように心残りのことがあった案件は、

ずっと頭に置いておきます。

今回はまさにそのひとつ。

 

前回お作りした黄色は

「この黄色はきれいですが、

色が褪めてきて、黒っぽく変化していきます。」

という注釈付きでお作りしたため、

このようなアプローチになりました。

 

 

 

 

私たち製作者では

如何ともしがたい内容の問題であっても、

時間が経つことで、外部で

解決していくこともあります。

 

逆に、時間が経つことで

失われてしまう材料などもあります。

 

それでも

長いお付き合いをいただきますと、

こうした良い解決につながることも

少なくありません。

 

時代の良さを取り入れた「ものづくり」で、

みなさまにはその時の最高品質を

お届けしたいと思っています。

このたびは、ありがとうございました。

 

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