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ブルース・リーのベルト 30102
「このベルトを使いたいのですが、
スーツ用としては太すぎるので
スーツにできるような幅で
作り直してください。」
最初にこのベルトバックルを
拝見した時のデザイナーの顔は、
お見せしたかったくらいです。
「どうやって使うんですか?」
まるで知恵の輪です。
丸い輪っかとバーは
それぞれが単体です。
ループにしたベルト革の一部を
輪っかから出して、
そこにバーを挿して留める仕組み。
ご理解いただけるでしょうか?
とても変わったベルトです。
お話を伺いますと、これは
ブルース・リーのしていたベルトを
限定数で復刻させたものだそうです。
ここに上げることは出来ませんが、
彼がこのベルトを
細身のスーツに付けている写真も
拝見しました。
このタイプのベルトが
スーツ姿で似合うなんて、
やっぱりスーパースターです。
ご注文者が
使いたくなるお気持ちがわかります。
ちょうどこのご注文をいただいた頃、
デザイナーは
香港映画界のスタントマンたちを描いた
ドキュメンタリー映画
を観たばかりで、
食いつき良く話を聞いていました。
本作は
ブルース・リーの登場以前からの話で
サモハンキンポーも
香港映画界で製作者として
重要な役割を担っていました。
カンフーの型は、もともと
京劇の師匠が教えていたものだそうで
「見せるための戦いの型」であり
「実戦的」でありませんでした。
その頃の業界では
どんなに危険なスタントであっても
Noを言わないのが
スタントマンの矜持であり、
予算の少ないカンフー映画を
もっとも魅力的にするための
驚くほど危険なスタントでも、
みんなしてその依頼を受けていました。
今では、同じような意味で
身体を張ったスタントは
滅多にありませんが、70~80年代
ハリウッド映画と対抗するには
生身のスタントくらいしか
彼らにはありませんでした。
そんなわけで当時
世界に名だたるカンフー映画が
キラ星のごとく生まれたわけです。
*スーツ用に細めにしたベルト本体の形
そんな「見せる型」としての
カンフーアクションから
ほんとに打撃するようになって、
映画の中で
圧倒的に戦う時間が短縮されたのが
ブルース・リーの映画です。
それまでの映画中で戦い場面は、
20分くらいが主流だったようです。
彼はアメリカに家族で移住したので
アメリカで役者の道へ進んだのですが、
当時はひどい人種差別で、
アイデアは採用されても
彼自身の作品は作られない…
そんなジレンマから香港へ戻り、
後に香港映画界へ入ったそうです。
そんな経緯で生まれた主演第一作が
あの「ドラゴン危機一髪」。
ブルース・リーについて
初めて知ることばかりでしたが、
アメリカの大学で哲学を専攻し、
高校でも教えていたと知って
驚きました。
だから
香港民主化運動で合言葉となった
「Be Water」を始めとする
たくさんの深い言葉を
残せたのですね。
と…ずいぶん道を外れましたが、
このお店におりますと、
自分一人では
知る機会がなかったことに
遭遇する機会に恵まれます。
クライアントのみなさまに感謝!
とにかく、このご注文者が
スーツ姿で
このベルトをお付けになるお姿を
拝見できる機会を、
楽しみにしております。
このたびはありがとうございました。