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リネアペッレのイタリアンレザー 5年半後
2025/04/26
過去日本には
1枚ずつしか入荷しなかった
リネアペッレのイタリアンレザー。
たくさんの種類を持ってくださった
先日ご紹介したクライアントのお品で
5年半経過後をお見せします。
どんな風に経年変化したでしょう…
お手持ちの製品を
すべてお見せくださいました。
アイテムとしては、手帳カバーx2、
カードサイズジーヴズx2、
ノートカバー、
携帯入れ、の6品です。
お写真の中には
ひとつだけ新しい製品があります。
それは上のお写真
一番左のカード入れです。
このお写真の3点は同じ革の経年変化。
左が新品、
真ん中が毎日使う手帳カバー、
右が頻繁にお使いになる携帯ケース、
と使う頻度によってこの革は
こんな風に変化していきました。
とてもカッコいい経年変化です。
まるでアンティーク品のよう。
きれいに育ててくださいました。
こんな風に比べられることは
なかなかできないですから、
イタリアの革づくりの
真骨頂を知る機会もあまりありません。
じっくりご覧ください。
デザイナーはたまにこの話をします。
「代官山のお店は
イタリア人がデザインして、
イタリアからの材料を使って、
イタリア人が作ったお店だったけど、
床や物置代が大理石ですばらしかった。
でもその中ですごさを知った一番は、
塗りで仕上げた壁でした。
一度も掃除しなかったけど、
時間が経つにつれて
アンティークの壁のようになっていき…
大変うつくしかったです。
あれが、イタリア人のモ
ノづくりの感覚なんです。
使っていくほど
カッコよくなることを知ってれば、
使い続けますよね。」
この年は型押しに特徴があり、
これほど深い型押しの革は
初めて見ました。
イタリアは
新しい加工をどんどん開発します。
この年以降、
今年のコレクションで再び
深い型押しを見ることになりました。
ということで、後ほどあらためて
今年のリネアペッレレザーを
ご紹介しようと思います。
さて、
変わってはエキゾチックレザーです。
クロコダイルの黒と
リザード、ネイビーの変化を
お見せします。
クロコダイルの黒はツヤ良くなって、
迫力が出ています。
ファスナーの帯の色、シックな赤が
ますます映えるようになりました。
リザードの方は、
11年目という長きに渡っての
ご愛用をいただいています。
今もとてもきれいです。
ただ、右側のカード入れの底は
抜けてきました。
「それでも気に入っていますから、
これからも使いますよ。」
ありがとうございます。
この切れ込みタイプのカード入れは、
薄く仕上げるために、
内部に薄い素材を使います。
それでどうしても保ちは悪くなります。
革を重ねるタイプより
本体が薄く仕上がる製作方法ですから、
薄さと保ちの良さ、どちらを重視するか
という選択になります。
もちろんこれを直すことは出来ますが、
カード入れ側は
全部ばらして直しますから、
料金はある程度かかります。
当店では、ケースバイケースで
使っていった後のこともお話しし、
ご相談者にお選びいただきます。
ちょっと話が横道に逸れましたが、
こんなにご愛用頂けているのは
とても嬉しいです、
ありがとうございます。

見たこともないほどうつくしい長財布、ベージュのゾウ革 41203
2025/04/24「以前作ってもらった長財布を
気に入っているので、大事にしたいです。
まあそれもありますが、そろそろ
何か珍しくてお薦めの革はありませんか?」
*初代のリザード財布、2014年の出来立て時
「ゾウ革とクロコダイルのジーヴズも
持っていて、どちらも
とてもいい感じに育ってきたこともあり、
そういう系統でのご紹介もOKです。」
クライアントがご来店くださったのは
昨年12月のこと。
見事に変化した
数々のオーダー品を拝見して、
目の保養をさせていただきました。
お調べしましたら前回お作りした長財布は
2014年製ですから、
すでに11年目に入っています。
それはキラキラと輝く
ネイビーのリザードでした。
今もとてもきれいに使ってくださっています。
ありがたいことです。
別の機会にお写真をアップしますね。
そこでデザイナーが今回お薦めしたのは
これでぜひバッグを作りたい、
と思って取ってあったベージュのゾウ革です。
この方は当店で特別な革ばかり
お持ちくださっています。
イタリア製のそのシーズンしかない
珍しくてカッコいい革ばかりお持ちですから、
「次に何をお奨めしたらいいかしら?」
とデザイナーは悩んでいました。
そしてこれまで毎年2回、ある革屋さんへ
ミネアペレのイタリア革を物色しに行っては、
「今年も触手が動く革がなかったわ…」
とがっかりして帰ってきていました。
「あの方から頼まれているのに、
ご紹介できる革がないなんて…」
この方は、たびたび訪ねてくださった時、
当店がたまたま持っていた
微妙なお色のクロコダイルや
ネイビーのゾウ革なども
お持ちくださいましたから、
これ以上何を…というほど、
稀少な革製品ばかりをお持ちです。
「今回はまだ行ってませんから
ミネアペレの革を近々見に行く予定です。
でも、ここ何年も買いたい革がなかったので、、
今年もどうかな… という状況です。
ですから今日は特別に、
大事にしまっておいた革をお見せしますね。」
「いやね、こういう革製品を持っていると、
使うたび、ほんとにすばらしい、と
見惚れてしまうんですよ。
そしてここまでたくさん持っていると、
ああ、自分が好きな革は
どこにもあるようなものではなく、
こういう特別な革なんだな、
とあらためて感じます。
ほんとにどれもすばらしい!」
ありがとうございます。
セレクト冥利に尽きます。
このように革自体に目の肥えた方が
このベージュを見たとたん、
「あ、これは…
こんな革は見たことが無いし、
ずっと見ていたいですね。」と
即決くださいました。
あまりにステキなので、
「ジーヴズも揃いで作って
一緒に持ちたくなりました。」とも
おっしゃってくださり、
秘蔵の革をお見せしたデザイナーは
「作るのは鞄でなくっていい。」と
しっかり納得したようです。
「内側の革はお任せします。」という一言で、
デザイナーはヌメのベージュに決めましたが、
ここからが大変でした。
決めた革の色が白すぎたので
日々、陽に当てて日焼けさせてから
使おうと決めていたのですが、その革が
何だかピンク系に変化していったのです。
昔と違う!
お調べしますと、最近のヌメベージュは
ピンク系に経年変化することがわかりました。
それは鞣しに使う薬剤のせいで、
ほとんどの日本製ヌメは
ピンク系になるようです。
そこで再び始まった
デザイナーの革を巡る旅。
イエロー系ヌメを求めて
あちこち廻ったようです。
そうしてやっと出来上がったのは、
お約束の日から2か月近く経っていました。
「何も言わず、
お待ちくださってありがとうございます。」
でもそのおかげで、バランスの良い、
ずっと持ち続けることのできる長財布に
することができました。
経年変化をお見せいただくのを
楽しみにしています。
いつもお引き立ていただきありがとうございます。
無事お引越しが済んだのは、
こうして支えてくださるみなさまのおかげです。
あ、でも納期をお急ぎの場合は
遠慮なくご相談くださいね。
ともかく、
これからも最高のお品をお届けします。

7年ものの一代目ファスナー長財布と二代目折り財布
2025/04/22「最初に作ってもらった長財布ですが、
こんなにきれいになりました。
革の変化ってすばらしいですね。
出来上がりの時と全然違います。
二代目の折り財布もいい感じになりましたが、
そろそろ新しい革が欲しくなってきました。
それに今度は、今以上に薄くて
もっと小さいお財布にしたい。」
このように
ご来店で新しいご相談をいただきましたが、
今までの二つのお財布を
ツヤ良くきれいに育ててくださったので、
お写真を撮らせていただきました。
左のベージュの革は
お作りしてから丸7年経っていて、
右が2年半ほど経っています。
どちらもまだまだ使えますし、
手触りもとても良いです。
ふたつ目を頼んでくださったのは、
大きな財布→小さな財布への移行でした。
この折り財布は、薄くするために
お札の一部が見えるようご計画しましたが、
もっと小さくしたい、というご意向から
新たな形をご提案いただきました。
こちらはまた
出来上がったらみなさまにお見せします。
おもしろい形なので、
ご紹介するのが楽しみです。
サイズを小さくするための工夫ですが、
前回の折り財布の左側カード入れは
3段になっていますが、
今度はまとめて入れるようになさいます。
カードやお札のサイズは決まっていますから、
より小さくするにはどうするか、は
ある程度理屈で決まります。
ですからこういった案件には、
財布を使うみなさまご自身が
カードを減らしたり…というような
ご本人にしかできない工夫も必要です。
さてさて、こちらのクライアントは
どんな形を考えたでしょう。
ご紹介するのが楽しみです。
長年にわたるご愛用、ありがとうございます。

見惚れるほどのベージュのゾウ革、ジーヴズカードサイズ 503N
2025/04/19とっておきのベージュゾウ革は、
お見せするとすっかり参ってしまう人が
ほとんどです。
本日ご紹介する
カードサイズジーヴズのご注文者は、
すでにゾウ革のジーヴズを使ってらして
その触り心地を気に入ってくださり、
今回のお訪ねとなりました。
でもこの方は遠方にお住いの方なので
メールでのご相談です。
「10年以上前にノーマルサイズの
ジーヴズを象革で作っていただきました。
毎日の出番は無くなりましたが、
大切に使っています。
特に手入れもしていませんので汚れもありますが、
手に馴染んでいるので手放せません。」
なんとありがたいことでしょう!
きっと今では革の表面が
ツルツルになっているに違いありません。
ゾウ革の使い始めは、
表面ががさがさとして
滑りの悪いイメージがありますが、
使っていくことでそれが
滑りの良いツルツルの革になって行きます。
これが他にはない独特の経年変化です。
ショップの定番ページからは
定番革しか選べませんので、この方はまず
それについてお問い合わせをくださいました。
もし同じようなことがありましたら、
何でもお問い合わせでお尋ねください。
今月末、そして来月中には
再改変が完成した
ウェブページを公開しますので、もっと
お問い合わせしやすくなると思います。
*じつは1月に改変をアップしたのですが、
不備があって修正しなおしておりました。
遠方の方から
オリジナルレザー以外の革を
お尋ねされましたら、
まずお写真をお送りします。
あればオーダー例のURL。
でも正直、お写真では
ちゃんとしたお色を出せませんから、
候補革を挙げていただいて
実際には革見本をお送りします。
ご覧いただいて
すぐにお返事をいただいたのがベージュ。
このクリアさに抗える人はいないでしょう。
内側にはワインカラーをお選びいただきました。
ファスナーの布の色は
ベージュ系でお任せいただきましたから
少しトーンの差をつけて、
さらにベージュの革色が引き立つようにしています。
出来上がった時、アトリエ内では
技術者たちがみんな集まって
「きれいだね~~」と
このジーヴズを取り巻いていました。
出来上がってお送りしましたところ
とても喜んでいただけましたから、
ほんとに良かったと思います。
そのご感想の中に
「想像以上に良くて感激してしまいました。
ずっと眺めていても飽きませんね。」
という一文が!
この良さを十分にお判りいただき
なんと嬉しいことでしょう。
ありがとうございます。
こちらも10年以上お供させてくださいね。
このたびもありがとうございました。

理想のショルダーバッグ 412N
2025/04/17お写真を見ると
とてもシンプルなショルダーバッグに
見えると思いますが、
細かいところに気遣いあるオーダー品です。
ご注文者は手の感覚が少し弱く、
開け閉めの楽なものをご希望でした。
ですから、開けやすく閉じやすい
フタ幅と質感にしています。
もっと大きいサイズでしたら、
まずこのような使い勝手にはなりません。
今回は、そういうコンサルティングをしながら
ご注文をお決めいただきました。
遠方の方なので、最初に
ご希望の形を既製品のお写真を使って
ご説明くださいましたが、
そのご希望内容は、プロからしますと
形状と相反する質感を持っていましたから、
現実的に作るとなると
幾重もの方策が必要になるため、
高額なお見積りになってしまいます。
お書きしたように、今回のご注文は
ご希望内容に大きな齟齬があったため
なぜ高額になるのかをご説明し、
どうすればお値段を抑えられるかを
ご納得いただいたものです。
たいていの場合、
面談でコンサルしながら
お話ししていきますと、
それぞれの革の特徴や形の特徴・
質感などをきっちりご説明することで、
無理のない自然な形状で
ご希望通りに仕上がる方向に
お話が進んでいきますが、
今回は遠方の方なので
そのやりとりをメールで行いました。
メールでご希望を伺う場合
今回のようなケースは稀なので、
とても勉強になりました。
最初にざっくりと上記の説明をしてから
お見積もりをお出しし、
もっと別の方法ならば
お見積もり金額を落とすことができると、
お話しすべきだった、と思います。
ところが今回は
最初にご希望通りのお見積もりだけをしたため、
ちょっとなあ…とこちらが
感じるような金額になってしまいました。
これが
「言われた通りに作る」だけのことなら
プラスにならない、という具体例です。
コンサルティングが超必要な場面。
ご注文者が当店に期待する
「どんな形でも作ることができる」ことと、
製作上の形状と希望の質感を
「無理せずきれいに合わせる」こととが
齟齬をきたす場合、
お見積もりが高くなることは必然だ、と
最初にご説明する方が良いことがあります。
今回はそれに該当しました。
技術面でわかりやすい説明を試みますと、
まず当店であれば、外縫い、内縫いともに
全体の質感を
硬くも柔らかくもお作りすることができます。
ただし、本来柔らかく出来上がる形を
硬く作るにはなかなかのお手間がかかります。
革は
使っていくと柔らかくなる性質だから、
ということもあります。
革の性質をうまく使うことで
加工が複雑にならず
製作できる場合もありますし、
使っていくと柔らかくなることを前提に
出来上がりの形を考えることで、
無理の無い形を目指すこともできます。
製作方法はケースバイケースで
1:1対応でしかなく、
この場合にはこれが当てはまる
というセオリーは残念ながらありません。
そこが
フルオーダーメイドを難しくしている
所以です。
ですからご希望内容によっては、
なかなか良い案をお出しできないことも
ごくたまにですが、あります。
それは、量産品に似たお品を作る場合
その量産品独自の作り方が、
材料から揃えなくてはならない
フルオーダーメイドにとって、ハードルが高い、
という事実から来ることもあります。
今回は最初に
もっと大きいサイズをご希望いただきましたが、
それでは開け口が定まらず
うまく口が留まらないことを、
ひとつ目のダミーバッグを使ってお見せしました。
上のお写真は、サイズが定まった時の
ふたつ目のダミーバッグです。
お使いいただいて少しお時間が経てば、
新品のショルダーバッグも
こんなふんわりした柔らかいイメージに
なっていきます。
いまごろうまくお使いいただけていることを
願っております。
雨除けもしておきましたから
その点も大丈夫と思います。
何かありましたらいつでもご相談ください。
ありがとうございました。