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当店フルオーダーならではのディスカッション風景 508

当店フルオーダーならではのディスカッション風景 508

2025/08/30

 

今日は、「なんだろう、これ?」と

みなさまが思うお写真を挙げます。

 

これは、今度お作りする

ガーメントケースの

相談をしているところ。

 

みなさまは、

「フルオーダー品を作る」ために

もっとも大事なことは、

何だと思いますか?

 

それは「確たる構想」です。

 

ひとつの完成品に向かって、

どんな材料をどう使うことで

ご依頼者の持つイメージが叶うのか、

また、無理なくきれいに作るために

どのような製作方法が最良なのか、

など、どのオーダー品に対しても

活発なディスカッションが

行われます。

 

「三人寄れば文殊の知恵」とは

よく言ったものです。

 

 

 

 

 

今回のオーダー品にはベースとなる

見本品があります。

 

当店では

大きさ見本がある場合、

採寸したのち写真に撮って、その場で

製作に必要な情報をすべて揃えます。

*見本をお預かりする場合もあります。

 

時間にするとたいてい、15分ほど。
そのくらいのお時間でしたら、

お待ちいただくのも

さしたる苦痛でもないと思います。

 

そして、情報を得るにしても、

この時間の短さは驚異的です。

 

当店では難なくやっていますから、

お待ちになっている方はきっと

どこでもできること、と

思っているに違いありませんが。

 

でもこれはひとえに

アトリエ隣接店舗のおかげであり、

複数の高度技術者が常駐していて

その場で製作していることによる

大きな成果です。

 

 

 

 

 

その後、

それぞれのオーダー品に合わせて

製作担当者を決め、

詳細の説明に入っていきます。

 

今回はディスカッションの中で

金具決めの場面。

 

ディスカッションは必ず、製作担当者

技術責任者・デザイナーの3者で行い、

ご依頼者の持つイメージを含め、

詳細まで話し合います。

 

そうした全体像の説明の後には、

具体的な使用金具の決定があります。

 

当店には品質的、デザイン的に

これならOK!という金具があります。

それでもそれぞれに

たくさんのデザインがありますから、

そのうちのどれが

今回のオーダー品に合っているのかを

デザイナーが選定し、

付け方などを確認をします。

 

「オーソドキシーのすべてを

あなた一人のために…」

 

この合言葉の下に

みなさまのオーダー品は

大切に作られています。

ですからこの3者の相談は、

オーダー品が出来上がるまで

何度も行われます。

これがあることで、

「使えるオーダー品」が

現実になります。

 

ひとり一人のご依頼者のために、

こんな風に人智も割かれています。

 

 

 

リネアペッレレザーのクラッチバッグ 50602

リネアペッレレザーのクラッチバッグ 50602

2025/08/29

 

リネアペッレレザーで
お作りしたクラッチバッグを

ご紹介します。

 

このバッグをお使いになる方は
「めったに買い物をしない人で、

こだわりがありますから、これなら、
というものしか買わないんですよ。」

というお方です。

 

 

 

 

 

前回のご依頼時はプレゼントで、

差し上げる方が

相手の方のこだわりについて

細かくお話をくださいました。

そのお品を

ご愛用くださっていますから、
今回はとくに嬉しいご注文です。

 

 

今回のご注文品はバッグで、

最近ではほとんど見なくなった

ダブルファスナーのクラッチバッグ。

 

 

 

 

 

使い方がとてもはっきりしていますし

どちらの部屋をどう使うかも

既に決まっていました。

 

このようなご注文時のリアルさは、

とても良いオーダー構想に

繋がります。

 

だから、「めったに買い物をしない」

ことになるのですね。

 

ご自分の使い方がわかっているから、

そしてそれに沿って探していくと

なかなかない…となります。

まさにオーダー向きの考え方です。

 

 

 

 

 

この方はパートナーの方と

ご一緒においでくださるのですが、
とても朗らかなご家族で、
お話ししている私たちも

笑顔になります。

 

このような幸せなご家族に

お持ちいただけるのは、
この鞄が大事にされて
長い年月経つことを想像できます。

 

いつもお引き立ていただき、
ありがとうございます。
みなさまの

益々のご発展をお祈り申します。

 

 

9年ほど使ったゾウ革ジーヴズ財布

9年ほど使ったゾウ革ジーヴズ財布

2025/08/27

ゾウ革の経年変化をお見せします。

お調べしましたら、9年ほどになる
黒のゾウ革ジーヴズです。

 

お写真右は、その前にお作りした

定期入れの十年もの。

どちらもきれいで、

新品の革を知っていますと

同じ革に見えないほど変化しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下のお写真は定期入れの新品時。

 

 

 

上のお写真を使って行くと
下の変化、ツルツルな革が現れます。

 

 

 

 

気に入って大事にお使いですから

まだまだ10年は使えそうです。

ゾウ革の保ちの良さを

体現しています。

 

とにかく、見ていてとてもきれい。

「また手触りがいいんですよね…」

ご自分で育てた革は

なおさら愛おしく感じるでしょう。

ご愛用ありがとうございます。

 

 

お揃いのファスナー二つ折り財布 41204

お揃いのファスナー二つ折り財布 41204

2025/08/25

 

先日ご紹介したシステム手帳は、

このファスナー二つ折り財布とともに

ご注文いただきました。

 

システム手帳の革の取り都合が

恐ろしく難しかったものですから、

 

こちらのご希望内容に対しても

「とにかくシステム手帳の革を

取ってからのお返事になります。」

と、何とも心もとないお返事と

なってしまいました。

 

 

 

 

 

一見すると何の変哲もない、普通の

ファスナー財布に見えるでしょうが、

右側のカード入れには

かなりの枚数のカードが入ります。

 

中身からすると、お財布全体の厚みは

3センチ近くになります。

ですから

ファスナーの出来上がりの厚みも

ほぼ同じ寸法。

 

そんな厚いファスナー二つ折り財布を

見たことがありますか?

こちらによく書くことですが、

市販品にないお品には、

必ず理由があります。

 

作れないという不可能の場合もあれば

材料を揃えられないこともあったり、

難しいから生産ラインに載らない、

などなど、とにかくいろいろです。

 

 

 

 

 

じつはこのご依頼には、

サイズの縛りがありました。

 

市販品のように、中身に対して

大きく作っていいのでしたら

まったく話題にもしませんが、

できるかできないかわからない

微妙にギリギリなサイズを

ご希望いただいたのです。

 

ですから

ご相談時にざっくりとサイズを捉えて

ギリギリだけど

何とかできるでしょ!という

プロのカンを元にお受けし、

無理やり

平仄を合わせていった感じで

お作りしています。

予定通りさまざまなトライアルをし、

やっと可能にした技能オーダー品です。

 

ご注文者には喜んでいただき、

革も無駄なく使って

残りが出ましたから、それを使って

さらなるご注文をいただきました。

ありがとうございます。

 

今度の小物も大変なんですが、

頑張ります!

 

 

 

藍染めクロコダイルのきわどい裁断 手帳カバーの製作

藍染めクロコダイルのきわどい裁断 手帳カバーの製作

2025/08/24

 

先日ご紹介しました

藍染めクロコダイルは、

デリケートなサイズ問題を乗り越えて

やっと型紙ができましたから、

裁断しました。

 

その裁断後の姿が珍しいため

ここでご紹介します。

 

裁断前の革は下のお写真どおりで、

今回の革は中くらいのサイズ。

斑柄がこれ以上ないくらい整っていて
キズひとつありませんから、

見惚れてしまいます。

 

 

 

 

 

この革を気に入ってくださった

クライアントからいただいたオーダーは

手帳カバー。

 

前回お作りしたものと同じですが、
今回はペンをもっとカバーしたい、と

留めループの幅を広くすることに

なりました。

 

革をたくさん使うカバーですから、

果たしてこの革で

すべてのパーツを

取ることができるかどうかさえ

今回は大きな課題です。ですから

それに加えたループ幅のサイズ変えは

恐る恐るで、

少しずつ広くしてしていきました。

 

あまりにギリギリサイズのため、

胃が痛くなるようなご依頼です。

それが楽しいのですけど…

 

 

 

 

 

上のお写真は

パーツを切り出した後の革の様子です。

ほとんど余る部分がありません。

ここまで見事に丸っと革を使うことは

滅多にありませんから、

見事なものです。

 

こんなにギリギリの取り都合でも

斑柄の流れを尊重していますから、

出来上がった時に

違和感を感じることはないと思います。

 

 

 

 

 

また、本番パーツしか取れない大きさの

革であっても、

しっかり革の漉き具合は確認します。

どれくらい薄く漉くことができるかは、

製作にとって欠くことのできない

重要なポイントです。

 

取り都合といえば、以前ご紹介した

ゴールドのクロコダイル製品も

斑柄をどう取るかが肝でした。

いろいろある斑柄の取り方から、

1枚1枚の革の美しさをもっとも

引き立てる方法を見つけます。

 

美しく出来上がった製品は

誰もが違和感を感じることなく、

気持ちよく使うことができます。

 

この手帳カバーの出来上がりを

ご紹介できる日を楽しみに、

1人の技術者が製作に励んでいます。

 

 

 

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