実際のオーダー例
40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。
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オーストリッチレザーとは?
2025/07/26
今日はオーストリッチの革を
まるっと一枚お見せします。
1枚の革を丸ごとご覧になる機会は
なかなかないと思いますから、
ぜひ拡大してご覧ください。
「オーストリッチと言えば毛穴」
というくらい毛穴が有名ですが、
お写真のとおり、毛穴(クィル)の
ぷつぷつがあるのは、
1枚の革の半分くらいです。
しかも個体差がありますから、
ぷつぷつの高さや大きさ、
また配置の具合も
革によってまったく違います。
それで当店では、製作物に合わせて
革の仕入れをします。
バッグなど大きなものには
大きくしっかりした毛穴が合いますし
小物であれば、密度が高めで、
高さのある毛穴がキレイです。
それだけでなく、
中心線に沿った毛穴のない部分の
あり方や、それがどれほどあるか、
も見る必要があります。
*数年前のハイクラスのオーストリッチ
ですから
製作物に見合った革がその時々で
うまく見つかるかどうかは、
運しだい。
革はご縁のモノなのです。
*オーストリッチレザーの
オーダー例は、こちら
上のお写真は
オーダーパーツ取り後の革です。
四角く空いた穴はパーツの形。
小物でしたから密度の高い斑柄にして
中央線からシンメトリーで
パーツを取っています。
大きめで高さあるツブで一級品ですが
昔に比べると、ツブの高さや大きさは
ずっと小粒になっています。
時代とともに動物も変わっています。
エキゾチックレザーは
1枚単位の販売のうえ
高価なので、ご注文品の場合には
最高級の場所でパーツを取ります。
それがこの四角く空いた穴。
なぜこのようにパーツを取るか?
それはそういう製品が
もっともうつくしいからです。
見ていて気持ちよいからです。
市販製品にはまず
こんなお品はありません。
*パーツを取る時は
あらゆる角度から見て決めます。
でも、これまでのように
「毛穴のない部分に価値はない」
などと言うことは、
この動物にとってとても失礼な話。
当店では毛穴のない部位については
店頭でみなさまにお見せして、
積極的にお薦めしています。
なぜなら、オーストリッチは
「とても丈夫」だからです。
おまけに
毛穴のないオーストリッチ革は、
じっくり見ても何の革かわかる人は
そうそういません。
すごくおもしろいと思いませんか?
デザイナーは、
オーストリッチやクロコダイルを
始めとするエキゾチックレザーは、
「牛や豚とは違って
品種改良されてないから、
ずっと丈夫なんだと思う。」と
仮定しています。
それほどに
エキゾチックレザーは、どれも丈夫。
ところで、
オーストリッチ革の裏面が
綿毛が絡まったような
ふわふわな見た目をしていることは
ご存じですか?
じつはこれが曲者で、
昔、この革の特徴を知らない頃
どんどんこの綿毛を
むしっていったところ、
革に穴が開きそうになりました…
綿毛は柔らかいのですが、
「むしる」という表現をするほど
その毛は、厳しく硬く
表皮にくっついています。
ですから、製作前に革自体を
均等な厚みに揃えることも
なかなか手間だったりします。
女性製作者ですと
「手がいたくなっちゃった。」
ということもままあります。
ご注文品に合わせて革を選び、
その革を最高の状態にして製作し
デザイン的に齟齬のない
うつくしいものに仕上げる。
使い勝手はもちろんですよ!
これが当店が
ひとり一人のみなさまに提供している
オーダー品の素性です。
長くお使いいただくことを願って、
このオーストリッチレザーの
毛穴以外の部分にも
ご注目いただきますよう、
お願いいたします。
リーズナブルな価格なのに
すばらしい保ちの革です。
お写真の革は、もちろん毛穴も
ゴージャスに起っていますので、
お好きな方はご連絡ください。

世界でひとつ、リネアペッレレザーのシステム手帳 50605
2025/07/25
「この手帳、プレゼントとして
作ってもらってから、15年経ちます。
たまたまウェブを見ていたら
お店が移転したことを知ったので
覗いてみようと、お訪ねしました。」
オリジナルレザーのシステム手帳を
お見せくださったクライアントです。
きれいに使ってくださって
ありがとうございます。
せっかくおいでいただきましたから…
と、デザイナーは
リネアペッレの革をお見せしました。
すでに製作に入っている鞄や
革のままのものをお見せしたところ、
「これはすごいね!」と、
見る場所によって色が変わって見える
不思議な風合いの革に
注目してくださいました。
「まだ前の手帳は使えるけど、
この革で作ったら
とてもカッコよくなりそうですね。
どうするか考えて来ます。」
ということで二度目のご来店を。
今回も同じ方からのプレゼントと
なりました。
なんとすばらしいことでしょう。
「この手帳だけは毎日手放さずに
持ち歩いています。」と
2回のご来店時、手にお持ちです。
*内側素材はオリジナルレザーの黒!
これによってさらにカッコよく…
この革はダークブラウンが基本色で
角度によってもっと明るく見え、
その微妙な色具合がとてもシックで
どんな方法を使って作っているのか
想像もつかない型押しで、それが
カッコいいイメージにつながります。
カッコいいこの型押しは、反面
加工の仕方がとても難しいです。
リネアペッレの革にはどれも
最新技術の試みが
取り入れられていますから、
たいていの革には、
製品にするための加工方法に
工夫が必要になります。
まるで切れ込みのように
型押しが入った革ですから、
漉きも難しく、そのほかの
加工の仕方にも制限が出てきます。
今回苦労したのは
ベルトを留めるループの作り方。
ここが顔になりますから
注意深く形を決定します。
半面、端処理のコバ磨きが
とても美しく仕上げることができて、
イタリアの革づくりの底力を感じます。
紆余曲折の末に
やっと出来上がった形ですから、
お受け取りの時に
「やっぱりカッコいいですよ!
それに、このベルト留めも
この形の方がよかったと思います。」
と言っていただき、嬉しかったです。
次の15年も
すばらしいお仕事になりますよう、
心よりお祈り申し上げます。

育てる牛革ヌメのパープル系、バケッタレザーのブラウン系のご紹介
2025/07/24
店頭でみなさまにお見せできる
バッグを作れる大きさの革を
ご紹介します。
店頭ではお見せできても、
それだけですと
ご来店いただけない方には
情報がお届けできませんから、
こちらでご紹介します。
どれも鞄ひとつ
作れるくらいの量です。
とても個性的で上品なお色ですが、
お写真ではなかなか色が出なくて…
ご相談いただき、ご希望の方には
革見本をお送りしています。
どちらも牛革で、
ブラウン系はイタリアンレザーで
表面をバフッた少しワイルドな雰囲気、
パープル系は栃木レザー㈱の革で
繊細なイメージ。
どちらも合わせる糸の色によって
色目が違って見える革です。
もちろん小物もお作りできます。
どちらも
なかなかお目にかかれない革ですから
アップしてご覧ください。
使っていったら
もっと表情が変わっていきます。
順調な経年変化のある革は
育てる間もそうですが、
時間が経った時、ほんとに楽しいです!

コンパクト財布ジーヴズの絶妙なサイズ変更 50405
2025/07/23
前回ご紹介した高さのない財布と
同時にご注文くださった
クライアントのご注文内容です。
初めてジーヴズをお使いになる方で
大変な内容の注文でした。
ジーヴズは、ご紹介時デザイナーが
「ほかの財布を使っても、結局
この財布に戻ってしまうんですよ。
そういうわけで、製作者たちも全員
この財布を使っています!」と
お話しするくらい使いやすい財布。
当店45年の超ロングベストセラーです。
今回は
珍しいリクエストを頂戴しました。
「こういう風に札が入るんですね。
では、もう少し小さくできますか?
できる限り小さくしたいです。
でもきっとよく考えたサイズでしょ?
変えない方がいいんでしょうか…」
と悩みつつ、最終的には
タテ・ヨコを数ミリずつ小さくする
ご指定をいただきました。
そのご指定寸法があまりに微妙で、
実際お作りする時には
ご指定いただいた最大枚数の札を
入れて見ながら寸法を決めました。
全体をお写真でご覧いただいても
数ミリのことは見分けられませんから
お札を入れたらどれくらいになるか、
下のお写真を撮りました。
このサイズ、じつはご指定よりも
1ミリ弱大きくしました。
それは、ダミーを作ってみたところ、
入れ具合がぎりぎり過ぎる、と
判断したことによる変更です。
これについては、ピックアップ時
「そういう判断をしてもらえるから
ここのオーダーは良いですね。」
と言っていただきました。
オーダーでの小物製作が難しいのは
ひとつには、このような
微妙な大きさを指定される場合。
市販品が大きめにできているのは、
誰でもざっくりと中身を入れられる、
という目的あってのサイズです。
コンパクトサイズにしたい場合、
どこまでぎりぎりにするかは、
それぞれの人の好みもありますから
とてもリスキーです。でも、今回
ファスナーに引っかかりそうなのは
さすがにNGです。
いつでもお札を揃えて畳んだのちに
入れられるわけではないですから。
当店では、ご相談者と話した感じから
ひとりひとりに合わせて
サイズ設定をしています。
みなさまとお話ししていますと、
無駄なゆとりを良しとしない方は
予想以上に多いと感じます。
でももちろん、ある程度のゆとりは
欲しいと思ってらっしゃいます。
それが感覚的なことなので、
人によって変える製作内容です。
こんな微妙なことをやっていると、
量産品を作ることは考えられません。
だから当店では、
カスタムオーダーも
一点一点お作りしています。
予想よりも暑い日本の夏に
驚いていたクライアント。
海外での一層のご活躍と
楽しい滞在生活をお祈りします。

カーアクセサリー、マクラーレン用ボックスティッシュケース&ゴミ入れ 50608
2025/07/21
先日車での
ボックスティッシュと
ゴミ入れが一体になった
カーアクセサリーをご紹介します。
1枚目のお写真が、出来上がりの形状。
これだけ見れば
何がどうなっているのかわかりませんが、
2枚目の取り付け写真をご覧ください。
*ボックスティッシュカバーの内側と
ごみ入れ内側には、撥水&防水素材を
使っています。
ボックスティッシュは
銘柄が決まっているので、
ぴったりサイズで入ります。
ボックス取り換え時には、
ケースにパッと指を入れ、
つまんで取り出せるサイズ感。
*写真にはうまく出ていませんが、
黒レザー&ブルーステッチ仕上げで、
車のお色にマッチさせています。
取り付けはぴったりサイズで、
気持ちよい収まり。
オリジナルレザーのルバルですから、
革に手が触れると
気持ちよい触り心地です。
ボックスティッシュとごみ入れは
別々に取り付けられますから、
フィット感が出ます。
ブラックの革と所々ちらりと見える
ブルーカラーがステキなひと品。
その車に合った
ぴったりサイズでお作りするのは
難しいことですが、
収まりが良いと気持ちよく使えます。
*取り付け場所を横から見たところ。
車内のお写真が
どうもうまく撮れませんが、
収まりの良さだけは
見て取れると思います。
シンプルな見た目と違って
製作は大変でしたが、
その製作を楽しめるご注文品を
ありがとうございました。