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コンパクト財布、新旧ジーヴズなど革製品の大きさ問題
2023/10/045~6年お使いいただいたジーヴズを、
そろそろ取り替えたいと
お持ちくださったクライアント。
お色を変えてご注文くださいました。
お渡し時に新旧のお写真を
撮らせていただきまして
ちょうど良い機会を得ましたから、
「新旧の革製品の大きさ」の話をしましょう。
特別なレンズで撮ったわけではなく、
左右のジーヴズは
左が新品、右がご愛用中の製品です。
まったく同じサイズでお作りしたもの。
よくお書きしますが、
「使っていくと、革製品は小さくなります」。
「ええ?たくさん入るから
大きくなっていると思うのですが。」
何人かの方のお言葉です。
感じ方はそのとおりなのですが、
ご覧いただくとおり
事実として、小さくなっています。
革は、中に入れるモノに合わせて
次第に伸びていきます。
上のお写真をご覧ください。
ファスナーからはみ出した厚み部分があります。
これは容量以上に入れることで、
革が伸びた証拠です。
ただし、たしかに革は伸びますが、
それは、全方向の革が
すべて伸びているのです。
それ以上にモノが入ると
革は、中身に合わせて
元の形状を自在に変えて行きます。
形状を成立させるために、
不必要なところから
必要なところへ
必要な伸び具合を寄せて行くのです。
まるで生きているかのように…
それで、こんなにも
サイズが変わった感じがするんですね。
はい、たしかにサイズは変わっています。
でもそれは、
タテxヨコx厚みとしての
割り当てが変わっただけで、
最初の数字は、じつは変わっていません。
使ってないものが
最初に大きく見えるのは、
そんな理由からです。
革製品、っておもしろいですね。
軽くお作りするのに苦労したバンブーハンドルのバッグ 30502
2023/10/02「このバッグが
今までで一番使いやすいのですが、
合皮製なのでところどころ
表面が擦れてきてしまって…
A4がちゃんと入るように
大きくしてもらって
なるべく軽くしたいのと、
ステキな鞄にして欲しいです。」
というご依頼をいただきました。
たまたまバンブーハンドルの
在庫を持っていましたから、
材料としての不備はありません。
しかも昔の素材なので
とても良い品質のハンドルです。
しかし、しかしです!
A4が入るサイズで、見本より大きくし、
これほどたくさんの仕切りの鞄を、
どこまで軽くできるでしょう?
今日もチャレンジングなご注文です。
3枚目のお写真をご覧ください。
このバッグの内側には、
表から見えない部分が
一か所としてありません。
見本は合皮なので、
それぞれのパーツの表も裏も
すべて同じ合皮で作られていますが、
それは一番合理的な作り方だからです。
でも、同じように革で作るとしたら、
いったいどれだけの量の革が要るでしょう。
そしてそのように作ったら
見た目は最高にステキですが、
いったい重さはどうなるでしょう?
数々の山積する問題を横目に見ながら、
さまざまなトライアルをし、
製作方針を立てていきます。
このバッグのように
製作方針を立てるまでに
ここまで時間のかかるオーダー品は、
滅多にありません。
軽く作り過ぎれば保ちは悪くなりますし、
しばらくの間
手を動かしながら途方に暮れている
製作責任者の姿を見ておりますと、
この仕事はたとえ何十年続けたとしても
解きにくい難題ばかりの仕事だと、
あらためて理解します。
部分試作をたくさん行ってたどり着いたのは、
表も裏も同じ革で仕上げる方法でした。
結果から言いますと、見本鞄より
一回り(横幅で+3センチ)大きく作っても、
180gほど重くなっただけで
仕上げることができました。
オールハイブランドの革製です。
「うわあ、ステキです!
おまけに軽い!
(バランスが良い鞄は軽く感じます)
これができるまで
このブランドバッグを持っていたんですが、
ここで取り換えて、これで帰ります。
このブランドバッグしか
これだけ荷物が入るバッグが
なかったからですが、
これは鞄だけで重くて。
今回のオーダーバッグが
こんなに軽くできるなんて嬉しい。」
とすぐに中身を入れ替えてくださいました。
お作りした私どもにとって
何よりも嬉しい行動です。
お持ちのブランド鞄を
持たせていただきましたが、
その重さには驚きました。
当店製品では考えられない重さです。
きっと今頃
身体も楽ができるステキなバッグ生活を
お送りいただいていると思います。
ありがとうございました。
コンパクトさが定評ある定番小銭入れ 30710
2023/09/30若い女性からお電話をいただきました。
「先日友人が買い求めた小銭入れが
とても良さそうに見えたので、
私も欲しいと思います。」
お友達と当店においでくださり、
その時は見てるだけだったけれど、
友人が使っているのを見ていたら
良さそう!と思ってくださったとのこと。
「バッグが小さいので、
小さくても使いやすい小銭入れにしたくて。
これって、たくさん入りますよね。
シンプルなデザインだし、
この小さなバッグにちょうどいいです。」
驚くほど小さなバッグです。
店頭で見本をご覧いただき、
どれくらい中身が入るかをお見せすると、
黒でご注文くださいました。
この小銭入れは
当店開店以来の定番ですが、
定番から外すことは考えられません。
小銭入れとしては
小さいのにたくさん入りますし、
使い慣れてくると
しっかり形があるのに
やわやわと柔らかくなり、
手触りは驚くほど良くなります。
人によってはこの中に
鍵を入れる方もいらっしゃいます。
バッグやポケットに入れる時には
丸い形が
入れる時、手助けをしてくれます。
きっと今頃は
便利な毎日をお過ごしと思います。
この度はありがとうございました。
おしゃれで丈夫なベルトポケット(ベルトバッグ) 30408
2023/09/28
「これがまあまあ良いんですがね、
少し大き過ぎて、もうちょっと…
というところなんですよ。
ぴったりサイズで作って欲しいですが
出来ますか?」と
ベルトに通すバッグを
微妙なサイズでご依頼いただきました。
当店フルオーダーメイドでは、
このような「ぴったりサイズのバッグ」
というご注文を多くいただきます。
バッグだけでなく、
革製品のぴったりサイズは、
多くの方が、気持ちよく使える、と
思ってらっしゃることがわかります。
おしゃれな雰囲気のクライアントが
見本として見せてくれたのは、
以前関西でつくってもらったという
オーダー品です。
もうそこは止めてしまったので、
と当店を探してくださいました。
見本は、
当店では、この見本品を見なければ
このようには作らない、という
ワイルドタッチですが、
丈夫に作ろう、という意識が
はっきり見てとれる良い製品です。
おそらく依頼を基に、
どう作ろうか、と考え、
自分の好きなやり方で仕上げた
デザインアプローチと思います。
前の製作者の
製作方法と個性が表れているのは、
ウエストベルトに装着する
2本のベルト部分。
本体、ベルト部分、と別々に作って
それを合体させていますが、
そのおかげでかなり丈夫になっています。
「このデザインはお好きですか?
ベルトに着けやすかったですか?
ベルトから下がる距離は、
これでいいですか?」
などお尋ねしますと、
服装や雰囲気から読み取れるように、
かなり気に入っている模様ですし
ワイルドな方がお似合いになる方です。
そこで、同じデザインを踏襲しながら
少し洗練されたイメージにしました。
おもしろいことに、
製作物の出来上がりイメージは
製作する人の雰囲気に似ます。
革製品とひと口に言っても、
ワイルド、エレガント、コンサバ
さらには上品、カジュアル、など
さまざまなイメージの製品があります。
そしてそのイメージは、
製作する人が
どんな出で立ちをした人か、まで
推し量ることができます。
その中でワイルド系は
見分けやすいかもしれません。
とくにお会いしなくとも、
バイク系やインディアン系の
製品は、ひと味違います。
どれが良いか、という問題ではなく、
ご自分が好きで、持ちたいものは
どういう系統のものか、が
選別のポイントです。
私たちは、格高くお作りして、
カジュアルな服装でお持ちいただいても
ランクアップすることを目指しています。
どんな製品を見本にしても、
その製品の特徴を生かしながら、かつ
持つ方の年齢やイメージにふさわしく
ランクアップさせることも、
重要なことと思っています。
クライアントからは、
とても気に入っていただけました。
厚手の革でお作りしていますから、
長く使っていただけると思います。
この度はありがとうございました。
腕時計と一体型の時計ベルト 30804
2023/09/26こちらもパートナーの方への
プレゼント製品です。
数十年前のGICCIの腕時計ですが、
「もう時計ベルトが売られてないんです。」
時計を拝見しますと、
時計とベルトが一体型になっている
珍しいタイプ。
当店は何十年も前、
ミンクスさんという美容室に
シザースケースをお作りしていましたが、
その製品をご注文くださっていた方で、
ネットで探して「ここはまだやってるんだ」と
おいでくださったとのことです。
「今では、シザースケースを
定番で出しているところが
たくさんありますが、
当時はどこも作ってくれなかったですね。
新人のデビューには
必ずプレゼントしてました。」
懐かしいお話をしてくださいます。
「この時計はパートナーのものですが、
使えなくなってから
しばらくがっかりした顔をしているので
喜ばせてあげたい、と思います。」
新人さんへのプレゼントもですが、
こういうすばらしいお気持ちをお持ちです。
この時計ベルトの製作に関しては
「必ずできる、とは申しかねますので、
お預かりして、もしできたら、
ということでよろしいですか?」と
お話ししました。
ピタッとはまった一体型は
あまりに精密で特殊です。
このベルトを作ったメーカーならば
時計に合わせた抜き型や芯材を
最初にそろえていますから、
流れ作業で
簡単に作ることができるのですが
(もちろんひとつ目の型作りは大変です)、
当店が行う作業は
その最初のひとつ目の型作りにあたりますが、
ひとつ目にも関わらず、型見本ではなく、
製品として完成させる必要があります。
ひとつ目を元に用意した本番用の抜き型や
特別な形の芯材はありませんから、
細かい部分はすべて、
通常の道具を使った手作業となります。
通常の道具だけを使って
特別な製品を作る時は、
まず製作の方向性を決めるために
細部までリアルに考えなくてはなりませんし、
まずは道具を思ったように使える技術が
必要です。
こうした作業になりますと、技術者の中でも
できる人とできない人とに分かれます。
誰もができる作業ではありません。
どんな製品を依頼されても大丈夫、
となるまでに、
技術者たちには長い時間の研鑽を
余儀なくされます。
*革を時計をはめ込む厚みと
切り取り穴の形でいくつか試作し、
本番製作に入ります
当店の42年の歴史は、
そうした追及の長さと
正しい方向に研鑽してきた
技術習得の歴史でもあります。
久しぶりのご来店とご注文を
ありがとうございました。
この方のお人柄に触れ、
優しい気持ちを味わわせていただきました。
パートナーの方に喜んでいただけるよう
願っております。
























