実際のオーダー例
40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。
カテゴリー

ハイブランド革2色の組み合わせ、折り財布 503N
2025/05/28
以前、同じ革の組み合わせで
文庫本カバーをご注文くださった
ご依頼者が再訪してくださいました。
「以前の革の組み合わせが
とても気に入っています。
ちょうどお財布もそろそろ…と
思ったので、同じ革で作ろうかと。」
欲しい形は決まってらっしゃるので、
ご相談は早々に済みました。
外側はダークグリーンの革にして
一部に赤を入れるので、
デザインをも少し個性的ににしたい
と、札入れの見える部分だけを
赤にしたらどうか、と
ご相談をいただきました。
この2色は個性的な組合わせですが、
札入れ部分の
ほんの少し見えるところを赤にすると
さらにステキになりました。
出来上がり時ご覧になって、
「ああ、ここは赤で良かった!」
と歓声を上げてくださいました。
ご注文者は続けて、
「途中で確認のメール入れて
すみませんでした。
どうなるのかわからなかったから。」
とおっしゃいます。
何があったかと言いますと、
前回お作りした文庫本カバーには
その製品の大きさに見合った太さの
赤ラインを入れたのですが、
赤ラインはすべて
その太さかとお思いだったようです。
それで「この札入れには
もっと細いラインを入れて欲しい。」
というご希望を、ご注文後に
メールでお知らせくださいました。
当店は、一点一点お作りしますから、
大きさの決まったひとつのパーツを
使いまわすことはしません。
同じデザインでも、大きさが変われば
ラインの太さや縫い糸の幅まで、
すべてのデザインを
製品の大きさに合わせて変えます。
それが見た目のデザインの
でも、そんなことをしている
製作所はありませんし、
逆に私たちが底までしていても、
気づいてくれる方はごく少ないです。
ですからデザイナーは
「いえいえ、
気になることや、思ったことがあれば
何でもお話しくださいね。
ご存じないのは当たり前ですから。」
とみなさまにお話しして、
どんなご質問もお受けしています。
このたびのご注文も
ありがとうございました。
このお財布が幸運を運んでくれることを
願っております。

使いやすい外ポケットのあるブリーフケース 50305
2025/05/26
こんなステキなプレゼントを貰う方は
とても羨ましいです。
本日のご紹介品も、プレゼント用!
親しい方へのプレゼントとして、
どのご注文者もお相手の欲しいタイプを
きちんと把握していらっしゃるようです。
差し上げる方をじっくりと観察して、
これが良さそう、とお決めになる方も
いらっしゃいますし、
ざっくばらんにお相手に
お聞きになる方もいらっしゃいます。
今回のご依頼内容ははっきりしていて
具体的なURLでご説明くださいました。
お写真を拝見しますと、
とても変わった作りのブリーフケース。
デザイナーも製作責任者も一様に、
ああ、これってこう作るのね、
と即座に理解して
「おもしろい発想のデザインね。」
と、話し合っていました。
お写真そのままのバッグでよければ
そこでお買い求めになるのでしょうが
変えたいところがいくつかあって、
ご注文においでくださいました。
ほんの少しの仕様違いが、
毎日使うにあたって
ストレスになることもありますから、
なるほど、という変更部分です。
また、オリジナルが
なぜそういうデザインになったかも
よくわかる、理に適ったものでした。
でも
今回のご希望のように変更すると、
もっと使いやすい形になります。
この変更の中には
もうひとつ大きなものがありました。
それは、見た目、です。
きっとこれが
もっとも重要だったと思います。
持ち手を付ける手カンに
特別なご希望を頂戴しました。
そのご希望内容が珍しい内容で、
なかなかないタイプの金具を
ご希望いただいたので、
思い当たる金具やさんにはすべて
出かけて見てきました。
こうして正面から全体を見ますと、
とてもシンプルなデザインです。
この手カンは
存在する中でもっとも太いラインで、
高さのあるものですが、
これ以上は見つかりませんでした。
じつはこの金具、手カンとして
売られていたものではありません。
内側の仕様は、エルムと同じです。
エルムのこの厚みのある内ポケットは
人によって使い方を変えられるため、
他のバッグにも
リクエストされることが多いです。
ある程度しっかりしているのに、
使っていくと
使い方に合わせて
ポケットの形が収まってくれることが、
お選びいただく要因です。
型崩れもありません。
厚い手帳やケーブルポーチなどという
大きめのものがきちんと収まります。
そして反対面の
適度な大きさの二つのポケットも、
今まで採用してきて
ほとんど変更希望のない寸法ですから、
きっとお役に立てることでしょう。
差し上げる方に喜んでいただけることを
心より願っております。
お使いいただいて何かありましたら
いつでもご相談ください。

310gのショルダーバッグ 504N
2025/05/23
遠方からお訪ねくださったご依頼者。
「どのように説明しましょう?
これくらいの少ない荷物を入れて
肩に掛けたいのですが…」
おいでになる前に
メールでご希望の革のお色を
伺っていましたから、デザイナーは
ご依頼者のご希望に近い赤の革を
2種ご用意し、お待ちしました。

「ああ、これこれ、
こういう形が欲しいんですよ。」と、
を指さしてくださいました。
「ああ、良かった。
ここから先はどう説明しようか、
今まで考えていましたから。」
このようなクライアントは
他にもいらっしゃると思います。
でも大丈夫、
いつもきちんと意思疎通ができます。
それは毎回不思議ですが、
コミュニケーションというのはまさに
「理解してもらいたい意思」と
「理解したい善意の意思」から
成り立っているのだと、
デザイナーは言っています。

驚いたことにこの定番が、
今回のクライアントの
思った通りの形だったそうです。
すてきなセレンディピティです。
「そうしましたら、
この中にモノを入れて
肩に掛けてくださいませんか。
それでショルダー紐の長さなどを
体格に合わせたいと思います。」
現物があると、話は早いです。
内ポケットを少し変える以外は、
店頭のお品の大きさや
ショルダー紐の長さもぴったりです。

お仕事でよく
東京においでになる方なので、
ピックアップ時も店頭になりました。
「お、良い感じだね。これは
良い赤です。気に入りました。」
実際に肩に掛けていただくと、
「軽いね。長さもちょうどいい。」

今回のポイントになったのは
救急車のような赤で、
という赤の革のお色でしたが、
出来上がったバッグを見て、
「フェラーリの赤じゃないですか!」
とは、バッグを見た技術者のひとり。
きっとご注文者は
車好きの人ではないかしら、
と思った一場面です。
喜んでいただけて良かったです。
このたびはありがとうございました。

ブランドサイトを再リニューアルしました。
2025/05/23
引越し後の新生オーソドキシーは、
「本気、本音、本物」の来たる時代へ向けて
みなさまと新しい旅を始めます。
今までと違ったアプローチのウェブに
戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、
使いやすさに焦点を当てています。
ブログを始めとし
全編を愉しんでいただけることを願っています。

さくらピンクの折り財布 50208
2025/05/20「今までずっとこの財布を使っていて、
これが2代目です。
でもこれも使い始めてずいぶん経って
そろそろダメになってきたので、
買い替えの時期が来ました。
ですがこの財布は
もう作られなくなってしまったので、
オーダーで作ってもらって
長く使いたいと思います。」
ありがとうございます。
*ハイブランドのさくらピンクの革を外側に、
内側に少しだけダークグリーンを使いました。
お母様とご一緒に、当店製品をたくさん
ご愛用くださっているクライアントです。
いつも言ってくださることは、
「ブランド品は誰でも持ってますし、
ほとんどがブランドの宣伝バッグですから、
私としては、ほんとに使いやすくて、
自分が好きでステキだと思うバッグを
使いたいです。」ということ。
嬉しいお考えです。
*ダークグリーンのアクセントが効いています。
お二人はそれぞれ、
「これを使って良かったから」と
ご自分に合いそうな見本バッグを
雑誌の付録などでうまく見つけ、
それを使ってみてから、
改良版をご注文をくださいます。
その見つけ方の上手なことには、
いつも驚かされます。
ご自分が欲しいと思っているポイント、
大きさやポケットの付き方などを、
きちんと把握して選んでらっしゃいます。
この二つ折り財布については
昨年末からご相談いただいておりましたが、
「これは…実際に作るとなると…
もっとも大変な作りであるうえに、
ここまでたくさんのポケットが付いていますと、
オール革でお作りするのは
難しいかもしれません。」と
デザイナーはお答えしていました。
*後ろ面の外ポケットあり。
それが実際にご注文いただくことになり、
「わかりました、やりましょう!」と
お受けすることになりました。
「でも、当店の作り方ですと
裏地までオール革なので、厚くなりますよ。」
とお話ししてはありました。
さてこのお財布、予想通り
製作は想像以上に難儀しました。
というのは、
全体をなるべく薄く仕上げるために
あらかじめ素材の革を漉いておくのですが、
ハイブランドの革の漉きは難しく、
それ以上漉くと耐久性が著しく落ちる、
というギリギリの数字で進めたからです。
まあそれはごく一部の話で、
もっとも大きな課題は、
この財布をどのような順番で作るか、
なのでした。
量産品は流れ作業で、
なるべく作りやすい工程になるよう
手順など熟考の上で工場に提供されます。
そういう製品を単品として、しかも
まったく違う素材を使って
これだけ複雑な仕様で作ること自体が、
アクロバティックです。
どうやってそういう製品を作るかというと、
「作りながら寸法を決め、
考えながら組み立てていく」という
力業以外に、方法はありません。
それほどの技術を持つ人だけが
作ることのできるオーダー品です。
出来上がりを見てご依頼者は
「見本の革よりきれいな色で良かったです。
この色、私は大好き。
きれいに仕上がりましたし、緑もきれいです。」
ありがとうございます。
私たちスタッフも、このさくらピンクと
ダークグリーンの色合わせと分量には、
顔をほころばせました。
マストの色替えパーツを決めていただき、
その他の分量と配置は
デザイナーがお薦めした部分です。
ところが、お家に帰ってモノを入れた後、
ご注文者からお電話をいただいたのです。
「今まで入れていたものが
半分しか入りません…」
えっ、半分?!ということで
急遽、あらためてご予約いただき
お見せいただいたのは、
お引き取りから2週間近く経った頃です。
「本体のパーツが厚くなった分、
入る分量が減ったにちがいない…
どこを直さないといけないかしら?
丸ごと??そこまで入らないとなるとおそらく、
サイズを少し大きくしなくちゃいけないかも。」
とデザイナーは考えつつ、お会いしたそうです。
すると、「このまま使っていこうと思います。」
とのご注文者からの第一声を頂戴して、
デザイナーは驚きました。
「でも、無理して使っていただくのは
まずいですし、私も気になりますから、
まず拝見させてください。」…
結果から申しますと、
2週間近くお使いいただいていたら、
最初よりも革が柔らかくなって馴染んできた
→前よりも入るようになり、
フタが閉まるようになった、とのこと。
*最初はフタのホックが外れたそうです…
入れる量が問題にならなくなった理由には、
ご依頼者が
カードを整理してくださったこともあります。
ありがとうございます。
また、入れたいカードは入るのですが、
数枚の分けたいカードがあるご様子で、
札入れと同じさくらピンクで
簡単なカード入れを作ろうか、と
おっしゃってくださいました。
そこで、簡易なカード入れを
お持ちいただくことになりました。
お揃いで持てば、何倍も楽しいですし。
紆余曲折ありましたが、
新しいオーダー品は
サイズも含めて気に入ってくださったので、
きっとうまくお使いいただけると思います。
何かあったら、またご相談ください。
それにしても、
ハイブランドの革が馴染んで柔らかくなるのは
想像以上に速いことが、わかりました。
使っていくうちに、
もっともっと馴染み、小さくなることでしょう。
こんなことの一つひとつが、
これからのお客様となるみなさまのお役に立つ
経験から来る知識となって行きます。
いつもお引き立ていただき、
いろいろなご教示をありがとうございます。