実際のオーダー例
40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。
カテゴリー
見本金具を使った札ばさみ財布のオーダーメイド
2021/01/12
フルオーダーメイドの当店にとって
一番大変ことは、
ご注文品に見合った
「カッコいい、高級な金具」を
ご希望いただくこと。
前にもお書きしたように、
金具の製作は
専門の製造会社の仕事なので、
私どもには手出しができません。
それをつねに、自社専用にデザインして
製作してしまうのが、ワールドブランド。
同じくフルオーダーメイドをしていても、
この点が、当店とワールドブランドとの
一番の違いかもしれません。
それは、毎シーズン量産品を作り、
世界中に売り場を持つ彼らだからこそ、
可能になる技です。
でも、大量生産をする日本の会社にも、
自社の金具を製作する会社があります。
つまり、ワールドブランドであっても
日本の会社であっても、
大量生産するのであれば、
100個なのか
1000個単位なのかはわかりませんが、
その製品に対する
金具を作ってもらうことが可能なのです。
これは、ひとつのデザインを
ひとつしか作らない
フルオーダーメイドでは、
かなり難しいこと。
金具の製作は、
完璧なひとつのデザインに絞るための試作と
決定品を作るための金型を作ることに
驚くような金額がかかるので、
極端な話、1個作ろうが千個作ろうが
ほとんど同じ価格になります。
さて、そんなわけで当店では
昔からお付き合いしている
ある日本の会社の金具を使っていますが、
ここは、なかなか良い金具を作っています。
ところが、
どんな金具でもそこにあるか?というと、
そんなわけにはまいりません。
鞄や革小物に使われる金具の種類は、
”ごまん”とあります。
その中で、品揃えが
革製品の製作会社が多く使う金具に
傾くのは、当然です。
今回ご紹介する札ばさみは、
クライアントがお持ちくださった
見本品についていた金具を使っています。
札ばさみの金具には、
あまり良いものを見つけられません。
その金具は
もう10年以上お使いとのことでしたが、
調べてみると
まだまだ使える状態だったので、
きれいに磨いてから、使いました。
それをお薦めした一番の決め手は、
私どもで入手できる金具は
もっと長いもので、
このクライアントのご希望は、
「なるべく現在の大きさを踏襲して欲しい」
という内容だったからです。
それからもうひとつのご希望として、
「金具の頭が見えないようにして欲しい」
という内容があり、
ますます普通に入手できる金具では
仕様上も、太刀打ちできませんでした。
そこで見本品の金具の調べに入りました。
再使用できそうだったので、
「これを使って良いですか?」
という展開に…
その金具がまた良いメッキで
良い質感だったので、
ご了解いただけて良かったと思います。
当店定番品には、
金具を使ったお品が少ないと思います。
それは、大きな意味としては、
金具が無ければ、その分軽くなる、からです。
金具の重さは、かなりのものです。
だから、カッコよくて
軽い金具があれば、使いたいですね。
何はさておき、
がま口財布や今回の札ばさみ、
ベルト、時計ベルト等の昔の良い金具には、
その良品質に合ったお品をお作りできます。
眠っているものがありましたら、
ご相談ください。
バッグのお色としてのワインカラーについて
2021/01/10
ただいま特別価格でお出ししている
ワインカラーのバッグについて
ご質問いただいた内容がありましたので、
それに着いてお書きします。
下のお写真は、
黒い洋服が多くなるこの季節に
おもしろい素材の黒を選んで装い、
ワインカラーのバッグを持った
イメージです。
仕事に出かける、イメージですね。
ワインカラーは仕事には不向き、
と思われる方が多いようですが、
上品なお色できちんとした形であれば
問題ないお色です。
そして、ちょっと疲れている時とか、
黒、紺、ベージュ、グレーなど
ベーシックな色で装いをまとめる時には、
女性らしい華やかさが出るので
逆にとても重宝します。
また、例えば
寒い時にパンツを穿きたい、というような
ちょっとメンズっぽい服装には特に、
丸みあるワインのバッグを持ってくることで
うまくバランスが取れます。
温かそうな服装でいて、
きちんとした
仕事の雰囲気が出ていると思います。
それでは、同じ服装で、
同じワインカラーの
違うイメージのバッグを持つと
どうなるでしょう?
服装は仕事の服装ですが、
バッグはカジュアルなので
ちょっとちぐはぐに見えると思います。
服装の方に重さがありますね。
このように、
仕事で使うか、オフに使うか、で
同じお色であっても
デザインを変えることで
オンとオフは、極端に変わります。
ですからバッグを選ぶ時には、
まずTPO、
次に荷物量、とお考えください。
これからは
ご質問いただいた内容も
交えてお書きしたいと思います。
二代目の二つ折り財布はリネアペッレレザー 209
2021/01/07
二代目の二つ折り財布を
ご注文くださったクライアント。
とても良い雰囲気をお持ちの方で、
パッと、お薦めしようと思った革が
頭に浮かびました。
さいわいにもその推測通り、
たいへんお気に行ってくださり
今回のご注文品となりました。
それがこちらのイタリアンレザー。
国を挙げたミラノのワークショップで
年2回製作される
最新技術を使った革で、
毎回毎回テーマが違うため、
二度と同じ革が作られることはありません。
今回ご紹介する革は、
ここ数年、彼らの中での流行色である
ダークネイビーの色と、
どうやって製作されたのかわからない
深い深い型押しです。
モアレ模様の編み込み型押しは
非常に凝った仕上がりで、
どこの模様を使ってパーツを取るかで
かなり雰囲気が変わります。
あの独特の手触りや質感を持つ
イタリアンレザーとは対極ですが、
このような
デリケートなデザイン性を持つ革も
イタリアンレザーの神髄と言えます。
こういった革は
輸入会社を通して入ってきますが、
多くの場合、サンプルとして
1枚だけ入荷するに留まります。
その理由はいくつかありますが、
ひとつは革の値段が高価であること、
次に、加工が難しい革であること、
さらにデザイン性を重視することで
歩留まりが悪くなり、
より革代がかかること、
が主な理由でしょうか。
日本では、こういう希少な革を
国内の革の製造会社が
カット見本で持ち帰り、
似たものを作ることがあります。
たまたまこの間、
通りがかりのメンズショップで
よく似た革を見て驚きましたが、
似て非なるものでした。
本物を見ている私どもだからこそ
その違いはくっきりと判りますが、
パッと見たら、
個性的でステキな革であることに
誰もが反対しないと思います。
そういう本物に似せた革は
もっとずっと浅い型押しであったり、
ニュアンスが違ったりします。
ふたつを見比べることが出来れば
まったく違う世界のものであることが
判りますが、
なかなかそれができる機会はありません。
この、当店で扱っている
リネアペッレレザーは、
当店が入手したものはほとんど
見本として入った1枚だけです。
だから誰もが
ひと目見てほう~っとため息をつき、
その後ぐいぐいと目を惹かれて
見入ってしまうのです。
革に興味もなければ、
革製品を良いと思ったことのない人も
いいえ、逆にそういう人こそ、
「なんだかスゴイ革ですね。」と
言ってくださいます。
今は安価で
良いモノもたくさんありますが、
安価のモノの品質は、値段なりです。
流行り品を手に入れて使い捨てするか、
長く使える品質の良いものを持つか、
どのブランドも、はっきり分かれた
品揃えになってきました。
当店でフルオーダーメイドをするのは
日々の不満を解決する手段でもあり、
満足のいく使用感が得られますが、
同時に
ほんとうに良いモノを長く持つ、
という側面もあり、それは
たしかな品質あってこその、
精神的な喜びへと繋がります。
よくお書きすることですが、
毎日使うものは、その人の
生活品のスタンダードになります。
だから品質の良いものを
毎日手にすること、
使ったものの履歴から学ぶことは
とても重要です。
そろそろ、流行にとらわれたり、
何かを我慢すること、から解放されて
ほんとうに必要で
五感が気持ち良いと感じるものを
使ってみませんか?
こちらのクライアントは
品質について、
興味深いお話しをくださいました。
当店の品質にもご満足いただけて、
とても嬉しいです、
ありがとうございました。
慶弔時にも使えるレディスバッグ「トラペゾイド」 29
2021/01/05
存在感もあり、上品に演出できる
高品質の革があればこそ、
シンプルな形のバッグや財布に仕立てると
その姿は際立って見えます。
ほんものの革の存在感は
比べるもののない、特別なもの。
しかも、シンプルなデザインにすることで、
主役である「持ち主」を影から引き立て、
持つ人の内側からにじみ出る「品の良さ」に、
他人の目をクローズアップさせてくれます。
今回ご紹介しているのが、まさにそんなバッグ。
「トラペゾイド」という名前で
慶弔時にお使いの方も多い鞄です。
そのような「革が主役のバッグ」を
当店は作り続けていますが、
今日はその「当店独自の特別革」が
どのようにして出来上がるかを
お話しましょう。
当店の革は、便宜上「タシ」と呼んでいます
(正式な名前は「グローリー」)。
その理由は
上質の脂をたくさん含ませているからですが、
漢字では「多脂」と書きます。
これはじつは、
当店と栃木レザー㈱内の
当店専属製作チームだけに通じる言葉。
余談ですが、革製品の製作各社が
それぞれ使っている革の名称は、
たとえ同じものがあっても、
統一された、同じ品質のものを指すのではなく、
それぞれの名称、とだけご理解ください。
「カーフ」「キップ」
「カウハイド」「ステアハイド」
「ブルハイド」のように
牛の性別や身体の状況、
年齢で分けられた種類の名前のみが、
共通認識のある名前です。
*ちなみにこの種類の分け方は、
肉牛としてどのように扱われているか
から出ている言葉です。
牛革はあくまでも
肉牛の副産物として出たものですから。
ですから、「オイルレザー」などはおそらく
当店の「タシ」と同じ考え方の名前と思います。
さて、話をもとに戻しましょう。
当店が現在のタシを作り始めたのは、もう
36~37年くらい前のことです。
当時革は、複数の問屋から仕入れていました。
革がもっとずっと売れていた時代ですから、
問屋もたくさんあり、
当店のように、オーダーメイド製作で
少量の革しか扱えないところは
非常に冷遇されていましたから、
革の確保をするのに必要な仕入れ方でした。
ですから、同じ栃木レザー㈱で作ったものでも、
少しずつ違う品質のものでした。
当時革製品もたくさん売れていましたから、
問屋の中には在庫を残さず
大手に全部売ってしまい、
しばらく革を入手できないような時もありました。
そんな時、元の革の色の上に、
こちらが注文した色を載せて売るような問屋があり、
デザイナーはそれにものすごく怒りました。
そこで栃木レザー㈱に乗り込んで、
「こんな革をうちに売るのか~!」と
お見せしたのがきっかけで、
独自の革を作っていただくことになったのです。
*今は新規を受け付けてらっしゃいません。
栃木レザー㈱の名誉のために申しますが、
顔料で元の革の色を変えて売ることは、
当時の問屋がやったことでした…
*当時の問屋は、自分のところで
最終的な色調整をするような問屋も
少なくありませんでした。
それにも関わらず、
こんな小さなお店にひとチーム付けてくださり、
ずっと特別に作ってくださっていることに
心からの感謝を申し上げます。
さて、作ってくれる、と申しましても、
この種の革を
理想に向かって完成させるためには、
革の製造者だけの考えでは進められず、
その革を使って製品を作る人、
また、その製品を使う人との連携があって
初めて、完成への道を歩むことができます。
製品として使い始めて半年くらい経つと、
「今度のレシピでは
使っていくとこんな風になりますから、
もっとxxにして欲しいです。」という
やり取りが延々と続きます。
それを何十回も続けて、
今の品質基準に出来上がりました。
ところがそこへ、「エコ問題」が出て、
使える薬品の質が変わったりしますと、
どうやってそれをうまく使うかが問題になり、
品質は少し変わらざるを得ません。
というわけで、何十年経っても、
「目指す品質」に向けて
最大の努力をしてくださっているのが
栃木レザー㈱の当店チームです。
いつでも、なにか違和感を持ったら
相談に乗ってくれて、対応してくれます。
定番にしているからこそ、の日々の努力。
ありがとうございます。
そして当店の革を気に入ってくださり、
いくつ目かのご購入製品として
この「トラペゾイド」をお選びくださって、
ご自分に合うようカスタマイズくださった
今回の長いお付き合いのクライアントに、
感謝申し上げます。
今回の、肩からも下げられるタイプ、は
たしかに使い勝手が良いと思います。
ありがとうございました。
持ち込みバックルでお作りしたジャストサイズのベルト 205
2021/01/03
お持込みバックルを使った、
ウエストサイズに合わせたベルトのご注文は
しばしばいただきますが、
恰幅の良い方か、ほっそりした方の場合が
多くなります。
本日ご紹介するベルトは
恰幅の良い方にお作りしたもの。
サイズを合わせることはクライアントにとって
もちろんメイン目的ですが、
ビシッと締められるようにと
いつもより厚手にお作りしました。
今までお使いのベルトはかなり厚手でしたが、
それが十分に柔らかくなっていたため、
そのベルトを何年お使いになったかを
お尋ねしてから、お出しした結論です。
今回のクライアントは
「できれば面倒なく欲しい物を手に入れたい」
というタイプの方でしたから、
特にそのご説明はしませんでしたが、
使う人それぞれのお好みに合わせて
こちらで出来上がり品の質感を選択する場合、
使う方の体格も鑑みて、アプローチします。
このバックルを使ったベルトを作る
ワールドブランドは、
オーダーメイドを受け付けなくなりました。
それでそのブランドのバックルをお持ちの方が
良いバックルで気に入っているから、
という理由でオーダーくださることが
増えてきました。
各ブランドがベルトのオーダーメイドを
お受けできなくなった理由はおそらく、
全般的な革の品質の低下
(一枚の革の中に良い部分が少なくなってきた)と
それに追い打ちをかけるような
革価格の高騰にあると思います。
それをもっと詳しくご説明しましょう。
長保ちして、
フィット感のあるベルトにするためには、
革のどの部分で
どういう方向でパーツを取ると良いか
というセオリーがあります。
他のアイテムにもあることですが…
また、ベルトには長い革が必要ですから、
一枚の大きな革のど真ん中部分を
タテでまっぷたつにして切り出し、
ズバッと取ることになります。
大きなサイズの方用でしたら、
小さめの革では
長さが足りないことも出てきます。
その結果、
革として大きなサイズのものであっても、
「一番高品質であるど真ん中部分から
たった一本のベルトしか作れなくなってしまう」
という、高品質の革を扱う製作者からすると、
恐ろしい結果になってしまうことが
起こりうるわけです。
そして実際にその確率は高い、と申せましょう。
これがもし
ベルトだけを作る専門業者であれば、
伸びてしまうような部分や
キズのある部分がわからなくなるように
ベルト用の表面加工をした一枚の革から
まるまる一枚をタテに切り出して、
何十本ものベルトを作って売りますから、
まったく無駄がありません。
これが低価格ベルトの作り方です。
でも、高品質の革を扱う
オーダーメイドの製作者ですと、
一枚の革からできるだけ良いパーツを
できるだけ多く取りたいですから、
なかなか英断を必要とするアイテムになります。
そういうわけで、ベルトのオーダーは、
やっていないところが、ほとんど。
ベルト専門業者に
サイズを合わせることはできると思いますが、
持ち込みバックルを使える厚みと構造にして、
良質なバックルに見合った
高級品のコバ処理をすることはできません。
当店では、お受けできる限りお受けします。
このたび製作したベルトの厚みと
コバ処理は、とても勉強になりました。
ご注文、ありがとうございました。



























