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ルバルのためのショルダーバッグ 509N

ルバルのためのショルダーバッグ 509N

2025/11/11

 

今までにたくさんのご注文を

くださったクライアントから、

「ルバルの黒を使ったバッグを

作りたいです。ルバルはほんとに

手触りの良い革ですね!」

というご連絡をいただきました。

 

この方とは店頭で

一度もお目にかかっていませんが、

たくさんのメールを通じて

どんな方か、よく存じています。

 

今回のリクエストは

使用感良いルバルのブラックで
タテ型デコルテバッグのような

曲線をご希望いただきました。

 

 

 

 

 

当店顧客のみなさまは

メールのご説明が上手ですが、

この方は、より説明の難しい

感覚的なことを

お書きくださいます。

それで一層、なるほど、と

理解できるのですが、

毎回のご注文希望内容は難しく、

ハードルの高いものが

多いでしょうか。

 

 

 

 

 

それは、持ち歩くものが

ほぼ決まってらっしゃって、

その個々の品々に合わせた

内ポケットを、

それぞれの場に適したバッグに

お付けすることも関係しています。

今回は

持ち歩きたいサイズと

実際に必要なサイズ感とを

合わせづらいことが問題でした。

 

TPOに合わせて

ご注文いただいている経緯から、

この方の持ち物サイズはすべて

控えてあります。

 

この注文の仕方は、

以前書いた

「幸せの7つのバッグ」

お読みくださったとのことで、

嬉しいことです。

*本編を書いてなかった…
今度こそ書きます!

 

当店では

リピートの多いお客様には

特別ファイルをご用意しています。

 

これがまさに、

”フルオーダーメイド”の醍醐味の

ひとつと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

それでは今日は、

製作する側からしてみると

”何”が難しいご希望になるかを

ご説明したいと思います。

 

ずばり、まずひとつ目として

”素材の革と

デザインとの相性”があります。

 

革の特徴は大きく分けてふたつ。

革の特徴の分け方には

いくつかの観点がありますが、

 

これからお話しするのは、

みがける革か、みがけない革か、

という観点からだけの見方です。

 

 

 

 

 

ステッチ糸が外から見える

”外縫い製品”は、

当店ヌメ革のように硬めの

タンニン鞣しの革に

向いています。

 

革がしっかりしていること、

みがける革であること、

が、必要条件です。

 

そして

ステッチ糸が外から見えない

”内縫い”は、当店ルバルのように

柔らかい革を使うことが必至です。

それは、裏側を出して縫ったあと、

最後に、くるっと

ひっくり返して完成させるからです。

柔らかくないと返すのは大変!

革に返しジワができることも

あります。

 

ということで、これに

使われる革は柔らかいですし、

ほとんどはみがけません。

 

 

 

 

 

今回のご注文品は

柔らかいルバルの革を使って、

外縫いで仕上げています。

 

柔らかい革をしっかりさせて作り、

みがき仕上げをする、というのは

先の説明とは

正反対の革の使い方です。

 

ここだけの秘密をお話ししますと、

当店ルバルと同じ革が

どこにもない理由はここにあり、

ルバルは

”柔らかいのに、みがける革”です。

 

ここはチートかもしれませんが

それでも、

型崩れしないように作するのは

やはり一筋縄ではいきません。

 

というわけで、形と革の相性は

しっかりあります。

しかし、それを何とかする方法も

あります。

とりあえずはご相談ください。

 

このたびも
ありがとうございました。

後から、「予想よりも入ります。」

というご感想もいただき、

容量を心配していましたから

安心しました。

 

 

 

おチビちゃんポロサスの名刺入れ 50911

おチビちゃんポロサスの名刺入れ 50911

2025/11/09

 

先日ご紹介した

おチビちゃんポロサス

名刺入れが出来上がりました。

 

11.5センチというヨコ幅の中に
ポロサス特有の脇の丸い斑柄を

しっかり入れることができました。

 

 

 

 

 

前回ご紹介時にお書きしたように

こんな小さな製品で、

斑柄の全景色を入れられることは

ほとんどありません。

 

同じ革はふたつとないという中で、

このような出会いは、まさに

一期一会の最たるもの。

 

もともとナイルをお薦めして

始まったこのオーダー製作ですが、

仕入れに行って

このきれいな子と出会い、

これは二度とないチャンス、と

ご依頼者に二種類のクロコを

お見せすることにしました。

ご覧いただきましたら、すぐさま

ご変更くださるほどの革です。

 

 

 

 

 

お若い男性からのご注文で、

「自分が欲しいと思う名刺入れを

探していたら、

5年もたってしまいました。

ですから、オーダーで

作る方が早いと思って。」

と、ご来店くださいました。

 

名刺入れのサイズにぴったりの

デリケートで上品なクロコは、

出来上がってみると

お若い男性にとても似合います。

 

クロコダイルと言えば

ご年配の男性が持つイメージが

いまだに濃くありますから、

こんな発見は、

このオーダー品を実際に見ないと

できないことでした。

 

 

 

 

 

お話を伺ってましたら、

「なるべく長く使いたいですから、

何かを買う時は

自分の欲しいものを

じっくり探します。ですから

見つけたら、長く使いますよ。」

というお考えの方です。

 

お若くても

モノのすばらしい使い手です。

 

なかなか買わない、

でも買ったら長く使う。

モノがあふれている中

妥協せずに探すことができるのは、

毎日気に入っているものを持てば

どれほどの充足感が得られるか、

ご存じだからだと思います。

 

 

 

 

 

お受け取り時にお持ちの鞄も

とても良いものでした。

デザインは必要から引き出され、

エレガントに仕上げられています。

それは、デザイナーが、もし

自分がこの仕事をしてなければ

そこの製品を使うだろう、という

ブランドの製品でした。

店頭で見て、理想通りだったので

即決したそうです。

こちらもまさに出会い、ですね。

 

 

 

 

 

今回は革が小さかったですから、

どのパーツまで取れるか

という微妙なところでした。

そこで内側は、とりあえず牛革で

とお話ししていましたが、

デザイナーは

「内側も、
デザイン的によいところまで

取れるだけ取りましょう!」

と予定よりも

クロコをふんだんに使いました。

 

 

 

 

 

その結果

カード入れ部分の一番下を

竹斑(しっぽの柄))にして、

うつくしいデザインの収まりに

出来上がりました。

 

お受け取り時、ご覧になるなり

「ほんとだ、脇の小さい柄が

ここに入ってますね!

あ、それに中もクロコだ。」

と気づいて

ニッコリしてくださいました。

見どころをわかってくださって

嬉しいです。

 

 

 

 

 

こんなに小さな

”完璧”ポロサスで、

つい見入ってしまうような

名刺入れをお作りできて、

こんなに嬉しいことはありません。

 

この若い方が、

この名刺入れを持って

10年、20年経った時、

いったいどんな風になっているか

想像しますと…

 

革製品とはまことに

そのような愉しみも

もたらしてくれるものだ、と

プレゼントにも使われる理由が

体感できるご注文でした。

 

このたびは

ありがとうございました。

 

 

お経の本のカバー 50907

お経の本のカバー 50907

2025/11/07

 

「台湾の恩師から
”お経の本のカバーを作りたい”

という希望をいただき、

こちらをお訪ねしました。」

 

中身のお経の本は

直接拝見できませんでしたが、
現在使ってらっしゃるカバー

そのものをお持ちくださったので、

そこからサイズを割り出せました。

 

 

 

 

 

拝見したカバーは

長くお使いだったようで、
そろそろ風化しかけている

革製でした。

どれほど頻繁にお使いになのか、

想像できるほどの使い込みでした。

 

「もう少しここのサイズが

大きくなると良いそうです。

…表紙の厚みですか?

これくらいと思います。」

 

 

 

 

 

お受け取り時

「手触りも質感も良いですね。

これなら先生も喜ぶと思います。」

と、ご依頼者は

気に入ってくださいました。

 

デザイナーは革の説明をします。

「お使いの時には
手でよくなでてくださるよう、

お話しくださいね。

本に早く馴染みます。

またこの革は、柔らかくなって

本の形にどんどん沿ってきますが、

型崩れすることはありません。

気持ち良くお使いいただけます。」

 

台湾で当店オリジナルレザーを

使っていただけるなんて、

とても楽しみです。

 

当店をお探しくださって

ありがとうございました。

 

 

 

ブラックシャークの手帳カバー 50910

ブラックシャークの手帳カバー 50910

2025/11/05

 

細かく、

きれいな斑柄のシャーク革。

かつての気仙沼シャークです。

たまたまお持ち込みいただいた

スケジュール帳にぴったりサイズ

だったため、お薦めしました。

 

今までに様々な革で

ご注文いただいたクライアントは、

今回革をお任せくださいました。

女性らしい方なので、

メンズの雰囲気濃厚なこの革とは

思い切りミスマッチの方向にして

お選びしました。

 

 

 

 

 

ここでご本人の個性が出たのが

水色で柔らかいイメージ糸の色。

 

この糸色のおかげで、

メンズっぽいシャークが

正反対のイメージをも持つ、

複雑で完璧なミスマッチに

なりました。

斑柄だけ見ますと

シャークは硬そうですが、

この革はほこほこと柔らかく

手触りがとても良いことも、

意外に感じることでしょう。

 

 

 

 

 

 

近年、気仙沼シャークは

ほとんど見つかりません。

この手帳カバーサイズだからこそ

製作できた、まさに

この手帳のためだけの革でした。

 

今まで使ってくださっていた

ワインカラーのリザードの手帳も

「まだこれからも使いますけど、

このサイズも必要になって…」

とのことです。

そのカバーのこともあって、

今回は全然違うイメージに。

 

 

 

 

 

シャークの経年変化は大きく、

マットな表面は、日が経つほど

ツルツルとツヤが出てきます。

 

いままでお使いいただいた革とは

まったく違いますので、きっと

お楽しみいただけると思います。

 

「今回は今までと違う革にしよう

と思いましたが、

これまで使った経験から言うと、

私はやっぱりゾウ革が好きみたい。」

たくさんの種類を

実際にお使いになったからこそ出る

ご自分の好みです。

 

経年変化という観点からしますと

シャークはゾウと似ています。

この方が、使って行くにつれて

どう感じるかをお伺いするのは、

私たちにとっても楽しみです。

 

 

 

 

 

革は、使ってみて初めて

好きか嫌いかがわかる素材。

それぞれの種類によって、

手触りも香りも経年変化も

まったく違いますから。

 

自分の好きな革を探求するのも

わくわくするような冒険です。

 

以前に比べると

より多種の革素材が出てきましたが、

新しい素材は、使って行って

どう変わるかがわからないところ…

それもまた楽しいですが、

長く使ってきたからこそ

安定してわかる好みもあります。

あなたには何が一番でしょう?

 

 

 

ネイビーゾウ革の定番バッグ「アルルカン」509N

ネイビーゾウ革の定番バッグ「アルルカン」509N

2025/11/03

 

遠方のクライアントで

これまでたくさんのお品を

オーダーしてくださった方が、

今回、種々の革の候補から

ゾウ革をお選びになりました。

 

デザインは以前お作りしたもので、

定番の「アルルカン」という

ショルダーバッグです。

 

 

 

 

 

出番の多いバッグだったご様子で、

この方にぴたりと合うバッグが

見つかって、

ほんとに良かったと思います。

 

今回お届けしましたら、

ゾウ革のすばらしさを表現する

非常に的確なご感想を頂戴しました。

 

デザイナーは

「私がうまく表現できていなかった

ゾウ革の非凡さ、すばらしさを、

短い表現で

ずばりとお書きくださった!」と

驚き、とても喜んでいます。

 

 

 

 

 

以下に掲載させていただきます。

 

************

しばらく留守をしていて
今日帰宅しましたら、
バッグが届いていました。

いそいそと開けましたら
本当に素敵なバッグが出てきました。

綺麗なネイビーで、
クロコダイル程には主張しないけれど
無視はできない存在感があって。

大事に使います。
大事にしすぎて使わないのは
一番勿体ないことなので
頑張って使いますね。
ありがとうございました。
************

拝読して、膝を打ちました!
すべての文章が、嬉しい!

 

 

 

 

 

「クロコダイルほどには主張しない、

でも、無視はできない存在感が…」

 

まさにゾウ革の特徴を

見事に言い当てています。

 

そしてこの革の表面は

最初マットなのに、

使っていくことで

つぶつぶがキラキラと光り出し、

ついには革全体がツルツルになって

最初とはまったく別の顔を

見せてくれます。

使った人だけがわかる、

ふたつ目の楽しみです。

 

 

 

 

 

当店のオリジナルレザー、

ヌメのツルツルとした革表面の

経年変化には驚くものがありますが、

表面につぶつぶのあるゾウ革は、

最初がマットな状態だけに

”衝撃的な”変化と感じます。

 

ご注文者のパートナーは

フランスブルーのゾウ革で

二つ折り財布をお持ちくださいました。

今回メールをやり取りしましたら、

 

************

長く使うと象革の表面が
ツルツルキラキラになってくる
との事ですが、
夫の財布に少し
そのような変化が見られます。
************

というお返事を頂戴しました。
順調に育っているようです!

 

 

 

 

当店で扱っている革は、

㈱栃木製作によるオリジナルレザー

各種エキゾチックレザー

イタリアのリネアペッレレザー

ハイブランドの革

など多彩です。

 

同じ革はふたつと作れませんから

どの革も世界に1枚きりですが、

 

自然動物の身体の斑柄を見られる

エキゾチックレザーは、やはり

もっとも特別なもの、と感じます。

 

 

 

 

 

両者を見て

クロコダイルに魅了される人、

ゾウ革に魅了される人、がいて、

その両方の良さを好んでくれる人も

いますが、お好みは

どちらかに分かれる傾向があるように

見受けられます。

 

華やかなクロコダイルはもちろん

正当なキラキラ感があって、

”革の宝石”と呼ばれるのは

当然と感じます。

 

でもまたそれとはひと味違って、

ボディブローのように

良さがしみ込んでくるゾウ革は、

とくに革がお好きでない人にも

お奨めしたくなります。

 

もう1年以上、デザイナーは

買いを即決したくなったゾウ革に

会っていませんが、

次に出会った時には、再びみなさまに

ご紹介したいと思います。

 

 

 

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