革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2022.04.7

超大作!ライカM10Rノクティルクスのカメラバッグ 111

 

カメラバッグのお引き合いは

たまにいただきますが、

市場にはナイロンや生地製などの

よくできたカメラバッグがあるので、

革製で、一点だけお作りするご注文は

めったに入りません。

 

本日ご紹介するのは、珍しい例です。

とてもうつくしく、機能も充実して

お作りできましたので、ご覧ください。

 

 

 

 

今回使用した革は

エルメス社で使っている革です。

アウトドアで多少の雨がかかっても

パッパッと払っていただけば

あまりダメージがないことからお薦めしました。

 

ライカの赤を一部に使いたいという

ご要望をいただきましたが、

最終的には裏地を全部

表に使うタイプの赤にすることになりました。

革の種類は同じなので、

完璧に合っている質感です。

 

 

 

 

私どもは、カメラバッグの仕様と、

それに要求される機能性に関しては

経験が浅いので、

ご依頼者に細かい点まで聞き取りをしました。

 

カメラバッグにはどんな要素が必要か、

それを理解してからお作りしていますが、

 

今回のクライアントは、

「オーダーする前に

自分にどんなカメラバッグが合うのかを

確かめたかったので、

これ!と思うものを購入して

まず使ってみました。

これならいいと感じたので、

マイナーチェンジしてオーダーしようと

思います。」

 

 

 

 

手の込んだ高価なものほど

こうした、事前の合う/合わないを

実際にお試しいただくことは、

無駄なく、気持良く

オーダーをかけられるコツのひとつです。

 

また、カメラバッグのように

特殊な用途の鞄であれば、

実際的な使用感を確かめてくださっていれば

完璧な対応ができます。

 

 

 

 

クッション性はオリジナルと同じで良いか?

他に足りない部分はないか?

それをすべて反映させてお作りしています。

 

下のお写真のバッグの内側、

左右に出っ張っているポケットは

拭き布を入れるためのものです。

 

 

 

 

丸い穴が開いているのは

ご依頼者からのご希望で

湿気を溜めないためのもの。

 

全部革で作った場合

中の湿気がどうなるか、という話もありましたが、

革でお作りすることが

今回のご希望の一番でしたから、

まずは考えられるだけのことを

やってみよう、となりました。

 

 

 

 

クッションも見本と同じようにして

内側もきれいにできました。

 

これをずっと製作していた技術者が、

「この革はほんとに扱いが大変です。

だからこれを裏地として使うなんて、

ちょっと考えられないくらい。」

 

こういう製品が市場にないのには、

このような理由があるのですね。

 

 

 

 

今回もうひとつ念頭に置いたのは、

「修理を前提とした作り方」です。

どこにトラブルが来やすいかあぶり出し、

そこを直す時に

どのように作っておけば修理がしやすいか、

を考えています。

 

たいていいつも、そのことを考えながら

一つひとつお作りしていますから、

それについては容易に方針が決まりました。

 

このたびはすばらしい鞄を作ることができ、

途中ため息が出る場面もありましたが、

山は高ければ高いほど楽しい、

と実感できました。

このたびは、ありがとうございました。

 

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